【インタビュー】コブクロ「音楽は最後、口元に残る」

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■ 布袋さんのヒーローっぷりって半端ない
■ 僕、子供が戦隊もののヒーローベルトを欲しがるのと一緒でしたよ(小渕)

──二人の関係性は今後も変わらぬままと思いますが、今回のアルバムでは布袋寅泰との共作が収録されましたね。作曲に他者が入ったのは初めてですよね?

小渕:はい。依頼したのはここ十何年…初めてですね。詞は書くので「メロディだけお願いしていいですか」って言ったら「もちろん」って。メロディが送られてきたんですけど、そこに「ぜひこの歌の中で二人が旅をして欲しい」とメッセージをくださって。生きることの苦しみとか悲しみとか、いろんな思いをオーディエンスと共有していける歌に育ててほしい、みたいなことを頂いて。

──メッセージがついてくるって、いいですね。

小渕:そうなんです。それで「NO PAIN, NO GAIN」というテーマ性にたどり着いたんです。


──サビなどは布袋寅泰の匂いがすごくしますよね。普段のコブクロだったら「痛みなくしては得られない」って日本語で歌うところでしょ?

黒田:確かに。

──「NO PAIN NO GAIN♪」と歌ってしまうのは、布袋寅泰メロディの力でしょうか。

小渕:そうですね。

黒田:しかもサビみたいなメロディが何個もあるっていう。僕らとは作り方が全然違うなって思いますね。

──そもそも、今までずっと二人で曲を作ってきたコブクロが、他の人に曲を提供してもらおうという発想はどこから?



小渕:<LIVE TOUR 2015 "奇跡">のツアー前に、アップテンポな曲を書くって言ってたんですけど、キラーンみたいにひらめいて「布袋さんに書いてもらおうか」って。このツアーは「奇跡」を歌うためじゃなくてね、「ツアー全部を観たときに奇跡を感じてもらうにはどうすればいいか」って話を日々してたんです。最終的にみんなで「ココロの羽」という繋がりのある歌を歌うんですけど、そこでひとつになるという奇跡を生むがためには、どんな奇跡があるのかって。僕の中の「これが叶ったら奇跡」っていうのは、憧れた人に曲を書いてもらうことでもあったから。僕らシンガーソングライターだから誰かに曲を書いてもらうってこと自体普通に考えたらあり得ないんですけど、憧れてますから。血となり肉となったその音楽性を学んだ先輩からだったら、僕は書いてもらっていいなって。

──そもそも小渕さんは布袋寅泰のコンクリート・ギターを持っていますよね。

小渕:布袋さんが渡英されるときに、手放すギターがいくつかあるって言われたんですよ。「全部は持って行けないんだよ、俺」って。何百本にもなっちゃって「結局弾かないんだったら可哀想だから、弾きたい人にって思ってるんだよね」って。もう僕、キラキラ乙女になっちゃって(笑)。で、手放すギターの中にコンクリートが入ってて「コンクリートだけは僕にもう、僕に!」って。「まあ、コブちゃん以外にも欲しい人いっぱいいるんだよね」って言われたけど、「わかってます、わかってます。でも布袋さん、僕、こんなお願いしたことないですよね?」って(笑)。布袋ファンからすれば、あれが一番想いが強いギターだったんですね。デヴィッド・ボウイの「STARMAN」を歌う時に弾いていたっていう雰囲気もたまんなくって。僕に譲ってくれるっていう話になったとき、すんげー泣きそうでした。

──わかります。当時私も雑誌でコンクリート・ギターの取材を重ねていましたから、あのギターの凄さとレア度は十分存じております。

小渕:それで去年のツアーでは、これを弾いたんです。布袋さんのヒーローっぷりってやっぱり半端じゃなくて、子供が戦隊もののヒーローベルトを欲しがるのと一緒ですよ。うわっ、すげ!って、追っかけ続けてたから。

──あのモデルは発売されませんでしたからね。

小渕:はい。世の中にあれしかないんですよ。

──今回の共作の興奮度も伝わってきます。

小渕:可愛がって頂いています。コブクロの曲でギターを弾いてもらうというアイディアは前からあったんです。「3曲まで無料でダビングします」とかギャグで言ってくれてたんですよ。

黒田:あはははは(笑)。

小渕:曲を作ってもらうというのは最高のコラボレーションですよね。懐に入り合わないとできないことだから、それが実現して本当に嬉しかったです。

──もちろんギターは布袋寅泰で。

小渕:ギターは全部布袋さんです。実はこの前、布袋さんのレコーディングに呼んでもらって、日本でコーラスをダビングしたんです。「コブちゃんたちの曲をイギリスでやって、自分の曲を日本でやってる。どうなってんだ?」って言ってました(笑)。

