【対談インタビュー】MASATO(defspiral)×Sena(JILUKA)、「ギタリスト&メインコンポーザーとして」

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▲写真左:MASATO(G/defspiral)、写真右:Sena(G/JILUKA)

BARKS主催イベントツアー<千歌繚乱 1st LIVE TOUR 〜錦秋の候〜>の開催を記念し、defspiralよりMASATO(G)、JILUKA(G)よりSenaの対談を行った。

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2人はともに自身のバンドのメインコンポーザーを務めているほか、実力お墨付きのギタリスト同士、バンドとしてもdefspiralが10周年、JILUKAが5周年と、周年を迎える同士でもある。今回の対談はお互い初対面でありながらも、共通点も見つかった。ぜひ10月22日<千歌繚乱 1st LIVE TOUR 〜錦秋の候〜>東京公演にて、両者の競演をお楽しみに。

  ◆  ◆  ◆

■二人のギターに対する思い

──お二人は、普段から親交はあるのでしょうか?

MASATO:いえ、初対面です。

Sena:大先輩なので、緊張しています……。

MASATO:そんなそんな(笑)。

──今日の対談を機に、親しくなっていただけるといいなと思います。お互いのギタリスト像を知っていただくために、まずはそれぞれいつ頃、どんなふうにギターを弾くようになったかを話していただけますか。

MASATO:僕は小学校の頃に流行っていたTHE BLUE HEARTSを聴いて、ロックに目覚めました。それまではクラシックとかしか聴かないマジメ少年だったから衝撃を受けたし、歌詞にすごく感化されたんですよ。その後、BOØWYやピストルズにも出会って、パンクが好きになって、バンドをやりたくなって。それで知り合いのお兄さんにギターを譲ってもらって、ギターを弾くようになりました。最初の頃はTHE BLUE HEARTSとかBOØWYとのコピーをしていて、そこからいろんな音楽を聴くようになりましたね。

Sena:パンクから入られたんですね。僕はずっとヒップホップを聴いていて、ロックは全然知らなかったんですよ。そうしたら、友達が勝手に僕のMP3プレイヤーにXの「紅」を入れていたんです。シャッフルで聴いていたらアルペジオで始まる知らない曲が流れて、“こんな曲あったっけ?”と思ったら、そこから“バーン!”とくるじゃないですか(笑)。そこで衝撃を受けたし、その張本人の友達とカラオケにいったりするとヴィジュアル系の激しい曲を歌うわけですよ。それを聴いてカッコいいなと思って、自分もギターをやってみたくなったんです。今僕の周りにいるギタリストたちと比べると、始めるタイミングは結構遅い方だったんですけど。


MASATO:僕も17才とかだったな。

Sena:そうなんですか? なんか嬉しいです(笑)。僕はギターを弾くようになって、最初はやっぱりXのコピーをしていました。Xはテクニック面でも最強だと思っていて、そういうところにも惹かれたんです。

MASATO:Xって初心者には難易度高すぎ(笑)。ギターを始めた時から、テクニカル指向だったんだ?

Sena:はい。HIDEさんも、PATAさんもすごいなと思って、見よう見まねでやっていました。で、Xが好きだという話を周りにしていたら、友達がこういうバンドがいるよ、こういうバンドもいるよ、こういう雑誌があるよというふうに、いろいろ教えてくれて。それで、洋楽も含めて、いろんなバンドを聴くようになりました。

──お二人ともギターを始めてから短期間で頭角を現したといえますね。では、それぞれギターを弾くうえで大事にしていることや、こだわっていることは?

Sena:それはMASATOさんに、ぜひ聞きたいです。

MASATO:どうだろう? とくに意識してないんだよね(笑)。

Sena:ええっ?

