【BARKS編集部レビュー】キリッと明瞭、スッキリ高解像度、earmo Tune4はピュアサウンド

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良心的な価格と庶民的で柔軟な対応が魅力の日本発カスタムIEMブランドとして、埼玉県川口市の駅前に店舗を構えるearmoを紹介したのが2013年1月のこと。その時点でAir1(25,200円)、shake1(35,700円)、shake11(46,200円)、shake112(56,700円)という4つのバリエーションが掲げられていたが、新製品の開発とさらなるブラッシュアップはそれからも絶え間なく進んでおり、新機種の登場はもちろんのこと、ケーブルの改善やサウンド向上に向けearmoは急速な進化、変貌を遂げてきている。

◆earmo Tune4画像

▲earmo Tune4。

▲今回のフェイスプレートは、4色のプレートを張り合わせたearmo独自のデザイン。

▲オプションとしてコネクタをMMCXで制作することもできる。

▲金属製のダンパーが見える。シャープでクリアなサウンドを生み出す一端となっているのは間違いない。

▲比較してみた1ドライバー群。左からearmo Tune4、カナルワークスCW-L01P、LEAR LCM-1F。抵抗値の関係からTune4とサウンドが最も似ているのはカナルワークスCW-L01Pだ。LEAR LCM-1FはTune4と同じED-29689というドライバーが使用されているが、Tune4よりも重心は下がり、きっちりフラットなサウンドとなる。

▲左はearmo製の携帯ポーチ。クリーニングツールも付属する。

現在、最新モデルとして新たに発表されているのはフルレンジのシングルBA(バランスド・アーマチュア)を搭載したTune4と6ドライバー搭載のShake1122という2機種だが、水面下では世界中で注目を集めている1723AcuPassドライバーを搭載したTune5、4ウェイ5ドライバーのShake1124といった新設計のニューモデルも誕生しており、オフィシャルサイトに登場するのも時間の問題だろう。

そんな中で今回紹介するのは、8月31日に発売開始となったTune4(40,950円)という、フルレンジのシングル・バランスド・アーマチュア・ドライバーを搭載したモデルだ。Tunes4のコンセプトはシンプルで、誤解を恐れずに言えば名機Etymotic ResearchのER-4Sサウンドの再現である。事実、Tune4のサウンドはお見事にER-4Sのそれドンズバだ。

ER-4SにならいTune4のドライバーはKnowles ED-29689が用いられている。特徴的な直列抵抗や音響抵抗も全てER-4Sと同値のパーツがセットされており、事実上ER-4Sをリモールドしたものをイメージしてもよさそうだ。ポイントは耳に対するドライバーのセットアップだが、シェル内は大きな抵抗がひとつポツンと置かれているだけでドライバの姿は見当たらない。ドライバーは音導孔のすぐ下のカナル部分にすっぽりと収められているからだ。

これまでearmoで制作した他のモデルと比べると、Tunes4のカナル部分は限界ギリギリまで長めに作られており、ドライバーはその中に埋め込まれている。高い遮音性とクリアな音質を特徴とするER-4Sが、外耳道にズボッと深く挿入されるその構造に最大の特徴があるのはよく知られていることだが、その物理特性もそのまま見事に再現したのがTunes4の最大のポイントと言えそうだ。

earmoが補聴器専門店のブランドであることもあり、非常に精度の高いシェルのお陰でその遮音性と使用感は極上だ。高い遮音が得られるのみならず、ER-4Sよりも低域の量感とクリアさは向上しているようにすら聞こえる。切れの良い中高域の鮮やかさはパーフェクトだ。通常のイヤホンがイヤーチップを介して音を届けているのに対し、カスタムIEMは音導孔から放たれる全域の音が何らスポイルすることなく鼓膜に到達している感覚である。当然ながらケーブルのタッチノイズも皆無なので、ER-4Sのひどいタッチノイズから開放されるという点だけでも、Tunes4を手にする価値がある。

なお、現在earmoではケーブルもバリエーションが増えており、オリジナルの2ピンプラグのみならずMMCXコネクタをセレクトできるようにもなった。手持ちの交換ケーブルなどとの都合によって、好きな形状を指定できるのは嬉しいところだ。

