ロスキルド・フェスティバルでの惨事、及び調査に対するパール・ジャムの声明文

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ロスキルド・フェスティヴァルでパール・ジャムの演奏中に発生した観客の死亡事故に対して、パール・ジャムから再び出された声明文(事故の調査報告をデンマーク警察、フェステヴァル主催者等々からのリポートをふまえてバンドの声明として発表されたもの)の全文要約が届いたので掲載しよう。
以下がその内容である。

声明文を発表する前に、6月30日のロスキルド・フェスティバルでパフォーマンス中に起きた惨事の原因究明調査が行われるのを待つ事にした。そして、デンマーク警察が発表した第1弾の調査書を読んだ上で、コメントをさせてもらいたい:

まず、以前にも公表したが、ロスキルドで亡くなった9人の尊い命と、その方々の両親、愛する者の事を考えると僕達は言葉を失ってしまう。故に、そこで亡くなった方々、そして彼らを愛した人達、怪我をした方々、そして僕達のパフォーマンスを見ていた全ての人に対して、この惨事が起きた要因を全て突き止めなくてはいけないと思う。

これだけの人が亡くなった今回の事故は、単なる「事故」や「悪運」として片付けるわけにはいかないと思う。そして、こういった惨事が起きた場合には全ての角度からの原因究明をすべきと思っているが、現時点ではそれが完全になされていないと思っている。

今後行われる調査に対して、今回の惨事に至ったすべての要因が明るみに出され検討されるよう、僕達は全力を尽くす事を約束する。そして、違う方法で行われれば惨事を防ぐ事ができたのであれば、僕達はその問題を取り上げ、今後ロスキルドのような事が起きないようにそれなりの処置をする。僕達の願いは、それが各プロモーター、会場関係者、警察、医療関係者、そして他のアーティストも同様の処置をしてくれることにある。常に学ぶべき事はあり、改善することによって今後このような惨事を免れるようになればと思っている。

現在僕達が注目し、かつ更なる調査が必要と思われる要因は以下の通り:

■フェステバルのセキュリティ連絡の伝達方法。
僕達の理解する範囲では、フェスティバルのセキュリティが事件の発生を発見してから、僕達に伝えられるまでに15分もかかっている。問題がありそうだと聞いたとたん僕達は演奏を中止したが、その段階では問題の内容が何であるかがわかるまで演奏を続けるように言われていた。もし、セキュリティが事件を発見した瞬間に僕達にもその状況が伝えられ、演奏をもっと早くストップできていたとしたら、人命が失われることもなかったかもしれないと思う。
■時系列及び緊急医療スタッフの対応について。
緊急医療スタッフの数、及び救急車の数や医療器具が揃っていたのか、又、このような緊急時に対応できるだけの人員、設備等をフェスティバル側が用意していたかという疑問を持っている。具体的には、どれだけ緊急医療の資格を持った人員がいたのか。医療テントの大きさは十分だったのか。観客の最前列から医療テントまで通路がちゃんとできていたのか。今回のイベント用に救急車は何台スタンバイさせていたのか。どのような医療器具がどのくらい準備されていたか等々である。
■ステージから観客最前列のバリケードまでの視界の悪さ。視界が悪かった事により、ステージ上から観客内での問題が起きていることがわからなかった。■アルコール飲料による要因フェスティバルにて販売されるアルコール飲料の量にも検討の余地がある。

デンマーク警察が今回のロスキルドの惨事において僕達に“倫理上の責任”があると発表した、と報道されている。僕達が感じているのは、僕達にはあの晩起きたことの本当の原因は何だったのかを突き詰める“倫理上の責任”がある、ということだ。そして、近日再開される調査で真実がより明らかになればと思っている。
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