人類滅亡の危機!! 治療法のない病気から人類を守るプロジェクト

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というわけで、ここからデジモノニュース。

IBM、テキサス大学医学部、シカゴ大学は、現在世界中に蔓延する恐れのある致死性の伝染疾患の流行に歯止めをかけるため、デング熱、ウェストナイル脳炎、C型肝炎や黄熱病など多くの関連疾患を治療・治癒する医薬品の開発を目指す、前例のない研究活動を開始した。

「Discovering Dengue Drugs - Together(力をあわせてデング熱の治療薬を発見しよう)」というこのプロジェクトは、IBMの「ワールド・コミュニティー・グリッド(World Community Grid)」の巨大な演算能力を利用する。「ワールド・コミュニティー・グリッド」とは、数十万人もの個人が、自分たちのコンピューターの使っていない時間を寄付し、これによって世界でも5本の指に入る強力なスーパーコンピューターに匹敵する、仮想スーパーコンピューターを構成するというもの。「地球外知的生命体探査(SETI)プロジェクト」のひとつで、電波望遠鏡のデータを自宅のパソコンの空いているリソースを使って分析し、地球外生命体を見つけようというプロジェクト「SETI@home」と同じシステムだ。

「ワールド・コミュニティー・グリッド」によって、先に挙げた “5万年かかる” 演算処理を1年で終了させることも可能だという。徹底的なコンピューター解析を通じて、ウイルスに有効と思われる化合物が特定されれば、研究者は研究所や病院でこうした医薬品のテストを開始し、化合物の有効性を判定可能になる。ここで有効だとわかれば、それがつまり治療法・新薬ということになるわけだ。

さて、使っていないコンピューターの時間をこのプロジェクトに当てる方法、つまり我々が同プロジェクトに協力する方法をお伝えしよう。

「ワールド・コミュニティー・グリッド( http://www.worldcommunitygrid.org)」に登録し、無償の小規模ソフトウェア・プログラムを自分のコンピューターにインストールする。それだけだ。これによって、たとえば昼食時などにコンピューターがアイドル状態になると、コンピューターは「ワールド・コミュニティー・グリッド」のサーバーにデータを要求し、データを受け取ると、コンピューターはそれを使って治療薬を発見するための演算を実行。結果をサーバーに返すと、次の新しい作業データが送られてくる。なお、参加者のコンピューターが使用されていることは、スクリーンセーバーで表示される。

現在「ワールド・コミュニティー・グリッド」には31万5千人以上もの大規模なユーザーが参加し、70万台以上のコンピューターが接続している。“愛が地球を救う” 前に、一部企業を救っているだけのような噂もありつつ、“ほっとけない” と叫んだ声も、実は放っとかれていたりしたとかしないとかの昨今。自宅のコンピューターに電源を入れっぱなしにして寝ているだけで、治療法のない病気の研究が自動で行なわれ、そしてこれが遠い貧しい国の誰かの命を救うとしたら…参加してみてもいいんじゃない?


■ ワールド・コミュニティー・グリッド

■ 火星探査機の打ち上げに見る「地球外生命体」と「コンピューター」
 ⇒ https://www.barks.jp/download/?id=1000033380

■ 地球のために「セミの鳴き声」を着信音にしよう!
 ⇒ https://www.barks.jp/download/?id=1000033330
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