【音踊人29】バンギャから見た<VISUAL JAPAN SUMMIT>(都内在住・くろあげは)

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2016年10月14日(金)〜16日(日)の3日間、日本最大のヴィジュアル系フェス<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>が開催された。このフェスはX JAPAN、LUNA SEA、GLAYという錚々たるバンドが主催・ヘッドライナーを務めるということから、開催の発表があった時点から相当な盛り上がりをみせていた。

開催から一週間が経っているが、いまだ自分の中でこのフェスの熱が冷めないため、ここに感じたことを記しておこうと思う。

私もヴィジュアル系好き…もといバンギャの一人として、このフェスの開催には大変興奮した。上述の3バンドが一堂に会することはもちろんだが、私をもっとも狂喜させたのは「若手ヴィジュアル系バンド」も出演するという情報だった。

ヴィジュアル系のファンにもいろいろ種類があるのだが、私はあえて言うならば「発掘」が好きだ。大御所と呼ばれるようなバンドのライブにももちろん行くが、若手バンドを観に高田馬場AREAに行くこともあれば始動したばかりのバンドを探しに池袋CYBERまで足を伸ばすこともある。

若手のがむしゃらに音楽に向き合う姿勢、必死に自分たちの主張を伝えようとする姿勢、その熱さがとても好きなのだ。演奏やパフォーマンスはまだまだだ、と思うこともある。だが未完成であってもいい音楽を奏でているバンドがたくさんいると肌で感じている

だがどうしてもヴィジュアル系、というジャンルはマイノリティであるし、昨今は若手バンドたちも上のステージにあがれないバンドが多く、飽和状態であることは否めない。何か大きなチャンスがあれば、こういった若手バンドもいろいろな人に見てもらえるのに…ともやもやした思いを抱くこともしばしば。

そんなときにこのフェスの開催が発表されたので、とても嬉しかった。当然のように私も3日間ともフェスに参戦することを決めた。


<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>では本当の若手から中堅どころ、大御所と、あらゆる層のヴィジュアル系バンドが多数出演。朝から晩までヴィジュアル系に浸れ、たくさんのバンドを観れることにただただ感動していた。

どのバンドもこの伝説言われる大きなステージに立てることへの嬉しさがにじみ出ていて、見ているこちらも同じく嬉しい気持ちになった。特に若手バンドは普段のステージよりもどことなく気合が入っている様相。その気合が大御所バンドを目当てに来ている観客にも伝わればよいなと、まるで親心のようにステージを見ていた。

3日目のMUCCのステージで、逹瑯(Vo)が「いつからヴィジュアル系がカッコ悪いと言われるようになったんだろう。ヴィジュアル系やってるって胸張って言えるような未来にしていきたいなと思います。」と述べていたが、この言葉がぐっと胸にきた。

ライブハウスで若手バンドを観ているとき、様式ばかりに捉われ音楽をないがしろにしているバンドがたくさんあることも知った。もっと厳しく言えば、ただ化粧をしてそれっぽいことをしているだけ、チヤホヤされたいだけ、と感じる「カッコ悪い」バンドもいる。
一方で、逹瑯の言葉に表れているように「どうしてこうなったんだろう」と思っているバンドもファンもたくさんいる。ヴィジュアル系は先入観をもたれがちなジャンルだ。そのマイノリティな世界にいることが心地よかったりもするのだが、実生活の上でヴィジュアル系好きを公言すると引かれてしまうことも正直ある。

だが私はヴィジュアル系というジャンルが好きで、このジャンルの音楽には人を救う力もあると思っている。だからこのまま「カッコ悪い」ジャンルにはなって欲しくない。これからのヴィジュアル系の未来を考えたとき「ヴィジュアル系やってるって胸張って言えるような未来にしていきたい」と全バンド、全ファンが思えることが大事なのかなと感じた。

この3日間、<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>の来場者数は10万人を超えたという。若手バンドがあと1人、2人と観客を呼ぶのに苦労をしている世情の中で、これだけの人がヴィジュアル系に興味を抱いたというのは驚くべきことだと思う。これからのヴィジュアル系にも全然未来はある。

今回のフェスで、若手バンドにも注目が集まった。SNSを見ていても、大御所を見に来たファンが若手をかっこいいと言っていることもあった。ただ、身をもって思ったが大御所と若手の間にはまだまだ大きな壁がある。だが今回のフェスはそういった壁を少し壊してくれるものだったのではないかと思う。バンドにとってもこの大きなステージ立てたことは大きな経験となっただろうし、ファンとしても楽しかっただけでなく、知らなかったバンドを知れたといういい機会になったのではないだろうか。

こうして大御所、若手に限らず「ヴィジュアル系バンド」というジャンルの良さが一人にでも多く伝われば、いちバンギャとしてもとても嬉しい。バンドもファンも胸を張って「ヴィジュアル系」して欲しい。いつかこのジャンルが「かっこ悪い」ものでなくなることを祈る。

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