TASCAMからWi-FiでスマホからコントロールできるリニアPCMレコーダー「DR-22WL」&「DR-44WL」

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ティアックは、Wi-Fi接続に対応したリニアPCMレコーダー「DR-22WL」と「DR-44WL」をTASCAMブランドで10月上旬より発売する。

「DR-22WL」と「DR-44WL」は、新たにWi-Fi(無線LAN)によるリモート・コントロールや再生モニタリング、ファイル転送が可能になった、リニアPCMレコーダーDRシリーズの次世代モデル。「DR-22WL」はシンプルオペレーションが特徴、「DR-44WL」は4トラック録音など音楽制作や高度な録音に応えるモデルとなっている。

最大のポイントは、スマートフォン(iOS、Android)に無料ダウンロードの専用アプリをインストールすることで、遠隔操作が可能なところ。17日行われた発表会では、そのメリットが説明された。


▲手の届く場所にしか設置できないという、これまでのレコーダーの問題点をWi-Fi対応で解決。自由なマイキングが可能に。

楽器の録音では、ベストなポジションで録音するためにプレイヤーから離れたところにレコーダーをマイクをセッティングすることが多いが、リモート・コントロールならレコーダー間の移動が不要になるため、1人でも効率的に行えるようになる。高いところから集音するマイキングでも、わざわざ下におろして本体の画面を見ながら操作するという手間はなくなる。また、ライブ会場での録音時には、観客の手が届かない位置にセッティングすることで、録音の失敗が防げる。自由なマイキングが可能になったことで、これまでのレコーダーで解決されていなかったニーズに応えられるようになったというわけだ。

Wi-Fiでの操作は、本体操作時のタッチノイズの発生も防げるほか、受信可能範囲が限られる赤外線リモコンに対するメリットも見逃せない。従来の有線リモコンとの比較では、再生・録音の操作だけでなく、メーター表示や録音フォーマットの変更などが行える点が挙げられる。


▲専用アプリでスマホから録音・再生・停止、各種設定が可能。メーター表示、録音済みファイルのストリーミング再生、ファイル転送も行える。

録音したファイルはWi-Fi経由でスマートフォンへのストリーミング再生や、ファイルへ転送が可能。アプリには音楽ファイル共有サービスのSoundCloudにアップロードする機能も備えるので、ライブの演奏を録音後すぐにインターネットに公開することも可能だ。

スマートフォンとのWi-Fi接続に、アクセスポイントは不要なのもうれしいところ。専用のリモート・コントロール・アプリはWindows/Mac用も用意される予定だ。

レコーダーとしての基本機能だが、両モデルともリニアPCM録音は44.1k/48k/96k Hz、16/24ビット、MP3は44.1k/48k Hz、32kbps~320kbpsに対応。WAVとMP3を同時に録音できるデュアルフォーマットレコーディング機能も備える。従来モデルに引き続き、高音質録音を追求。マイクユニットやパーツ類は、社内音響評価施設での試聴評価を経て選定、調整が行われている。続いて各モデルの特徴を見ていこう。

■シンプルオペレーションの「DR-22WL」


「DR-22WL」は、だれでも簡単に高音質リニアPCM録音が楽しめるよう、使いやすいユーザーインターフェースを追求したシンプルなモデル。管弦楽器やピアノ、アコースティックギターなど、アコースティック楽器を中心とした音楽録音に最適としている。デジタル一眼レフカメラの動画撮影用レコーダーやインタビューの録音など、音楽以外の用途でも活用可能だ。

搭載するマイクは、ねらった録音を実現するX-Y方式単一指向性ステレオコンデンサーマイク。音圧125dB SPLの大音量を確実に捉える耐高音圧設計で、大音量のバンド録音にも安心して利用できる。シーンにあわせたセッティングが瞬時に呼び出せるシーンダイヤルや、自動的に最適なレベルを設定するレベル調節機能、録音済みの音に重ねて録音できる非破壊オーバーダビング機能、リバーブエフェクトも搭載する。

電源は単3形電池2本(アルカリ乾電池またはニッケル水素電池)、USBバスパワー、専用ACアダプター(TASCAM PS-P515U、別売)に対応。外形寸法は52.2(W)×155(H)×36.6(D)mm、重量は170g(電池を含む)/123g(電池を含まず)。4GB microSDHCカードとUSB接続ケーブル、動作確認用単3形電池2本が付属する。

■4トラック録音対応、音楽制作や高度な録音に応える「DR-44WL」


「DR-44WL」は、4トラックのリニアPCMレコーダー。楽曲制作やライブ録音、プロ用途、フィールド・レコーディングに向けたモデルだ。内蔵マイクはX-Y方式単一指向性ステレオコンデンサーマイク。マイクへの振動を吸収する新搭載のショックマウント機構や音響的に考えられた専用のマイクケースを採用、レベル調整用の専用回路PGA(Programmable Gain Amplifier)により低ノイズを実現している。ADコンバーターはシーラス・ロジック製。ドラムでも歪まない音圧132dB SPLの大音量耐高音圧設計も特徴だ。


▲DR-44WLのマイクには一般的なコンデンサーマイクで使われるショックマウント構造を採用(写真左)。ウィンドスクリーンやマイクスタンドアダプターをはじめとするアクセサリーが標準で同梱される。

本体搭載のマイクでの録音のほか、XLR/TRS外部入力端子による録音にも対応(ファントム電源対応)。楽曲制作に活用できるMTRモードも備える。ステレオ録音だけでなく、2ステレオ、ステレオ+2モノラルなど用途に合わせた使い方ができ、よりハイレベルな録音が行える。「DR-22WL」同様、リバーブエフェクトも装備。また、4トラックモードでは、クロマチック・チューナーとメトロノームが使用可能だ。

電源は単3形電池4本(アルカリ乾電池またはニッケル水素電池)、USBバスパワー、専用ACアダプター。外形寸法は79(W)×162.2(H)×42.5(D)mm、重量は346g(電池を含む)/251g(電池を含まず)。ウィンドスクリーン、マイクスタンドアダプター、シューマウントアダプター、ソフトケース、4GB microSDHCカード(SDカードアダプター付)、USB接続ケーブル、ACアダプター、動作確認用単3形電池4本が付属する。


▲発表会では、リモート・コントロールによるレコーディングも実演。水島愛子さんによりバイオリン、平沢匡朗さんによるチェンバロの演奏が録音された。

◆DR-22WL
価格:オープン(市場予想価格 17,800円前後)
◆DR-44WL
価格:オープン(市場予想価格 35,800円前後)
発売日:2014年10月上旬

◆DR-22WL 製品詳細ページ
◆DP-44WL 製品詳細ページ
◆ティアック
◆BARKS タスカムチャンネル
◆BARKS 楽器チャンネル
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