ammoflight、ワクワクする胸のときめきを詰め込んだメジャー・デビュー・シングル『桜グラフィティ』特集

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メジャー・デビュー・アルバム『桜グラフィティ』2012.3.7 リリース

INTERVIEW

──もともと津久井くんはライヴハウスのスタッフをやっていたそうですね。

津久井恒仁(以下、津久井):高校を卒業したくらいからライヴハウスで働きながらバンドをやってました。

──そこでメンバーと出会ったそうですが、どうしてこのメンバーでやりたいと思ったの?

津久井:みんな、そのライヴハウスでそれぞれのバンドで出演していて、顔馴染みだったんですね。奇しくもみんなが所属していたバンドが同じようなタイミングで解散することになって、僕から声をかけたんです。三人のことが、ずっと気になっていたので。

──ammoflight結成にあたって、どんなバンドにしようかというイメージがあったから3人を選んだわけですよね。

津久井:はい。僕自身、前のバンドではガシャガシャしたうるさい音楽をやってたんですよ。パンク的な。そのバンドが解散して一人になったときに、自分が本当にやりたいことってなんだろうって思ったんですね。音楽はずっとやりたいと思ってたけど、自分が本当にやりたい音楽と向き合う時間ができて。そこで、歌がちゃんと聞けるようなものがやりたいなっていうのを感じて、そこからメンバーを考えていきましたね。

──みんなも同じ思いだったのかな。それぞれのルーツは?

葛西一茂(以下、葛西):僕は高校生時代は青春パンクロック路線でしたね。それよりも前に、J-POPとか歌モノ寄りのものが好きだったので、津久井さんのバンドに入るときには違和感なかったです。ルーツ的には歌が好きっていうのがあったから。最初に津久井さんが持ってきた曲が、すでに歌メロの強いものだったから、何をやりたいかっていうのもすぐにわかったんです。

──あぁ、もうメンバーが決まった時点で、曲を用意していたんだ。

津久井:そうなんですよ。

久保田庸友(以下、久保田):だから、一番最初にスタジオ練習に入ったときに「この曲をやります」って曲をもらってたんで、スタジオに入る前から曲は渡されていたから「あぁ、なるほど」って感じでしたね。

──久保田くんも、元々、歌モノバンドじゃなくてパンクバンドをやってたんだよね。

久保田:そうなんです。ギタリストとしては歌モノとは真逆の方向……メタルとか、バカテク系のものを学生時代にさんざんやっていて。でも最初に音楽をはじめたときはアコギの弾き語りからだったんですよ。結局、一回りして歌モノに帰って来たっていう感じですね。

──鳥居塚くんは?

鳥居塚尚人(以下、鳥居塚):僕はこのバンドの前はメロコアをやってたんです。歌詞も英語で。解散したあとは歌モノのバンドの曲をよく聴いてて、「こういうバンドがやりたいな」と思ったときに津久井くんに誘われて。その前も、小さい頃からJ-POPを聴いてたので。タイミングがピッタリだったんですよね。

久保田:このバンドになる前は、今のバンドとは形の違うバンドだったんですよね。津久井くんも前のバンドではマイクを殴ったり、ドラムに突っ込んだりしてましたし(笑)。

一同:わはははは(笑)。

津久井:初期衝動ってやつですかね(笑)。

──その時はそういうのが好きだったんですよね。

津久井:好きでしたね。自分の居場所はないみたいなのを発散するのが音楽っていうか。今考えると、そう思っていたのは僕だけじゃなく、みんな同じだったんでしょうけど(笑)。

──衝動的なものを音楽に昇華させることって、あまりそこに意味は求めなかったりしますよね。感覚だけで作り上げられるし、発散することに重点があったり。でも、いまammoflightでやっている音楽には、発散することだけではなくて、意味があったり、届ける相手に対しての想いもあると思うんです。それは音楽の楽しみ方や考え方が変わったということでもあると思うんですけど、どう思いますか?

津久井:そうですね。感覚というのも大事なものだと思うんですけど、それだけじゃないところで音楽というものをちゃんと知りたかったんですよね。

久保田:あとは、他のものを自分たちの体でやってきたからこそ、今ammoflightでドシッと構えてやれるっていうか。パンクとかに一回振り切ってやった経験があるからこそっていうのがあると思う。何もやらないで、これだけをやってたらフラフラしてたかもしれないですね。いい意味での遊び心もわかるし。

──活動をはじめてから4年になりますけど、ここまでにも数々のエピソードがあると思うんですけど。煮詰まったりとかね。

津久井:もちろんありますよ(笑)。

久保田:ないわけがないですよ(笑)。

津久井:誰かが来なかったりとか、もう辞めるとか。

──そういうことを乗り越えて、ここに至っている理由はなんだと思いますか?

津久井:なんでですかねぇ……。僕は、自分の信じているものをやりたかったし、このメンバーならそれができるし、理想的だということをきちんとメンバーにも伝えていきましたよね。それで続いているんじゃないですかね……。僕らは、すごく音楽にのめり込んでいる人じゃなくても受け入れられるものを作りたいと思っているし、作っていけていると思っているんです。それが強みだと思うんです。4人とも、ちゃんとその軸をしっかり理解して持ってると思うんですよ。

──「桜グラフィティ」でメジャーデビューするわけですが、この曲にはどういう成り立ちがあるんですか?

