【対談_後編】deadman × gibkiy gibkiy gibkiy、名古屋系の過去〜未来「いい殺し合いが出来たら」

■バラバラになった時間軸がまた合わさって
■居心地いい異様な空間になるでしょうね──aie

──確かに影響力は大きい。でも眞呼さんもその後の世代に影響を与えてると思うんですよ。で、これだけ近いヴォーカリストがいる2つのバンドのギターを弾いているaieさんですけど、ステージに立つ時の気持ちの違いはありますか？

aie：ないかな。

──同じ？

aie：同じ。違いといえばdeadmanではマイクスタンドがあって邪魔だなと思うくらい。

──コーラス必須じゃないですか？

aie：って言われてるから置いてるけど、あれ邪魔なんですよ。インカムマイクにしちゃおうかな（一同笑）。

──似合わない（笑）。

aie：マイクスタンド無しのバンドはgibkiyが初めてかな？ もうね、本当にあのマイクスタンド1本が強烈な障害物なんですよ。

眞呼：なくていいと思う。

aie：そのほうが楽しい。

──以前、コーラスはTakamasa (B / ex.deadman)さんが担当でした。

aie：そう、その後のkazuya (B / ex.deadman)はコーラスしなかった。

──それを補うためのコーラスだよね？

aie：deadmanが今、15年から20年前の曲を再演してるから、お客さんのノスタルジーのためにも歌ったほうがいいかな、とは思うんですよ。ただ今後、もし新曲を作っていくとしたら歌わなくなるかも。

▲aie (deadman / gibkiy gibkiy gibkiy) × 眞呼 (deadman)

──え!? 「新曲の可能性1％」って言ってたのに。可能性の“％”がちょっと上がったとか？

aie：いや、上がってない上がってない。上がってないけど気持ちは変わるから。何度も言うけど“復活バンドで新曲をやられても寒いな”って思うけど、BARBEE BOYSみたいに“新譜出てカッコよかったらいいな”とは思うし。

──THE YELLOW MONKEYとかね。

aie：そう。カッコよかったらいいんですよ。でもまだやってない曲があるし。

──コーラス必須の「体温」、やってないです。

aie：もう声が出ないです。

眞呼：「体温」ってコーラスありました？

──何言ってるんですか、メインのヴォーカルよりも大きいコーラス！

aie：違う！ それはPAさんの出すレベルの問題（笑）！ まぁ、やりながらですね。姿勢としては今のgibkiyとdeadmanは変わらないけど、当時のdeadmanとは違うかも。13年ぶりに止まってたのが動くんじゃなくて、ずっと俺は続けてたから、13年ぶりに観る人がみても劣化を感じさせないよう進化してなきゃダメだしね。久しぶりに観たお客さんから「ギター上手くなりましたね」って言われました（笑）。何年やってると思ってるんだ！

──ははは。このツアーならではの眞呼さんとkazumaさんのデュエットとかどうでしょう？

aie：ないでしょ（笑）！ 企画はdeadmanだから、出順はgibkiy、deadmanがいいかな？って今、思ってるんですけど、kazumaさんのいいタイミングで入ってきてもらっても構わないです（一同笑）。

──このツアー、楽しみしてることってどんなことですか？

aie：deadmanで止まっちゃってた人たちの前で、gibkiyを観せたいですね。gibkiyで観てくれてる人たちにはdeadmanを観て欲しいし。15年前の曲をやってるんだけど古くないでしょ？って。gibkiyは当然カッコいいだろ？って言いたいし。お客さんの反応が楽しみかな。

──眞呼さんは？

眞呼：一緒にやれることは絶対的に楽しいはずなんで。ただどうしようかな？っていうのはありますね。kazumaさんのやってることに僕が寄せると、deadmanの曲の中に深く入らないとダメなんですよ。でも今は楽しんじゃってるモードなので、それが気がかりです（笑）。

──どういうふうにやるか？ってところですね。

眞呼：そうなんですよ。

──今回の復活は“楽しむこと”がテーマですからね。そこで葛藤している、と。

眞呼：そうですね。

──kazumaさんはどうですか？

kazuma：同じです。昔から知っているアーティストと、同志として一緒にやれるっていうのは凄く嬉しいし、楽しみです。僕がやれることはひとつしかない。gibkiy的な位置で提示するものは何も変わらなくて、いい殺し合いみたいなのが出来たら一番いいんじゃないかな？ あと、昔、スタッフをやってたからって上から言うんじゃないんですけど、一番可愛い存在ではあったのに連絡をくれないんですよ。当時、誰かからライヴがあったことを聞いたり。そうしたら眞呼は「まだ見せられません」って言うんです。だから2回くらいしか遊びに行ったことがないんですよね。なんか寂しいなぁって思ってました（一同笑）。

眞呼：僕としては、本物に見せられる状態ではなかったんですよ。本物の人に見せたらダメだなって。

──kazumaさんだからこそ見せられなかった。

眞呼：そうですね。“これじゃいけない”っていうのがあったんですね。

──これは何対決って名付けたらいいですかね？

aie：対決ではないけど、名古屋系って言われてきたジャンルがあるとして、その過去と現在と未来と。その時間軸がそれぞれでバラバラになってまた合わさって、2バンドでひとつの居心地いい異様な空間になるでしょうね。

文・撮影◎荒川れいこ (zoisite)










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