原点回帰を果たしたKOЯN、アルバムを語る

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ロードランナーへの移籍を果たし、2010年夏に9枚目のスタジオ・アルバム『KOЯN III - Remember Who You Are』をリリースするKOЯNが、ニュー・アルバムについて語った。

彼らはこの作品で自らのルーツを見つけると共に、更なるダークネスを探求、このアルバムは過去と未来をつなぐ作品となるだろう。

「このアルバムは1993年からの俺達のバンド活動を振り返る作品だ。これまでの作品で俺達は常にベストを尽くしてきたし、多くの事を経験してきた。『Remember Who You Are』では、俺達4人が小さい部屋に集まって、オールド・スクールなKOЯNのアルバムを作ろうとした。この作品は俺達がやってきた事の完璧なミクスチャーで、しかも今までにないほど最高のヴァージョンだ」──ジョナサン・デイヴィス

またプロデューサーに初期2作『Korn』『Life Is Peachy』に参加したロス・ロビンソンを起用した事に関して、ジョナサンはこうも語っている。

「ロスは俺達の前のやり方を思い出させてくれた。とくに精神的な面でね。ロスはいつもそばにいて俺の背中を押してくれて、クレイジーになる手助けをしてくれたんだ。俺は自分の心の叫びを歌ったし、彼はどうすれば俺にそれができるのかを知ってたんだ。ほとんどの曲では歌い終わる頃には消耗しきっていたけど、やり遂げたよ」

もちろん、満足感を得ているのはジョナサンのみにあらず。マンキィはロス・ロビンソンでなければダメだったことを、振り返っている。

「ロスと組んだ事で生々しくて感情的な音楽が出来上がった。俺達をあんな風にさせる事ができるのは、世界中でロスしかいないよ。彼は俺達に何故自分たちがここにいるのか、何故これらの楽曲がファンにとって大事なのか、何故俺達のバンドとしての活動が関係しているのかを思い出させてくれる。俺達の音楽がどんなライヴになっていくかを思い出させてくれて、完璧なタイミングでそれを見せてくれる。俺達はレコード・レーベルをもっていなくて、ただいいアルバムを作りたいだけなんだ。ロスは最高のタイミングでリセット・ボタンを押すために戻ってきてくれたんだ」──ジェームズ・マンキィ・シャファー

『KOЯN III - Remember Who You Are』では、レコーディングという作業プロセスの点においても原点に立ち戻って制作された。プロツールスやメンバー別のトラッキング、過度のポスト・エディットは一切行なわず、より生々しいカオスなサウンドを表現するために2インチのアナログテープを使って録音し、ロサンゼルスのスタジオのザ・キャット・ボックスと呼ばれる狭い部屋に閉じこもり、徹底的に収録が繰り返された。こうしたアルバムへのアプローチについて、レジナルド・”フィールディ”・アーヴィズ(B)は、「ベース・ヘッドを動かしただけで、誰かにぶつかりそうな部屋だった。そこに戻るのは、家族が再会するみたいな感じだった。また兄弟同士のように感じる事ができたんだ。年をとってエゴがなくなって、最高のレコードを作る事に集中する事ができた」と、初心に戻ったことによる刺激に喜びを隠さない。

「へヴィーにプレイするほど攻撃的に聴こえるし、軽くギターをはじくだけなら、軽い感じに聴こえる。俺はヴィンテージ・ギター、エコー、ロング・ディレイ、リヴァーブを使った。初めの2枚のアルバムでは、俺達は感情的な獣のような音楽をやっていたけど、何年も経って、俺達はヴォーカルや、それぞれの要素の全体的なハーモニーを重視し始めた。このアルバムのレコーディングで、俺達はこうした知識と、自分達がすでに知っていた生々しい感情を融合させたのさ。メロディーやハーモニーが聴けると思うけど、それが初期のKOЯNらしくもなっているはずさ」──マンキィ

アルバムに収録される「The Path」という曲は、そのタイトル通り過去について深く掘り下げたもの。「たくさんの人が過去に囚われて、罪悪感を感じている。過去について出来る事はないんだ。過ぎ去ってしまった事だからね。俺達がいるのは今、ここなんだ」とジョナサンは、現在の充実と未来への可能性に喜びと興奮を感じているようだ。

「歌詞は自然に思いつく。俺の歌詞は自分がどういう風に人の中で生きてるかって事だ。ストレスや罪悪感や俺達が生きていく中で毎日感じていて、俺達の事をめちゃめちゃにするような感情の事なんだ。俺達の周りにいる偽善者やどのように俺が他の人たちの問題を解決しようとしているかについて書いている。自分が感じる事を書いているし、それは自然に出てくるものだ。自分の中に嫌なものがたくさんあって、消えてくれない」──ジョナサン

今回のアルバムには、新たなドラマーとしてレイ・ルジアーが加入している。2007年にツアー・ドラマーとなり、2009年から正式メンバーとして迎え入れられた彼は、今作「Fear Is A Place To Live」などで攻撃的なプレイを披露し、初期のKOЯNらしさを見事に表現。彼の加入についてフィールディは「レイはこれまで俺達に欠けていたメンバーって感じだ。すごく良く馴染んでいるよ。彼と出会ったとき、彼の演奏はすでにKOЯNらしかったから、ことは簡単に運んだんだ。彼のプレイはまさに俺が必要としているものだったし、お互いにステージで何をしてるかが分かってて、みんなもそう思っている。KOЯNのキャリアの中で俺が求めていたのは今の俺達のサウンドなんだよ」と、バンド・コンディションのよさをアピールしている。

「言いたい事は「俺は誰なんだ?」ってこと。自分の原点を思い出す事についてさ。タイトルは俺が歌詞で伝えたい事をまとめているんだ。初めの2枚のアルバムでは、俺達はガキで何も持っていなかった。音楽を作って、楽しんで、何の心配もしてなかった。そして今、何の心配もしないってところに戻ったんだ。自分の気持ちに正直になって、自分を表現したかった。みんな社会のコミュニティやインターネットやテクノロジーにがんじがらめにされてて、自分が誰で、人生が何なのか忘れてるんだよ。俺もこのレコードを作るまで、自分が誰なのか忘れてた。このアルバムはただベース、ギター、ドラムス、そして俺のヴォーカルで出来ている。このレコードは時代にハマっていて、特別なものだと思うんだ」──ジョナサン

『KOЯN III - Remember Who You Are』は、2010年の夏、日本上陸となる。

『KOЯN III - Remember Who You Are』
1.OILDALE (LEAVE ME ALONE)
2.POP A PILL
3.FEAR IS A PLACE TO LIVE
4.MOVE ON
5.LEAD THE PARADE
6.LET THE GUILT GO
7.THE PAST
8.NEVER AROUND
9.ARE YOU READY TO LIVE ?
10.HOLDING ALL THESE LIES
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