【インタビュー】レックレス・ラヴ「こんな長い間待たせてごめん」

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2000年代以降、80年代継承の若手バンドが北欧から続々と登場したが、フィンランド出身のレックレス・ラヴもそのひとつだ。

◆レックレス・ラヴ画像

2005年にスウェーデン出身のクラッシュダイエットが日本で人気が出始めた頃、シンガーの自殺により2代目シンガーとしてレックレス・ラヴのオッリ・ヘルマンがクラッシュダイエットに加入する事となった。彼の歌声やパフォーマンスはバンドにもよく馴染み、装い新たに活動を加速させると思われたものの、その後再びオッリはレックレス・ラヴに復帰し、2010年にデビューを果たすこととなった。

レックレス・ラヴはこれまで4枚のアルバムをリリースしているが、ヴァン・ヘイレン、デフ・レパード、モトリー・クルーやポイズンといったサウンドが好きであれば彼らの作品にも大いなる魅力を感じることだろう。<LOUD PARK 2010>で初来日を果たした彼らだが、オッリは、アレキシ・ライホ(チルドレン・オブ・ボドム)とともにローカル・バンドとして<LOUD PARK 2015>に出演、2017年6月には初の単独来日公演を実現させている。


来日公演では、彼らが敬愛するシン・リジーの「The Boys are Back in Town」がSEとしてかかる中、これまでの全作品から万遍なくセレクトされたオールタイムベストのセットリストでショーはスタートを切った。。フロントのオッリ・ヘルマン(Vo)はマイケル・モンローやデイヴ・リー・ロスを彷彿させるそのルックスとステージアクションを見せ、ハイトーンも余裕の安定感がある歌を聞かせてくれた。

ギタリストのぺぺはデヴィッド・ボウイのカットTシャツにペイントのシャーベルを抱え、その姿からも1980年代への愛が溢れている。リズム隊のヤッレ・ヴェルネ(B)とヘッス・マックス(Dr)もシンプルながら、アタックの効いた良プレイをしている。オーディエンスとのレスポンス/掛け合いも心地よく、ヨーロッパをサーキットしてきた実力が存分に発揮されていた。

「Scandinavian Girls」では曲のエンディング部分で「Japanese Girls!」と言ってくれる場面や、オッリは何度も「キートス!」「サンキュー!」「ありがとう!」の感謝を言葉にしながら本当に嬉しそうな表情を見せる。同期は必要最低限のみの使用だったがバンドサウンドは厚く、ぺぺの浮遊感ある音作りも心地良く響いていた。終盤の「On the Radio」や「Hot」の掛け合いもオーディエンスは完璧に応え、アンコールでは当初2曲の予定から更に「Romance」が追加され、歓喜するファンも多かったことだろう。バラードなどははさまず、ジャンプと拳とフルボリュームの合唱で終始華やかで明るく、爽やかなステージを見せてくれた。

以下のインタビューは、そんなステージ前にオッリとぺぺが応えてくれたものだ。






──レックレス・ラヴとしての来日は7年ぶりですね。

オッリ:7年もかかってしまったけど、本当に嬉しくてエキサイトしているよ。日本のファンは本当に素晴らしいね。空港にもホテルにも今日この会場にもたくさんのファンが迎えて待っててくれた。プレゼントもたくさんありがとう。

ぺぺ:戻ってこれて嬉しい。オッリはローカル・バンドでも来ているけど、僕は本当に7年ぶり。早く来たいとずっと思っていたし、やっと念願叶ってのライブだよ。

──2007年、オッリ在籍のクラッシュダイエットのライブをヘルシンキで観たことがあります。クラッシュダイエットでの活動はいかがでしたか?

オッリ:クラッシュダイエットは良かったんだけど、どこかここは自分の居るべき場所ではないと感じていた。一年半いて相性としては良かったけど完璧ではなかったし、どこか他の事を自分はすべきだとずっと思っていた。それが結局レックレス・ラヴだったわけだけどね。君が観たライブハウスはTavastiaでしょ?

──そうです。

オッリ:僕が入って初めて演ったライブだったからとても思い出深いよ。別にメンバーと仲違いしたわけでもないし、とても楽しかった思い出だ。お互いの理解の元にバンドから離れたのでわだかまりは全くないよ。

──ぺぺや他のメンバーはレックレス・ラヴへの復帰を待っていてくれたんですか?

