【インタビュー】Salley、心の琴線に柔らかく触れる美しいメロディ、マニアックなファンをもうならせるギターサウンドが結実した珠玉の1stアルバム『フューシャ』

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2014年の今、これほど汚れなく豊かな音の歓喜あふれる作品が聴けることを幸せに思う。Salleyの1stアルバム『フューシャ』。アイルランドに咲く美しい花の名前を冠したこの作品は、人が生きる喜びと悲しみをシンプルに綴る歌詞と、日本のポップスとして万人の心の琴線にそっと触れる美しいメロディ、マニアックな洋楽ファンをもうならせるセンスが光るギターサウンドが、見事に結実した珠玉の1作。色とりどりの花の如く、今を盛りと咲き誇る新時代のスタンダード曲集の誕生だ。

◆Salley~拡大画像~

■Salleyを結成してから2年半ぐらいの歴史の変遷を
■自分たちの成長や意識の変化も含めて1枚にまとめました


──ファースト・アルバム『フューシャ』、素晴らしかった。初々しさ、新しさ、キラキラ感、アイリッシュ・トラッドの香り、そして日本のポップスの伝統的な王道感もあって。理想のファースト・アルバムだと思います。

うらら:ありがとうございます。

──どうですか? 人生初の1stアルバムの手応えは。

上口浩平(以下、上口):自分自身が、J-POPも好きなんですが、いろんなジャンルの楽曲が好きなので、いろんなタイプの楽曲を今回入れられて、それがすごくうれしいなぁと思います。

──アルバム全体のイメージは最初からあったんですか。それとも、1曲ずつ作っていってまとめたらこうなった?

上口:後者ですね。コンセプトを持って作るのもいいと思うんですが。とりあえず1作目だし、これまでコンスタントに制作してきていて、その中で毎回全力投球できていたので、そういう歴史を含めて、そういった楽曲たちをとりあえずみんなに聴いてほしいなと。Salleyの紹介として。

──うららさん、初アルバムですよ。

うらら:ひとことで言えば“うれしい”になっちゃう。でもさっき上口くんも言ったように、コンセプトを持って作ることをこの先やってみたいという思いはすごくあります。だけど1枚目だし、ふたりが出会ってすぐ作った曲、デビューが決まってから作った曲、デビューしてから作った曲、最近作った曲…という感じで、全部が揃ってるので。まだ浅い歴史ではあるんだけど、Salleyを結成してから2年半ぐらいの歴史の変遷を、自分たちの成長や意識の変化も含めて、1枚にまとまっているのが1stアルバムらしいのかな、と。

──もう、いい曲ばっかり。素朴で愛らしいフォークソング風、ヘヴィでダークなブルース、哀愁のトラッド、明るく元気なポップチューン。サウンド的には、やりたいことがやれたと思いますか?

▲『フューシャ』初回盤
▲『フューシャ』通常盤
上口:はい。最終的なところでは、まだそこまで行けてないなと思う部分もあるんですけど。でも、すごく満足の行く音作りができました。

うらら:私は難しいことはあんまりわかんないけど、自分が歌うことによって“Salleyの歌にするんだ”という気持ちがすごくあるので。上口くんがどんな曲を投げてきても、それを私が歌って、どこかで流れた時に、“これ、Salleyの曲じゃない?”って言ってもらえるという、そこに落ち着けると思っているので。もちろん“この音はないっすわ”みたいなものもないし、満足しています。

──こういう音楽、今の日本のポップスにはないだろ?という、自慢というか、誇りというか、そういう気持ちがあるんじゃないですか。

上口:うーん。

──誘導尋問かな(笑)。でも僕がそう思うので、そう言ってほしい(笑)。

上口:何でしょうね…。

うらら:私は、もはや逆に正統派なんじゃないかな?と思っていて。

──おお。

うらら:私たちって、育った環境として、年の離れた兄弟がどっちもいて、その人たちが聴いていた音楽に影響を受けてたりして。自分たちの同世代よりちょっと古い曲を聴いていたりするし、90年代のポップスであったりとか、そういうものを刷り込み的に聴いている部分が多かったりするので。逆に今のJ-POPシーンの中では、すごく正統派で真っ直ぐなことをやってるんじゃないかな?と思ってるんですよ。

