レイザーライト、全ての面で完成度の高いショウ

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新作『Slipway Fires』をリリースしたレイザーライトが、UKツアーをスタート、先週ロンドンのブリクストン・アカデミーでパフォーマンスした。デビューから4年、これまで何度も彼らのライヴは見てきたが、今回は演奏や舞台セット、全ての面で完成度の高いショウだった。

パフォーマンスはまず、ビロードのカーテンで後ろ半分をさえぎった小さなスペースでスタート。アンティーク風のライトやピアノを置くなど、落ち着いた雰囲気が漂っており悪くない。スタイリッシュでありながらシンプル、彼らの原点に近いステージだ。このまま最後までプレイしたとしてもオーディエンスは満足したと思うが、5曲終わったところで、カーテンが開きステージは一転。何枚もの鏡のようなパネル・ライトをフィーチャーした、眩くドハデなステージに変わった。

どちらのステージがいまの彼らに相応しいのかはわからない。2007年のアリーナ・ツアーの後、またデビュー当時のようなシンプルでこじんまりとしたステージで彼らのパフォーマンスが観られるのは嬉しい。このオーディエンスとの密着間は失って欲しくない。しかし、レイザーライトの存在感やサウンドは、もはやそこに収まるサイズのものではない。

これはドラマー、アンディ・バロウズの貢献度が大きいのだろう。今回のショウではこれまで以上に彼の存在感が際立っていた。常々、ライヴはドラム次第だと思っているが、力強く激しいバロウズのドラムはレイザーライトのパフォーマンスの要となり、彼らのサウンドをよりビッグで重厚なものにしている。

そして同じようにバンドを支えているジョニー・ボーレルのヴォーカル。こちらは円熟度が増したようだ。ひとつ残念だったのは、彼らのショウではいつものことなのだが、全体的に「自分たちの力を証明してやる」という気負いが感じられたこと。すでにスタンダードを満たしているのだから、もうちょっと力を抜いてもいいのでは…。とはいえ、このストイックで真剣な姿勢がバンドを成長させているのは確かだ。

デビュー・アルバムが1番よかったと言われてしまいがちな今のミュージック・シーンにおいて、2ndアルバムのほうが高い評価を受けた彼ら。3枚目でもさらに成長し続けている。

この夜のセット・リストは以下の通り。

「Golden Touch」
「Dalston」
「Burberry Blue Eyes」
「In The Morning」
「In The City」
「Before I Fall To Pieces」
「Vice」
「Monster Boots」
「America」
「Hostage Of Love」
「The House」
「North London Trash」
「Stumble And Fall」
「Stinger」
「I Can't Stop This Feeling I've Got」
「Wire To Wire」
「Blood For Wild Blood」
「Rip It Up」
アンコール
「60 Thompson」
「You And The Rest」
「Tabloid Lover」
「Somewhere Else」

◆iTunes Store レイザーライト(※iTunesが開きます)

Ako Suzuki, London
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