MASATO:ただ長く続ける中で、プレイ中の感じ方が変わってきているというのはあって。TAKA(Vo/defspiral)は元々歌が上手かったけど、特にここ数年は歌に乗せる感情が圧倒的に増してきて。それを聴きながら演奏してるので当然ギターを演奏している自分の心地よさも増すわけです。歌よりも目立っちゃおうみたいなスタイルも嫌いではないけど(笑)。歌に寄り添って互いに気持ちよさを高め合いたいという思いは増してますね。

──defspiralはハードな曲からエモーショナルな曲、ダンスチューンもあって楽曲が多彩ですが、MASATOさんはそれぞれにフィットしたギターを弾かれています。そこに関しては、どう捉えていますか?

MASATO:僕らはバンド名を変えながらずっと同じメンバーでやっていて、TRANSTIC NERVEの後期からthe Underneath(2004年~2010年)の頃はぐっと音楽性の幅を狭めていたんですよ。でも、メンバーそれぞれ好みの幅が広いので、defspiralになってからはもう好きなことを全部やろうということになった。僕自身もいろんなスタイルのプレイをするのが好きだから、それぞれの曲に合うギターを考えるのは楽しいし、自分の引き出しにないものを研究したり、練習したりするのも楽しい。だから、音楽性の幅が広いのは苦にならないです。

Sena:MASATOさんは7弦ギターを使っていますよね。だから、写真とかを見るとゴリゴリにヘヴィな人なのかなと思うけど、実はプレイの幅がすごく広い。7弦でエモーショナルだったり、繊細だったり、いろんなプレイができるところがカッコいいです。

MASATO:……照れる(笑)。でも、そう言ってもらえると嬉しいな。Sena君が大事にしていることは?

Sena:僕がJILUKAをやるようになってずっと貫いているのは、“運動量の多いギター”ということです。それは“ブワァーッ!”と速弾きをするというようなことだけではなくて、サッカーで言うところのミッド・フィルダーみたいな立ち位置というか。守備にもまわるし、攻めにもいくという意味で運動量の多さ。だから、リズム隊にフルで寄せていく時もあれば、ソロを弾きまくるシーンもあるという。そういうギタリストであることを意識しています。

MASATO:Sena君は、テクニカルということに対してはこだわりがある? それとも、ソロを弾くと自然とああいうプレイになる?

Sena:自分たちの場合は、始動した当時に激しいバンドが結構多かったんですよ。そういう中で一歩抜きんでるには派手な部分が必要だなと思って、押し出すようにしています。ただ、僕は速弾きとかにフォーカスされることが多いのかもしれないけど、個人的にはバッキング……特にサビ・パートのバッキング・ワークに、すごくこだわっているんです。

MASATO:テクニカル指向のリードギターの人は、バッキングはシンプルだったりするけど、そうじゃないんだね。

Sena:僕もMASATOさんに、お聞きしたいことがあるんですよ。MASATOさんはパワーコードを鳴らすのがメチャメチャ上手じゃないですか。パワーコードというのは本当に基本的なものだけど、ギターを何年か弾いてきてわかったことがあって、パワーコードにもいろんな質があるんですよね。カッコいいパワーコードもあれば、カッコ悪いパワーコードもあって、MASATOさんのパワーコードは響きがすごく良くてカッコいい。なにか秘訣があるんですか?

MASATO:これもあまり意識してないかなぁ(笑)。僕はギターを直接アンプに挿しているだけだし。

Sena:やっぱり弾き方とか、ピッキングするタイミングとかでしょうか?

MASATO:そう……なのかな(笑)。


──弦を鳴らすのが上手いことは間違いないですね。というか、Senaさんは若いのにシンプルなことほど難しいということに気づいているのはさすがです。

MASATO:ですね。

Sena:いやいや(笑)。僕の楽曲の中で、わりとシンプルなリフを活かした曲が何曲かあるんですけど、実はそういうリフを作るのに一番時間がかかるんですよ。音数が多いリフはいじりようがあるけど、少ない音でカッコよく聴かせるのが難しい。そういうこともあって、シンプルなものほど難しかったり、奥が深いことに気づいたんです。defspiralさんは、シンプルでカッコいいリフがいっぱいあるんですよね。もう、ずっとリフを聴いていたい……みたいな(笑)。