久保田:元になった曲は2年くらい前からあって。曲名も違ってたんです。プリプロだけやって、録るだけ録って、ライヴとかでもあんまりやってなかったんですけど、去年、『Truthpeaker』っていうミニアルバムを出したあとのツアーの前くらいから、毎回最後の曲としてやるようになったんです。やっていくうちにどんどん良くなるという確信がメンバーの中でできていったんで、こうしてみよう、ああしてみようって作り上げていったんです。磨きがいのある原曲だったんですよね。それで曲名も変わったり、歌詞も変わったり、アレンジが変わったりして、今、この形になったんです。

──歌詞は結構変わったの?

津久井:共通のテーマは変わってなくて。前身となった曲は、そのまま「約束」っていうタイトルで、人と人との約束と繋がりみたいな、そういうものをテーマに書いてたんですよ。それをよりシンプルに伝わりやすく書き直したとき感じですね。

──ブラッシュアップしていくにあたって、各パートではどういう風に向き合っていきましたか?

久保田:演奏自体は、曲にあるテーマがまったく変わったわけではなかったので、「約束」というタイトルだったときから、曲に対しての気持ちは変わりませんでした。景色的なものがガラッと変わったわけではなかったので、ギターアレンジに関しては、一番最初にポンッて作ったときに、「これだ!」っていうものができていたので。あとは少しずつ微調整をしながらっていう感じでしたね。大工事っていう感じではなかった。津久井くんから曲をもらったときに感じたイメージを、自分が思い描いた通りにほぼ完璧に作り上げることはできたなぁと思います。

葛西:津久井さんが作ってきた曲を最初に三人で聴いたときに、「いい曲を作ってきたな」って凄い盛り上がったんですよ。

久保田:盛り上がったねぇ(笑)。

葛西:その時から、こういう曲で勝負していきたいねっていうことは話してたんで、自然とそうなるようにアレンジを進めていきました。歌を一番立てなければいけないなっていうのは、メンバー全員思っていることなので、そこではメンバー全員一致で力を入れているところではあります。

鳥居塚:ベースに関して言えば、どうやっていけばメロディと歌詞がもっと聴けるようになるかということを考えて、リズムをいろいろ変えたりしました。うまい具合にハマって、起承転結のストーリーができて、歌が立てられたんじゃないかと。

──ベースラインは意外とメロディアスで、歌のラインとの位置関係が絶妙なバランスですよね。

鳥居塚:ホントですか? ベースに関しては結構、プリプロのときのアレンジとは変えたんです。大工事をしたので、みんながどう思ってるのかなぁって。リズムが変わったので。

──テンポが?

葛西:テンポもそうですし、一番最初にやったときよりも早くなってるんです。Aメロ、Bメロは、前にあったリズムとはまったく別のパターンで。今はスネア中心になってますけど、前はサビと同じくずっと8ビートだったので。それをアレンジを進めて行く上で変えながら作っていきました。そのおかげで疾走感が出ましたね。

鳥居塚:そうだよね。前進するような感じというか。

──今、自分達の王道として見せたい形になりましたか?

久保田:そうですね。「アンモフライトッ!!」っていう、それに尽きるというか、名刺代わりのサウンドが提示できたと思います。

──カップリングの2曲もサウンド、歌詞ともにいい。特に「7の魔法」は男の子っぽさが出ていて、女子が好きそうです。「ゆめのなかがく」は不思議なタイトル。

久保田:「夢の中」と「化学」を足した造語なんです。

津久井:夢の中で考えていること……みたいな。

──この2曲は学校時代を思い出させますね。津久井くんの中で、何かイメージを持って世界観づくりをしているんですか?

津久井:基本的にはリアルな自分の言葉を唄いたいなと思っています。たくさんの人生がある中で、刺激がないとかつまんないって言ってる人が多い気がしてるんですよ。でも、すごく細かく考えてみたら、日常の中にもドラマティックな瞬間があったり、気持ちの揺れ動きがあったり。丁寧に生きて行けば、そういうことも感じられると思うんです。それに気付いてもらえたらいいなと思って。

葛西:津久井くんの歌詞は僕ら3人が気付かないところを突いてくるんですよね。前向きな歌詞が多かったりするので、楽曲に対しての自分たちのモチベーションも高くなるし、意気込めるような内容だったりするので、曲を作って行くのは楽しいですよね。

──今作はカップリングの二曲は恋愛なイメージで、「桜グラフィティ」は人生も入りつつ、ラブソングにもとれますよね。それ以外にも人生を唄った曲もあるんですよね。

久保田:実は恋愛を唄った曲のほうが少ない気がするんですよね。

葛西:恋愛に見えてポジティヴソングだったりするのもあるよね。

久保田:「桜グラフィティ」もそうですよね。視点を変えたら、ラブソングにも聴こえるし、友情ともとれるし。

──このシングルでいよいよメジャーデビューですけど。

津久井:やることは増えると思うんですけど、やること自体はさほど変わらないと思うんですよ。これからも一個ずつ丁寧にやっていきたいですね。

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