【インタビュー】杉本善徳 (Waive)、「僕はやっぱりWaiveしか好きじゃない」

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■僕らを活動させてくれているファンの方々が
■Waiveに対して愛がある

──2月からはツアーもあり、4月30日のZepp Tokyoでのワンマン<GIG「サヨナラ?」愛しい平成よ>に至る様々な動きが控えています。ライヴでは、今制作中の新曲が披露されるかどうかも分からないし、どんな内容になるか、未定でしょうかね……?

杉本:逆にどうします(笑)? 新曲も、ライヴも。

──どうしましょうね(笑)? リスナー目線に立つと、新曲って「今動いているバンドなんだ」という現役感の証のように、私なんかは感じるんですけども。

杉本:あぁ、なるほど。

──でも、「紅」や「ROSIER」を「絶対聴きたいでしょ!」というのも分かりますし、欲張りですが、両方求めてしまいます。新曲が新たな代表曲として増えて行くのが一番ときめく気がしますが、どうでしょうか?

杉本:なるほど。そんな気もしますね。僕はそれに関して、何も分からないんですよね。どうであっても正解だし。これもファンの方から言われて「そうだよねぇ」と思ったことなんですけど、「新曲は要らないです」と。「なぜなら、新曲を出すんだったらしっかり活動を続けてほしいからです」と。10曲つくった、アルバムつくった、となって「これから俺たちバンド活動やっていくぜ!」となるんだったら「Waiveの新曲を聴き込もう!」となるけど、「もう聴けるかどうか分からん新曲を出されても困るねん」みたいなことを言われて(笑)。

──その気持ちも分かります。一理ありますよね。

杉本:そう、「すごく理解できる」と思いながら聞いていたので、それは一つの正解だし。でも真逆な人もいて、「二度と聴けなかろうが、もうライヴが無かろうが、またメンバーが揃ってWaiveが新しい音を奏でている、という事実だけでもうれしいんです」という意見もあって。ありがたすぎる意見だからそこに甘えたくはないけど、でも、事実としてそういう声はあるから、「それもそうだよね、ありがとうね」という気持ちもあるし。僕らメンバー間でもそれはたぶん、あると思うんですよね。「Days.」を録っている時も、「このメンバーでレコーディングしてるのちょっとオモロイね、照れるね」という感覚があったし、「Dear」を録り直した時もそうだったし。何が正解ということはないし、何が間違いというのもきっとないから。

──新曲がなきゃダメってことも、もちろん、全然ないですしね。

杉本:そうですね。次に生まれた曲をファンの人が全員受け入れる、なんてことは絶対にないと思うし、全員が「…はぁ?」と言っても、僕はその曲を受け入れてるから出すんだと思うんですよね。それがアーティスト最大の“譲ってはいけない”ところで。僕個人なのか、Waiveの一つの集合体としてのエゴなのか分からないけれども、それをぶん投げて、あとは「嫌いなら嫌いで構わないけど、できれば好きでいてね」というスタンスで行くしかないんじゃないのかな。その「好き」という声が多かったり、多く届いたりしたら、調子乗ってまた違う曲を書けるかもな?というのが僕らのスタンスなので(笑)。ライヴもそうだけど、人が集まる・集まらないで活動する・しないを決めるのを、「…はぁ?」と言ってるファンの人も実際いるし、声も届くけど。でも、やっぱりこれも正直な気持ちとして、いっぱい人が集まっててテンション上がるのは事実あるから。「あんな状態なんだし、Waiveやっていいんちゃう? やろうよ!」と言ったら皆が「やりたい」って言うし、逆に閑古鳥が鳴き出して、僕が「Waiveをまたやりたくなってきた。あの曲を聴かせたいんだよね」とか言っても、「いや、聴くヤツおらんねん」という状況になったら、やらないと思うんですよ、メンバーも。現状、新曲に関しては僕は、そんな気持ちですね。ちゃんと真摯に向き合った上で、自分の人生で得た喜びとか、逆に悲しみ、苦しみであったり、何なのか分からないけれども、それらがしっかりと詰まったものを出すべきなのかな?って。ソロでも最近は曲も出していないし、人に曲を書く仕事をやらせていただいているけど、人様に書く時に自分の日常で感じているものを曲にするんだ、というチャンスはないから。そう考えたら、やっぱり僕の思っているものを(Waiveで)形にしないとダメなのかな?と思うんですね。

