スレイヤーによる殺人動機への影響を問う裁判が延期される

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'95年に15歳の少女がレイプ、拷問を受けて殺された事件に関し、1月23日(火)、カリフォルニア州サンルイオビスポの高等裁判所において、Jeffrey Burke裁判官は、SlayerおよびSony Musicが殺人動機に荷担したとする訴えは、証拠不十分であるとした。しかし、裁判官は訴えそのものを棄却したわけではない。裁判を60日間延期し、被害者の故Elyse Pahlerの遺族に訴えの内容を固めるための猶予を与えたのだ。

被害者の遺族は、SonyおよびSlayerがElyse Pahlerの死に関わっているとし、損害賠償を求めている。少女を殺害した10代の若者3人は、Slayerの曲の悪魔的で暴力的なメッセージに影響を受けたと陳述している。遺族はバンドとレコード会社、両者の責任を追及している。

訴訟内容は、間接的なアプローチが取られている。Slayerのマーケティング戦略に焦点を当て、Sonyは違法に不適切(“有害”および“わいせつ”)な作品を未成年者に配給しているとしている。これは、最近の米連邦取引委員会の調査および医務総監の報告における、エンタテイメント産業が子供を対象にして暴力的な音楽やビデオゲーム、映画を配給しており、(子供たちが)これらへのメディアにさらされることで、暴力的傾向を強める可能性があるとした論議を受けてのアプローチと思われる。

Sonyは“言論の自由”裁判で定評のある弁護士、Floyd Abramsを雇い入れている。Sony側は、合衆国憲法修正第1条の言論の自由、および過去のOzzy OsbourneJudas Priestらに対する訴訟での判例を示した。これらの10代の自殺を促進したとしてアーティストの責任が問われた前例においては、原告側の訴えは棄却されている。

Judas Priestの元ヴォーカリスト、Rob Halfordは、最近のLAUNCHのインタヴューで、バンドが2人の少年の自殺に対する責任を問われたときの気持ちを語っていた。
「考えうる限りの引っ張り出される状況の中でも、最悪のものだと思う。なぜなら、単純明快な論理とて、俺たちは人を殺すために音楽を作っているわけではないんだ。あのときは、すべてが現実離れしていて、今考えると、まるで夢だったような気がする。しかし、残酷な現実として、2人の少年があのようなかたちで命を絶ってしまったんだ。悲しいことだよ」

LAUNCHでは、Slayer裁判の両側の弁護士に問い合わせの伝言を残したが、1月25日午後1時現在、返答は得られていない。

Darren Davis、ニューヨーク、Neal Weiss、ロサンゼルス
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