【コラム】新型コロナを受けて発表された音楽の感動 〜BARKS編集部の「おうち時間」Vol.008

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この新型コロナウイルス感染拡大の状況を受け、ご存知のようにミュージシャンも様々なアクションを起こしている。本稿では、楽曲を発表することでダイレクトにメッセージを伝えた海外アーティストをピックアップする。これらの音楽が少しでもあなたの生活の滋養になれば幸いであるし、大打撃を食らっているエンターテイメントの価値を改めて伝えもしたい。

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U2のボノは、新型コロナウイルスと戦うイタリアの人々や最前線に立つ医療関係者に敬意を表した「Let Your Love Be Known」をピアノで生演奏する動画を公開した。アイルランドの祝日「セントパトリックス・デー」(=3月17日)に書かれたという新曲である。



また、ボノのこの曲をベースに、ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アム、ジェニファー・ハドソン、そしてYOSHIKIによるコラボ曲「#SING4LIFE」も、のちに公開された。四者はネットを介してやりとりし、ボノ、ウィル、ジェニファーが歌唱、YOSHIKIがピアノを弾いている。Instagramに自身の歌唱映像をアップしたボノが、ウィルにコラボレーションを提案すると、彼の思いに共感したウィルが旧知の仲で共通の友人でもあるYOSHIKIに声をかけ、そこにジェニファーも加わったという経緯をもつ。豪華な面々によるコラボであるとともに、この状況下で迅速に楽曲を届けた四者の行動力に感銘を受けた。


アイスエイジは、世界各地で余儀なくされているロックダウンをテーマにした新曲「Lockdown Blues」を公開した。さらにこの曲はBandcampでリリースされており、その収益の全ては「国境なき医師団」に寄付される。

また、イタリアのロック/メタル・ミュージシャンが集結したプロジェクト「#UNITEDWESTAND」は、チャリティ・シングル「#UNITEDWESTAND」のミュージックビデオを公開。イタリアのレコードレーベル、Volcano Records&Promotionによる企画だ。



その一方で、ホワイトスネイクのフロントマンであるデイヴィッド・カヴァデールは、「うせろ、うせろ、俺らはもうお前なんかいらない」と歌う直情的なナンバー、「Coronavirus Blues」を公開。その後、隔離中の生活について歌う「Vacuum & Dust」の短い演奏模様もツイッターに投稿した。





またピットブルは、“ワールド・アンセム”と称する「I Believe We Will Win」をリリースした。同時に公開されたリリックビデオの冒頭では、「ウィルスよりも早く拡散するのは何か知っているか?それは“恐怖”だ。その“恐怖”に対して人はどう動くか?それは、全てを忘れて逃げるか、その敵に面と向かって立ち上がるかだ。皆で立ち向かえば、勝てると俺は信じる」と熱いメッセージを発信している。チャリティーソングであるこの楽曲は、収益の一部がアメリカのフードバンク(Feed America)や、慈善団体(Tony Robbins Foundation)へ寄付される。​


最後にぜひとも紹介したいのが、打って変わってトロイ・シヴァンの深遠なニュー・シングル「Take Yourself Home」。2020年後半にリリースを予定していたが、コロナウィルスの状況を受けて先ごろ急遽リリースされたナンバーだ。自身は、「この曲は、自分と自分が育ってきた場所に対して励みを送るような曲で、この世界で自分の居場所が持つ問題に向き合った内容なんだ。僕は日記の内容のように曲を書くんだけど、突然人生と居場所と関係性に変化が訪れると、歌そのものが丸っきり違う意味合いを持ちうると思うんだ。そして、明らかに今世界で起こっているこの状況はこの曲にそうした変化をもたらしたと思う」と話している。


さらにトロイは、フリーランスのアーティストを支援したい、とも表明した。「フリーランスアーティスト(グラフィック・デザイナー、アニメーションアーティスト)のみんなは僕に連絡して、みんなと一緒に何かを作り上げて、ミュージック・ビデオに使うお金をみんなに渡したいんだ」とコメント。この声に対して凄まじい数のダイレクト・メッセージが届いているようで、それで出来上がる作品が楽しみでならない。

文◎堺 涼子(BARKS)

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