フェイスプレートのカラーリングや造形に対しても、既成概念にとらわれない自由すぎる発想で製作を試行してくれる点もearmoの大きな魅力のひとつで、このド派手なカラーリングもearmoらしいデザインのひとつ。カラフルに塗り分けたのではなく、これはモザイクやステンドグラスのように各カラーの小片を組み張り合わせて作られている。ある意味手作り感も満載だが、親しみやすさと他にはない一点モノの愛着が、所有の喜びを最大化させてくれる。製品から漂うこの温かさも、earmoスタッフの姿勢や人柄から醸しだされるものだろう。そもそもカスタムIEMはそのほとんどが職人による手作業で作られるもので、自動化・機械化されている行程はないに等しい。世界最大の規模を誇るUltimate Earsでさえ、全作業がほぼ手作業で進められている状況であるからこそ、人肌の質感がデザインに表れるのはearmoの最大の魅力に映る。純日本のブランドだからこそ、日本人に根ざしたおもてなしの心が、そこに宿っているのかもしれない。

高いインピーダンスを持っているので、プレイヤーのボリュームを上げ目にする必要があるが、そのサウンドは、キリッとクリアなER-4Sにちょっぴり低域の量感を付加したような理想的なサウンドにまとまっている。よく見ると音導孔には金属ケースのダンパーも見え、微細なチューニングで完成形まで追い込んだ様子も伺える。

最高レベルの遮音性に、痛みの出ない装着感、タッチノイズからの脱却というスペックは、ER-4Sファンには見逃す事の出来ない、夢の三拍子だ。

text by BARKS編集長 烏丸哲也

earmo Tune4
・標準価格:40,950円(税込)
・スピーカー構成:1バランスド・アーマチュア・1ウェイ1ユニット1レシーバー構成
・インピーダンス:108Ω
・コード長:1.3m
・プラグ:φ3.5mm24K金メッキL字プラグ
・付属品:クリーニングツール

ハーモニー補聴器
〒332-0012 埼玉県川口市本町4-1-8 川口センタービル1階
TEL:048-222-7801(代)
FAX:048-222-7801
営業:9:30~18:00
定休日:日曜・祝日
[問]info@earmo.jp

◆earmoオフィシャルサイト
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■オーディオテクニカ ATH-CK100PRO(2011-11-14)
■SOUL by Ludacris SL99(2011-11-04)
■Fischer Audio Ceramique(2011-10-25)

■SHURE SE535 Special Edition(2011-10-21)
■JVCケンウッドHA-FX40(2011-10-16)
■BauXar EarPhone M(2011-10-10)
■SONOCORE COA-803(2011-10-02)
◆TripleFi 10 ROOTHリモールド(2011-09-25)

■AKG K3003(2011-09-18)
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■Bowers & Wilkins C5(2011-09-06)
■Westone3(2011-09-02)
◆カナルワークスCW-L31(2011-08-26)

◇ORB JADE to go(2011-08-22)
■YAMAHA EPH-100(2011-08-14)
■NW-STUDIO(2011-08-09)
■NW-STUDIO PRO(2011-08-02)
◆FitEar MH334(2011-07-29)

◆ROOTH SE530×8(2011-07-26)
■Westone ES5(2011-07-21)
●SHURE SRH940(2011-07-17)
◆Ultimate Ears 18 Pro(2011-07-15)
■クリエイティブAurvana In-Ear3(2011-07-06)

◆カナルワークス CW-L01(2011-07-01)
■GRADO GR10&GR8(2011-06-25)
◇SAEC(サエク)SHURE SE用ケーブル(2011-06-21)
■フィアトンPS 20&PS 210(2011-06-17)
■ZERO AUDIO ZH-BX500&ZH-BX300(2011-06-11)

■フィリップスSHE8000&SHE9000(2011-06-03)
■アトミック フロイド(2011-05-26)
■モンスター・マイルス・デイビス・トリビュート(2011-05-20)
■SHURE SE215(2011-05-13)
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■ラディウス・ドブルベ/ドブルベ・ヌメロドゥ(2011-05-01)
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■Klipsch Image X10/X5(2011-03-23)
■ファイナルオーディオデザインheaven(2011-03-11)
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