ピンク・フロイド、最新リマスタリング・シリーズ、9月に世界発売

ザ・ビートルズ、クイーン…と歴史的名作が最新リマスターとして発売され、多くのロックファンを狂喜させてくれたが、このニュースにこそこれまでにない喜びと興奮を感じる人も多いことだろう。なんと、ピンク・フロイドのリマスター決定だ。ありがとうEMIミュージック!
EMIはピンク・フロイドの大規模リリースキャンペーンを実施すると発表、2011年9月、11月、2012年2月の3回に分けて実施され、ピンク・フロイドの様々なアルバムが登場する。

リマスタリングを行ったのはピンク・フロイドではお馴染みの米のエンジニア、ジェイムス・ガスリー。気になるのはアートワークで、デザインが一新されるという。それはないだろ…という意見が大半であろうが、監修は長年ピンク・フロイドのアート・ディレクターを務めているヒプノシスのストーム・トーガソンである。彼が携わるのであれば、それはまぐれもなくピンク・フロイドの作品である。つまり、この時代に来て、歴史的名盤が新しい音とビジュアルで再び生を受けるということのようだ。歴史にそびえ立つこれまでの名作はそのままに、現代のロックシーンで新たな装いを以ってリスタートを切るというのは悪くない。
これら全作品はアルバム単体としてはもちろん、全てのアルバムにフォトブックが付属したボックスセットや、アナログLP、デジタル・リリースなど、様々なフォーマットが用意される予定だ。

一連のプロジェクトに関し、EMIグループのCEOロジャー・ファクソンは「これは歴史上最も創造的で影響を与えたバンドのひとつとEMIのユニークなコラボレーションである。このリリースには1年以上の歳月を費やし、ピンク・フロイドを現代音楽において最も刺激的なバンドにしたすべての要素が含まれている。」と語る。
ピンク・フロイドは、イギリス出身のシド・バレット、ロジャー・ウォーターズ、ニック・メイスン、リチャード・ライトの4人により1967年に最初のアルバム『夜明けの口笛吹き』をリリース。翌1968年にはシド・ヴァレットが抜けデヴィッド・ギルモアが加入、プログレッシヴ・ロックを代表する歴史的な傑作アルバムを多数生み出してきたアーティストである。2006年にシド・バレット、2008年にはリチャード・ライトが他界するも、ピンク・フロイドの音楽は時代を超越し、世代をまたぎ、場所と時間のすべてを飲み込んで、世界中のオーディエンスから最大のリスペクトを受け続けている。アルバム・トータルセールスは世界で2億枚を超える。
今回のピンク・フロイド大規模リリースキャンペーンは、ポピュラー音楽史に残る大きな事件となるものだ。
写真(C)STORM THORGERSON
text by BARKS編集長 烏丸
第1弾リリース(2011年11月上旬予定)
1.『夜明けの口笛吹き』(1967)
2.『神秘』(1968)
3.『モア』(1969)
4.『ウマグマ』(1969)*2CD
5.『原子心母』(1970)
6.『おせっかい』(1971)
7.『雲の影』(1972)
8.『狂気』(1973)
9.『炎~あなたがここにいてほしい』(1975)
10.『アニマルズ』(1977)
11.『ザ・ウォール』(1979)*2CD
12.『ファイナル・カット』(1983)
13.『モメンタリー・ラプス・オブ・リーズン』(1987)
14.『対』(1994)
※これら全14作品にフォトブックを追加収録したボックス・セット
※上記アルバム単体及び、ボックスセットのデジタル・リリース
※『狂気』の6枚組コレクターズ・ボックスと2枚組デラックス・エディション、アナログLP、デジタル・リリース
第2弾リリース(2011年11月上旬予定)
※新編成のベストアルバム『A Foot In The Door - The Best Of Pink Floyd』
※『炎~あなたがここにいてほしい』の5枚組コレクターズ・ボックスと2枚組デラックス・エディション、アナログLP、デジタル・リリース
第3弾リリース(2012年2月下旬予定)
※『ザ・ウォール』の7枚組コレクターズ・ボックスと3枚組デラックス・ディション、アナログLP、デジタル・リリース
◆ピンク・フロイド・オフィシャルサイト
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