貫禄に満ちたロック、スコット・イアン率いるモーター・シスター登場

モーター・シスターのデビュー・アルバム『ライド』が4月22日に発売となる。アンスラックス、フェイツ・ウォーニング、ザ・カルトのメンバーが轟かせる、貫禄に満ちたロックだ。スコット・イアンが敬愛してやまないマザー・スペリアの楽曲にメタル・エッジなテイストとグルーヴを加味して甦らせた注目のスーパー・バンドである。

◆モーター・シスター画像

何か新しいことにチャレンジしたいと思っていたアンスラックスのスコット・イアンは、50歳の誕生日を迎えたタイミングで敬愛するバンド、マザー・スペリアを現代に復活させることを思い立ったという。

「彼らはオレの好きな1970年代のバンド、UFO、テッド・ニュージェント、チープ・トリック、キッスと同じポジションにいる重要な存在さ。彼らとプレイするということは大好きなキッスに参加して、ジーン、ポールと共演することと同じくらいエキサイティングなことさ」──スコット・イアン


彼の妻であり、ミート・ローフの娘でシンガーでもあるパールは、ソロ・アルバム『Little Immaculate White Fox』（2010年）をリリースした。このアルバムにはマザー・スペリアのジム・ウィルソンが参加しており、この話が立ち上がると彼女はジムに連絡をして話を取り付ける。

「素晴しいアイディアだと直感したさ。楽しそうだし、いい機会だと思ったよ。新しいチャプターの予感がしたから、やるしかない！そう思ったさ。」とジム・ウィルソンが語る。バンドにはジョーイ・ヴェラ（フェイツ・ウォーニング/アーマード・セイント）とジョン・テンペスタ（ザ・カルト/ホワイト・ゾンビー/エクソダス/テスタメント）の参加が決まり、“愛と尊敬に満ちたロック・バンド”が産声を上げたのだ。

スコットによる選曲とリハーサル、お披露目パーティー・ライヴを経て、アルバムのレコーディングへと突入する。その経緯をスコットは説明する。

「自分好みのセットリストをパーティーでプレイしたけど、その熱気はまさにアメージングだった。オレ達はプレイすることにより、一瞬にして素晴らしいバンドとして結束した。凄すぎたよ！」「客の中にいたMetal Bladeのマイク・ファレイがこのバンドのポテンシャルに驚き、可能性を感じたようだ。レコードにするべきだってね」

プロデューサーにジェイ・ラストン（アンスラックス、スティール・パンサー）を起用したバンドはたった2日間でレコーディングを完了させた。

「スタジオではすべてライヴで録った。セッティングもまるで自宅でやるようだったさ（笑）」──スコット・イアン


新しい命が吹き込まれた楽曲にはメタル・エッジなテイストとグルーヴが加味され、デビュー・アルバム『ライド』が完成した。このアルバムには彼らの熱き想いと情熱が込められている。「このアルバムを制作することができて誇りに思うさ。大好きな曲が日々形を変えて、パワフルになっていくんだよ。まさにエキサイティングという言葉がぴったりな感覚さ。メンバーはそれぞれが忙しい日々を送っているけど、できるだけライヴ活動をやることを重視している。オレ達はグレイトなライヴ・バンドだからね（笑）。それはすでに証明済みさ。」「新しいマテリアルと新曲をやる準備も整っているさ。今回のアルバムで終了！ということは決してないよ。オレ達は常に先を見据えて動いているのさ」

モーター・シスターというバンド名はマザー・スペリアの楽曲「Little Motor Sister」から命名されている。

※マザー・スペリア
ブルース、ソウル、ロックン・ロールをコンバインしたサウンドを放ったジム・ウィルソン（G）、マーカス・ブレイク（B）、ジェイソン・マッケンロス（Dr）によるLA出身のバンド。LAではクラブ・アクトとして人気を博し、8枚のアルバムをリリースするもバンドは惜しまれながら解散している。アルバム『Deep』はヘンリー・ロリンズがプロデュースを担当、このアルバム発表後にメンバー3人はロリンズ・バンドへ参加した時期もあった。