私の匂いを感じて欲しい…1stアルバム『perfume』 インタヴュー

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――しかも美人だから、そういう態度を取るとお高くとまってるように見られそうだね。 名取:も~ぉ、赤い口紅なんか塗ったら悪魔みたいな感じで見られちゃって(笑)。でも、別にそれでいいと思ってたんです。それが……音楽をやるようになってから、言葉で伝えることの素晴らしさを知るようになって。そしたらスタッフや、取材で話す相手の人にも興味が出てきて。で、実際話すと“人ってこんなことを思ってるんだ?”っていうのがわかるじゃないですか。その中で“自分は今まで、なんて未熟だったんだろう”ってことがわかって。そういうのも含めて、自分らしく人間臭く歌えたらなと思って作ったのが、あの「I believe myself」なんです。だから、すごく素直に歌えたし、あの曲を作ったことで自分の中のボーダーラインがなくなった気がしますね、“名取香り”と“名取かおり”の。 ――素の部分をさらけ出すことで、より心が自由になれた。 名取:そうですね。だから『perfume』っていうアルバム・タイトルもすごく意味があって。私、小学生の頃は“名取かおり”の“かおり”がすごくイヤだったんですよ。例えば習字の時、ひらがなで名前を書くと、なんかアホみたいに見えるんですよね(笑)。 ――確かに画数の多いほうが字は上手く見えるよね。 名取:そうそうそう(笑)。で、ある時、お母さんに『なんで私はひらがななの?』って聞いたことがあるんですよ。そしたらお母さんは、お腹にいる私のことを絶対男の子だと思ってて、名前も男の名前しか考えてなかったらしくて。でも私が生まれる1週間前にたまたま桃が送られてきて、“こんなにいいかおりがするんだから、女の子でもいいな”って、ふと思って。そして生まれてきたのが私だったんで、その“かおり”を取って“かおり”にしたと。それを聞いた時、神様が私に第六感で匂いを愛する気持ちとか、そういうものを与えてくれたのかな?って。クサイ話ですけど、私、そういうのを信じちゃうほうなんで(笑)。だからこのアルバムも、私の匂いがするアルバムであって欲しいなって。たとえその匂いが人間臭い匂いでも、そこから名取香りの匂いを感じてもらえたらいいなっていう願いを込めて。 ――それで『perfume』と。本作は本当に名取さんの色々な顔や匂いが強力に感じられるアルバムになってると思います。クールだったり、スタイリッシュだったり、強かったり、弱かったり、時にエロかったり(笑)。で、最後は笑えるというか(笑)。 名取:あの最後のやつはねぇ、ノリでやったんですよ(笑)。なんか、ぶっちゃけた感じが出ればいいなぁと思って。ただ、本人が聴くと……ちょっとぶっちゃけすぎました(笑)。隠せないんですよね、やっぱり。どんなにカッコ良くキメたつもりでも、カッコ良くない部分が出ちゃったり、弱い部分が出ちゃったり……。それはリリックが特にそうなんですけど。だけど、そういう面すべてが私だから、そこから何かを感じてもらえればいいかなって。 ――今の自分をこのアルバムにすべて正直に出せた? 名取:そうですね。あの……私、自分のCDが出ると、いつも友達とCD屋に行って、絶対写真を撮るんですよ。自分のCDを持って、店員さんに見つからないように、ササッと。それが今までぎこちない感じだったんですけど(笑)、今回は堂々と撮りたいなって思いますね。こんなに胸を張れるアルバムができたから、写真も胸張って撮ろう!って。

取材/文●赤木まみ

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