──それをファンの方は一番聴きたいんじゃないですか? たとえ内容がどんなものであろうとも。

杉本:そうであればうれしいですね。田澤くんのファンからしたら「また杉本が曲書いてんのかよ!」とかなるのかもしれないし、「高音過ぎてかわいそうやろ! しんどそうやんけ! いじめないで!」と思われるかもしれないので(笑)。

──そんなことはないと思いますけど………(笑)。ツアータイトルは<Wave to Waive>で、「俺らにはi(愛)がある」という、<MUD FRIENDS>での田澤さんの言葉から閃いたそうですね。以前は案として上がりながらも、照れ臭くて採用して来なかったそうですが。

杉本:はい、もうネタも切れてきたので(笑)。「僕らにi(愛)がある」と言うほど愛があるとは思えないけど(笑)。これは本当に綺麗ごとじゃなくて、僕らを活動させてくれているファンの方々がWaiveに対して愛がある、と感じてるのは事実なんですよ。カッコつけて言うわけじゃなくて、そうじゃなかったらできてないな、とすごく感じているから。こんなに何回も「活動を再開した、復活ライヴします!」と言って人が集まってチヤホヤしてもらえる、なんてことはなかなかないんじゃないのかな?と。我々は恵まれているんだな、という気はしていて。その恵みはどこにあるの?と考えたら、究極はファンにしかないかもしれないぁ、と思ってるんですよね。各メンバーが一線で努力してたからだよ、とか言ってくれる人もいるけど、そんなのは自分たちのためにやっていただけやで、と思うし。やっぱり、Waiveというものを求めてくれる人がいて、メンバーそれぞれの違うところでの活動を主とするファンであったとしても、「Waiveも観よう。この人がやってることだったら観よう」と、各アーティストのファンが思ってくれるようなバンドだった──その事実がすべてなのかな?と。ツアーを回る前にこんな話をするのもなんだけど、愛があるのは僕らというより、ファンのような気がしています。

   ◆   ◆   ◆

インタビューを行ったのは12月中旬のこと。2016年に会場限定で販売した「Days.」の歌詞を話題に出すと、杉本は「裏切り」という単語を繰り返し用い、自分を責めるような言葉を重ねた。ファンが抱いたかもしれないバンドへの期待と、Waiveの実情との間にギャップがあることに対し、心苦しく思っているように感じられた。

「自分のクズっぷりにここ数日は突き落とされてる状態なので(笑)、反省じみたことを語っているだけで。もしかしたらこのインタビューが表に出る頃にはケロッとしながら“なんか偽善者ぶってるわ、コイツ”って言ってるかもしれないですよ(笑)」と笑っていたが、1週間経った今、果たしてどんなモードで過ごしているだろうか? いずれにせよ、Waiveは2019年2月からはツアーをスタートさせるし、新曲をレコーディングする動きもある。Waiveが進んでいく一歩一歩を見守っていこう。動き出してみないことには、その先どんな景色が広がるかをたしかめることは誰にもできないのだから。

取材・文◎大前多恵
ライヴ撮影◎Viola Kam (V'z Twinkle)


■<Waive TOUR「Wave to Waive」>


2月09日(土) 柏PALOOZA
Open16:30 / Start17:00
2月11日(月・祝) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
Open16:30 / Start17:00
3月17日(日) 仙台HooK
Open16:30 / Start17:00
3月23日(土) 福岡DRUM SON
Open16:30 / Start17:00
3月24日(日) KYOTO MUSE
Open16:30 / Start17:00
4月06日(土) 大阪BIGCAT
Open16:15 / Start17:00
4月07日(日) 名古屋Electric Lady Land
Open16:15 / Start17:00
▼チケット
¥6,500 (税別・ドリンク代別)
一般発売:2018/12/22(土)~
(問)Zeppライブ 03-5575-5170

■<Waive GIG「サヨナラ?」愛しい平成よ>

2019年4月30日(火) Zepp Tokyo
Open17:15 / Start18:00
▼チケット
前売料金:1Fスタンディング ¥6,500(税込・Drink代別)
※入場者全員に新録「Dear」のCD音源をプレゼント
一般発売:10/27(土)10:00〜
イープラス http://eplus.jp/waive-gig/
チケットぴあ http://w.pia.jp/t/waive/
ローソンチケット https://l-tike.com/waive
楽天チケット http://r-t.jp/waive
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888



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