──『TIMELESS WORLD』は、思いも夢も詰め込まれた素晴らしい作品になりましたね。



小渕:すべての曲において、ただの衝動で作ったものではなく、ライブのことまで考えられたことが大きいです。そして「歌いたい」という衝動の強さで全部を包み込むっていうここまでのアルバムはないかもしれないですね。聴く音楽というよりも歌う音楽。歌を歌いたくなる音楽。

──なるほど。

小渕:布袋さんのギターを聴いてギターが弾きたくなったように、このアルバムを聴いて「歌いたい」と思える人が増える。CDって失くしちゃったり歌詞カードがどこか行っちゃったりするけど、音楽は心に残るでしょ?それが僕の目指すところなんですよ。「上を向いて歩こう」は、みんな知ってますけど、家にCDがあるわけじゃない。CDがあるかないかはどっちでもいいんです。携帯に入っているか入っていないかも、どっちでもいい。音楽は最後、口元に残る。心と頭に記憶されて、口元まで来るか?が、僕のこのアルバムの大きいテーマです。歌ってもらい歌い継がれること。

──より一層ツアーが楽しみになりました。ありがとうございました。

取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也

  ◆  ◆  ◆

アルバム 『TIMELESS WORLD』

2016年6月15日(水)発売
■初回限定盤(CD+DVD)
WPZL-31195/6 ¥4,500(+税)
※5年ぶりの学祭ライブ「慶應義塾大学 第57回三田祭前夜祭」の模様を全編収録したDVD付き
■通常盤(CD)
WPCL-12389 ¥3,000(+税)

[収録曲]
01.「 SUNRISE」 アサヒビール「アサヒもぎたて」CMソング
02. 「未来」映画「orange-オレンジ-」主題歌
03. 「何故、旅をするのだろう」 JR西日本CMソング
04.「 tOKi meki」
05. 「SNIFF OUT !」 テレビ東京系ドラマ「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~」主題歌
06. 「サイ(レ)ン」
07. 「hana」ロッテGhana CMソング
08. 「星が綺麗な夜でした」
09. 「Twilight」 映画「トワイライト ささらさや」主題歌
10. 「Tearless」
11. 「陽だまりの道」 ドラマ「ブラック・プレジデント」主題歌/紀陽銀行CM
12. 「42.195km」 大阪マラソン・公式テーマソング
13. 「奇跡」ドラマ「DOCTORS 3 最強の名医」主題歌
14. 「NO PAIN, NO GAIN feat.布袋寅泰」 東京個別指導学院CMソング
15. 「STAGE」 テレビ朝日ドラマ「警視庁・捜査一課長」主題歌

<KOBUKURO LIVE TOUR 2016“TIMELESS WORLD” supported by Ghana>

2016年8月27日(土) 札幌・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ 開場16:30/開演17:30
2016年8月28日(日) 札幌・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ 開場15:00/開演16:00
2016年9月10日(土) 広島グリーンアリーナ 開場16:30/開演17:30
2016年9月11日(日) 広島グリーンアリーナ 開場15:00/開演16:00
2016年9月21日(水) 名古屋・日本ガイシホール 開場17:30/開演18:30
2016年9月22日(木・祝) 名古屋・日本ガイシホール 開場15:00/開演16:00
2016年10月1日(土) 名古屋・日本ガイシホール 開場16:30/開演17:30
2016年10月2日(日) 名古屋・日本ガイシホール 開場15:00/開演16:00
2016年10月8日(土) 愛媛・ひめぎんホール・メインホール 開場16:45/開演17:30
2016年10月9日(日) 愛媛・ひめぎんホール・メインホール 開場15:15/開演16:00
2016年10月24日(月) 日本武道館 開場17:30/開演18:30
2016年10月25日(火) 日本武道館 開場17:30/開演18:30
2016年11月2日(水) 仙台サンプラザホール 開場17:45/開演18:30
2016年11月3日(木・祝) 仙台サンプラザホール 開場15:15/開演16:00
2016年11月9日(水) 新潟県民会館 開場17:45/開演18:30
2016年11月10日(木) 新潟県民会館 開場17:45/開演18:30
2016年11月19日(土) さいたまスーパーアリーナ 開場16:00/開演17:30
2016年11月20日(日) さいたまスーパーアリーナ 開場14:30/開演16:00
2016年11月26日(土) マリンメッセ福岡 開場16:30/開演17:30
2016年11月27日(日) マリンメッセ福岡 開場15:00/開演16:00
2016年12月5日(月) 宮崎市民文化ホール 開場17:45/開演18:30
2016年12月6日(火) 宮崎市民文化ホール 開場17:45/開演18:30
2016年12月17日(土) 京セラドーム大阪 開場15:00/開演17:00
2016年12月18日(日) 京セラドーム大阪 開場14:00/開演16:00

チケット料金:全席指定¥7,900(税込) ※6歳未満入場不可

■「KOBUKURO LIVE TOUR 2016“TIMELESS WORLD” supported by Ghana」特設サイト
URL→ http://emtg.jp/feature/kobukuro_tour2016/

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