ぺぺ:そうだね、指を加えていたわけではなくちゃんと仕事をしていたよ。1stアルバムに向けて曲作りやリハーサルをね。ちょうど僕らのホームスタジオがその頃にできて、オッリが戻ってきて、クラッシュダイエットで得た知識や経験をレックレス・ラヴにも持ち込むことができた。オッリがクラッシュダイエットにいた間というのは、レックレス・ラヴにとっても成長する時間になったんだ。





──前作『Spirit』収録の「I Love Heavy Metal」はまさにバンドを象徴した曲ですが、歌詞に往年のバンド名と曲名を詰め込んだのはどなたのアイディアですか?

ぺぺ:オッリだよ(笑)。

オッリ:サビメロは「Animal Attraction」を作っている時にできていたんだけど、曲としては完成していなくて間に合わなかったから「Spirit」に入れたんだ。このサビメロがあったから歌詞が思いついた。

ぺぺ:まずこの曲名「I Love Heavy Metal」と聞いたときには笑ったよ。ジョーン・ジェットの「I Love Rock'n Roll」のヘヴィ・メタル版みたいで(笑)。

オッリ:ジョーン・ジェットの「I Love Rock'n Roll」は1960年代のカバー曲だけど、僕らは1980年代の曲が大好きだから1980年代のトリビュートの気持ちもあった。あと、デフ・レパード「Rocket」でジョー・エリオットが自分のアイドルのバンドを歌詞に乗せていたから、それがやりたくてね。自分の好きなもののコラージュで仕上げたよ。

──「Spirit」まではポップなハードロックでしたが、最新作『InVader』はハードなポップアルバムですよね?

オッリ:僕らは昔からポップなものに影響されていたし、LAメタルのバンドもそうだと思うし、デフ・レパードが良い例でサビが凄くキャッチーだしね、キッスもそう。ジーン・シモンズ曰く、自分たちは子供の曲をヘヴィ・メタルでやっていると言っているくらいだし(笑)、レックレス・ラヴもまさにそんな感じの事をやっている。『InVader』はこれまでのアルバムよりロックンロール色は薄れたけど、ヘヴィ・メタル色は濃くなっていると思うんだ。それと同時に軽くてポップな面とスケール感も出たと思う。例えば「Child of the Sun」や「Scandinavian Girls」はレックレス・ラヴ史上最もポップだと思うけど、「We are the Weekend」や「Hands」「Bullettime」はサウンド的にはハードでヘヴィだ。この音的な面でヘヴィなのは今回ミックスを担当したのがこれまでと違ってチルドレン・オブ・ボドム等を手掛けているミッコ・カルミラによるものだと思う。

──サウンドには1980年代のメジャー感がありますよね。

オッリ:わお、本当?そのあたりはプロデューサーの力かな。あと僕らバンドも歳とともに成長したし、ぺぺのギターの弾き方も変わってきたし。

ぺぺ:今回は機材も変わったしね。これもサウンド面での変化に影響与えたんじゃないかな。

──今後の予定と日本のファンへメッセージを。

オッリ:まずは新曲作りだね。あと夏にフィンランドのフェスティバルとイギリスでもフェスティバルがある。そして5枚目のアルバム作りだ。日本が大好きだし、日本のファンは最高だよ。こんな長い間待たせてごめん。

ぺぺ:次は7年も待たせずに早く戻ってきたいと思っているよ、約束するよ!

取材・文:Sweeet Rock / Aki
編集:BARKS編集部
写真:Takumi Nakajima







<Reckless Love ~Japan Tour 2017 Tokyo Invasion~>
2017. 6. 8 Shibuya O-West
1. Animal Attraction
2. So Happy I Could Die
3. We are the Weekend
4. Monster
5. Beautiful Bomb
6. Badass
7. Edge of Our Dream
8. Scandinavian Girls
9. Born to Break Your Heart
10. Dance
11. Pretty Boy Swagger
12. Back to Paradise
13. On the Radio
14. Night on Fire
~Encore~
15. Dying to Love
16. Romance
17. Hot
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