MASATO:あはは(笑)。でも、僕はリフも感覚で作ってて。だから、アドバイスできることがない。ダメな先輩で、申し訳ないけど(笑)。

Sena:いえ、そんなことないです! defspiralさんの音源を聴いて、いろいろ参考にさせてもらっています。シーケンスとの組み合わせ方とかも、めっちゃいいんですよね。

──わかります。オシャレですよね。

MASATO:ありがとうございます。そうですね、オシャレにはしようと思っています。

──defspiralは、大人の色気も魅力ですよね。先ほど“アンプ直結”という言葉がありましたが、それぞれアンプは何を使われているのでしょう?

MASATO:僕は、メサ/ブギーです。もう長年メサ/ブギー。メサ/ブギーというとものすごくハイゲインなイメージがあると思うけど、僕はそんなに歪ませていないんですよ。メインにしているのはメサの2チャンネルで、ゲインは“5”くらいに抑えている。歪ませたほうが弾きやすいけど、音が細くなるから。

Sena:そうなんですよね。クリーン・トーンもメサ/ブギーですか?

MASATO:そう。メサのチャンネル切り替えでまかなってる。だから、いろんな音を出しているけど、システムはめっちゃシンプル。

Sena:いいですね。僕はマーシャルのJCM800の2203KK(ケリー・キング・シグネイチャー・モデル)を使っていて、僕も基本はアンプ直です。

──えっ、本当に? アンプとギターだけで、あんなに獰猛な音がするんですか?

Sena:します(笑)。KKなので、多少ゲインが高いというのもありますけど。僕もMASATOさんみたいな太い音が出したくて、それにはアンプ直がベストだろうと思って。音源を聴いた人に、“うわっ、音太っ!”と思わせたいんですよ。だから、僕もMASATOさんと同じように機材がシンプルというのは嬉しいです(笑)。

MASATO:シンプルな機材で、いい音を出すというのは理想だよね。それに、僕もレコーディングではわりとマーシャルを使うことが多いよ。JVMを改造した「Commune」とか。

Sena:マーシャルも使っているんですね。テンション上がります(笑)。

──では、それぞれが思うギタリストならではの良さや、魅力をあげるとしたら?

Sena:僕、MASATOさんは立ち振る舞いがクレバーなところがカッコいいと思っていて。クールというか。ギターはリズム・パートにもいけるし、歌にも寄り添えるので、全体を見るという意味ではバンドの司令塔だと思うんですよ。そういうところで、MASATOさんみたいなクレバーさを感じさせるのはギタリストならではのカッコよさだと思う。僕自身としては、ボーカルを立てられるフレーズを作れた時は嬉しいですね。歌を立てつつギターも存在感を出せるフレーズができると、“よしっ!”と思う。あと、ライブの時に前にいったり、他のメンバーを立てたりというふうに、自在にできることもギタリストの魅力だなと思います。

MASATO:ギターの魅力は沢山あるけど、一番いいなと思うのはいろんなアプローチや音作りが幅広くできて、ライブの時にいろんな自分になれることですね。感情を露わにして激しくいくこともできれば、クールに一歩引くこともできる。もちろん他の楽器もそういうことはできるけど、一番伝わりやすいのはギターだと思うんですよ。そういうところが、すごく楽しいですね。

──たしかに、ギターは音色やアプローチの幅が広いですし、ステージングの自由度が高くて、様々な感情を表現できますよね。では、続いてそれぞれのバンドについて話しましょう。

◆インタビュー(2)へ

  ◆  ◆  ◆

MASATOとSenaが出演するBARKS主催イベントツアー<千歌繚乱 1st LIVE TOUR 〜錦秋の候〜>は、下記にてチケット発売中(defspiralの出演は、東京公演のみ)。

■チケット一般発売
8月10日(土)12:00〜各公演前日まで
名古屋公演:https://eplus.jp/sf/detail/3015650001-P0030001
大阪公演:https://eplus.jp/sf/detail/3011420001-P0030001
東京公演:https://eplus.jp/sf/detail/3011430001-P0030001

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