【インタビュー】Tak Matsumoto & Daniel Ho、ダニエル・ホーが語る「Takさんをもっと見て学びたい」

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■何かに似たものや焼き直しは
■絶対に作りたくない

──これまでも色んなミュージシャンと共作してきていますが、今回はどのような刺激がありましたか?

ダニエル:コラボレーションはとても素晴らしい学びの場です。学校へ行くような気持ちで可能な限り学び取ろうという姿勢で、目を見開き耳をこじ開けて臨むんです。Takさんと共にして思うのは、ジャンルは違えど音楽に対する規律みたいなものは似ているという点です。音に関する全ての細部に目を配っていて、荒々しさなどはまったくない。それにエレキ・サウンドに関しても勉強になりましたよ。ギター・プレイヤーとしてのサウンドの作り込みや、ユニークな曲作りのやり方からは多くを学びました。お互いに信頼し合える関係性も築けていたので、「これやろうよ」「OK!」「よし、次はこれどう?」「OK!」みたいな感じで、同じヴィジョンに向けて、気楽にとても心地よく取り組むことができたんです。「これはやりたくない」とか「やり直したい」といったことには一切ならなかったですね。

──逆に、松本孝弘に引き出された自分自身の新たな発見はありましたか?

ダニエル:音楽的に、これまでやってきたものとはまったく異なる作品を作ることができたと思います。ミュージックビデオを撮るのも新鮮な体験でしたし、衣裳を作るために身体のサイズを測られるのも(笑)初めてでした。自分がライブをやるときは、ありのままの自分の姿でステージに上がるだけなので、パフォーマンスというより素の自分が出ているだけなんですけど、“帽子ひとつかぶるだけでも印象が大きく変わる”といったような、別の見せ方があることもTakさんから学んだことですね。ミュージシャンとしてのTakさんだけでなく、アーティストとしてのTakさんをもっと見て学びたいです。コンサートのプロデュース/映像制作など、同じことをやっていてもまったく違うやり方なので、私はミュージシャンとして大きく成長することができました。ツアーでもより多くのことを学ぶと思います。

──Tak Matsumoto『New Horizon』からの「Island of peace」「Rain」やジャーニーのカバーなどは、ダニエルさんのアイディアだったとか?

ダニエル:「Island of peace」「Rain」からは島っぽさが感じられたので、それをウクレレやギターでアレンジしたら面白いものができるんじゃないかと思って。ジャーニー「Faithfully」は大好きな曲なんですけど、「ミュージシャンであること」や「ツアーでいつもいない」ことなど、その歌詞がこのアルバムに合っていると思いました。

──いろんな音を操るわけですが、どの曲にどのサウンドを用いるかはフィーリングで決めていくのですか?

ダニエル:楽曲を聴いてのフィーリングです。自分が書いた曲を弾きこなせるくらいのレベルでは演奏したいと思っているので、作曲をしたときの感情に適した楽器を選んでいくんです。

──楽器そのものが持っている本来のキャラクターもあるでしょう?

ダニエル:それはあります。ウクレレはハッピーなものに合いますし、逆にピアノはどんな感情でもフィットします。88も鍵盤があるし、同時にいろんな音も出せるしシンプルに弾くこともできるから。制作過程において重要なのは、ユニークネス(個性)です。音だけではなくタイトルもそうですよ。私は、曲名も同じタイトルが存在しないかどうかネット上で検索してみるんです。「Infinite Escapade」も検索して、どこにもないことを確認してますよ。同じ楽器で曲作りをすると、どうしても似たようなサウンドになったりしてしまうのですが、何かに似たものや曲の焼き直しみたいなものは絶対に作りたくないんです。だからウクレレも普通とは違ったアプローチの弾き方…例えばハープの演奏法を使ってみたり、クラシックな演奏法を用いてみたりもします。エレキギターと琴を合わせて、これまで誰も聴いたことのないサウンドを作ってみたりとか、中国のシンバルをファンク・パターンのリズムで使ったりすることでエネルギーがアップしたり。アーティストにとってユニークであることはとても重要ですから、フィルひとつにしても他の人とは違ったやり方で録っていくことが一番優先するところですね。

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