──ああ、なるほど。それ、わかります。

うらら:奇をてらってやろうとか、そういうのは別にないし。同じ言葉を延々と繰り返すこともなく、意外と真面目に、AメロがあってBメロがあって、サビがあって、またAメロ、Bメロ、サビ、落ちサビがあってまたサビがあって…みたいな。考えたら、すっごい普通のことをやってるなと思うんですけど、でも最近は、それがそんなに普通でもなかったりして。そういうところが、自分で“いいなぁ”と思ってるところなんです。耳に残るように、わざとこういうことをやってみようとか。そういうことはあんまり思わないし。

──そういう作為は、まったく感じないですね。

うらら:本当に曲として聴いて“いいよね”と思うものを作ろうと私は思っているので。そういうところが、Salleyは素敵なんじゃないかなと思うんですけど。…何かトゲがありましたか? 言い方に(笑)。

──全然ないですよ。そんな、ほかの音楽をディスらせたいわけじゃないんで(笑)。

うらら:大丈夫ですか(笑)。

上口:あと、すっごい個人的な気持ちだと、これは僕の感覚の話なんですけど、ほかのJ-POPのアーティストのギターの役割とか、コード感とか、聴いてると“ここはこうしたほうがいいのにな”っていう…これは完全に僕の感覚なんで、別にアレなんですけど。

──そんなにへりくだらなくても。大丈夫ですよ(笑)。

上口:Salleyだと自分がギターを弾くので、好きにできるじゃないですか。ギターソロも自分の好みにできたりとか、ギターの音色も、全部自分がいいなと思うラインで作れるので。僕はあまり、日本人のギタリストで好きな人はいないんですけど、田中義人さんっていう、Birdさんとかをやってる人が好きなんです。たとえば彼のギターを“いいなぁ”と思うのと同じように、自分がいちギタリストとして“こういうギターを弾いたら好きになるだろうな”ということができてるという、それはありますね。

──それはすごいアピールポイントですよ。

上口:そのぐらいですかね。

──なんか遠慮がちなところもいい(笑)。謙虚だなぁ。

上口:特にこだわった部分として、やっぱりそこは楽しいし、これからもこだわっていきたいです。逆に言うと、今まではちょっと周りを気にしすぎてたなという部分もあったので。今後の活動では、もっとそういう自分を出していきたいと思っています。

──OKです。で、歌詞なんですけどね。アルバムを通して聴いた感想を言うと、うららさんというひとりの女性の、小さい頃から今までの姿が、それぞれの曲に散りばめられているように感じたんですよ。

うらら:そうですね。私がずっと、12歳ぐらいのうららを連れて歩いているところがあるので。それが要所要所に出てきちゃう、というか。

──それでいうと、「プレゼント」が一番わかりやすいですよね。この歌詞は、今のうららさんから、あの頃のうららちゃんへの贈り物、という形になっていて。すごくいい歌詞ですよ、これ。

うらら:ずっと、日記のはしっこに書いていた言葉があるんです。小さい頃から日記をずっとつけていて…最近は書く回数は減ったんですけど、そこに、東京に出てきてちょっとした時ぐらいに、“子供の頃の私に、歌を歌うという仕事をプレゼントしてあげるんだ”みたいなことを書いていて。それを歌にしようと思って、上口くんの曲が来た時に、今までのSalleyにない曲調というか、私が自分のフィールドではないと思っていた曲調が来た時に、“私、これを歌っていいんだ”という許可を得た感じがして。こういう歌も歌いたかったし、すごくうれしくて、創作意欲が湧いたんですね。

──ファンキーな曲ですよね。アコギのカッティングがめちゃめちゃカッコいい。

うらら:で、Tomboyという言葉を絶対使おうと。それはずっと前から思っていたことで、「Tomboy=おてんば」って、なんて可愛い意味なんだろうというのがすごくあったので、おてんばさんに向けた歌を作りたいなと思ったんです。一個の軸としては、自分から自分へのプレゼントという意味で歌うけど、それは私だけじゃなくて、きっと小さい頃に、自分はみんなと違ってちょっと変なんじゃないかとか、思う人はたくさんいるだろうし。学生時代の悩みとかでも、本当はやりたいことがあるのに、なんでこんなことやらなきゃいけないの? とか。そういう悩みがあったり、気にしたことのある人に響けばいいなと思って書きました。

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