【インタビュー】CHIHIRO、自分に自信を持ってもっと輝いて欲しいという思いを込めた新曲「My Life」

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これまで数々のラブソングを世に放ち、恋する女性達の心に寄り添ってきたシンガーソングライターCHIHIROが、新曲「My Life」を発表した。<友達のいいね!を気にして過ごすより 私が私をいいね!って 胸張って思えるようになりたい>――そんな風に歌われる本曲は、自分に自信を持ってもっと輝いて欲しいという思いを込めた、CHIHIRO流の応援ソング。ファンの声に常に耳を傾けているからこそ感じた時代背景の中で、女の子の底力を信じるCHIHIROの言葉に背中を押される1曲だ。

■いわゆるラブソングっぽさからは離れつつ
■応援歌みたいなものになればいいなと思って


――新曲「My Life」は、これまで発表されてきたCHIHIROさんの楽曲とはかなり印象が異なりますね。

CHIHIRO:そうですね。今まで100曲以上書いてきましたが、ほとんどがラブソングだったんです。ずっとラブソング一筋で来たんですが、私の曲を聴いてくれる女の子たちの感想や悩み相談みたいなものを聞いていると、昔は恋のことだけを悩んでいた子達もだんだんと大人になって、見つけた夢や仕事、結婚といったものに変わっていってるなと思ったんです。早く結婚したいけど彼は全然その気がなさそうだとか、みんな結婚する時期になってきたけど、やっと見つけた夢を親に話したら反対されているとか、大人になったからこその葛藤やしがらみの中でみんな悩んでいるんですよね。この「My Life」は、恋にも取れるし、夢や仕事にも取れて、なおかつ背中を押せるような曲が書けたらいいなと思って書き始めました。いわゆるラブソングっぽさからは離れつつ、応援歌みたいなものになればいいなと思って。

――ファンの皆さんの声が、今回もベースにあるんですね。

CHIHIRO:はい。SNSで恋愛相談をよくやっていて(ストーリーでお返事してます)、いつもものたくさんの数のメッセージをもらいます。しかもみんな細かく内容を書いてくれているから、じっくり読んでいるとその悩みに対して「じゃあ、今度はこんな曲を届けたいな、書きたいな」って思えるんです。

――みんなの気持ちが伝わるからこそ、なんとか曲で応えてあげようと。

CHIHIRO:そう。でもそうやって書いた曲をみんなが聴いてくれて、例えば「こんなダメな恋愛してちゃいけないなと思って新しい恋に踏み出したら、その彼と結婚できました!」なんて報告をいただいたりすると、私の書くことが100%のパワーになるわけじゃないけど、ちょっとでもきっかけになって、意味のあるラブソングになってくれているんだったら嬉しいなと思うんです。デビュー当時はクラブ系の音楽でしたが、そういう声を聴いているうちに、いつの間にかラブソングでみんなの背中を押すっていうのが役割というか使命みたいになっていましたね(笑)。

――今や恋愛マスター、もしくは恋愛における心理カウンセラーみたいな存在でもあるかなと思います。

CHIHIRO:(笑)。自分が経験したこととみんなの声をまとめて曲で表現していくっていうのが、私の書き方なのかなと思います。

――聴いてくれる皆さんとの時間や思いの積み重ねも曲に反映するからこそ、今回のような視点も自然と生まれるわけですね。

CHIHIRO:今ってSNS時代ですから、周りがすごくキラキラして見えると思うんですよ。みんな、いいところしか見せないから。カッコつけなきゃいけなし、クールなほうがオシャレみたいな風潮ありますよね。別に悩んでないしとか、現状で満足ですよって感じで見せちゃうから、家に帰ると余計に寂しいみたいな。勝手に比べて、勝手に落ち込むみたいな子も多いと思うんです。


――自分で自分の中にギャップを作っちゃうんですね。その点、CHIHIROさんは…。

CHIHIRO:私はあまり人のことを気にしないし、友達にも相談しないんです。結構男っぽい性格なので(笑)。

――らしいですね(笑)。

CHIHIRO:これは統計学的な話なんですが、女の子って、何か叶えたい夢があるとして、そこに向かうパワーがいくらあったとしても、ちょっとしたことで誘惑に負けちゃうらしいんです。女の子はすごく迷いやすいけど、男性はバーッと勢いで行けちゃうらしくて。

――より良い結果を求めるという意味で、女の子はブレやすいんでしょうね。

CHIHIRO:そうですね。でも結局、恋愛でも夢でも<自分>をしっかり持っていないとそこには到達できないじゃないですか。女の子こそそういうパワーを持って、自分がこうしたいと思ったら自分の責任で、自分の意志で決めていけば、たとえ間違っていたとしても後悔はないはずだよっていうことをこの歌の中で言いたかったんですよね。「親はこう言ってる、友達はこう言った、CHIHIROさんどう思います?」みたいなこともよく聞かれますが、誰の言うことも聞かなくていいと思うんですよ。自分の心の声をちゃんと聞いて欲しいんです。ごまかさずにね。

――でも本当は聞こえていたりするんですよね、自分の心の声。

CHIHIRO:そう。ちょっと怖いというか、誰かに否定されるんじゃないかなとか思っちゃうんですよね。でも女の子って、決断したら早かったりもする。決断するその力を信じて欲しいなって思うんですけど。


――そこで背中を押すのが、CHIHIROさんの言葉であり、今回の「My Life」という曲だと思います。

CHIHIRO:ありがとうございます。でも、今回は歌詞を書くのにめちゃくちゃ時間がかかったんですよ。どうやったらこの感じが伝わるだろうって、すごく考えてしまって。アツく「頑張れよ!」ではなく、女の子独特の背中を押す感じを表現したかったんです。熱血系ではないものに。しかも、いろんな要素が入っているんだけど1人の女の子としての姿が見えるようにしたかったから、この完成形の8倍くらい言葉を書きました。だから、すごく時間がかかった(笑)。

――それを、ハワイの青い空の下でやっていたんですか!

CHIHIRO:(笑)。でもハワイって、すごくポジティブなんですよ。失敗してもやっちゃえばいいじゃん!みたいな”なんとかなるよ精神”があるから、もともと私はそういうタイプだけど、さらにその精神が身についた感じはありました。ハワイの人って、「明日全部が終わるとしても、きっと笑ってるよね」みたいなことを普通に言いますからね(笑)。だから失敗しても、結果がダメでも全然いい。挑戦したほうがかっこいいじゃんって思うようになったんです。

――日本はいろんな意味で繊細で、そこがとてもいいところだったりするけど、一方ではすごく細かいことで悩んでしまうところもありますよね。特にこのSNS時代、裏目に出ている部分もあるんだろうなと思います。

CHIHIRO:そうですね。デビューして色々なラブソングを描いてきたのですが、SNSも増えて、SNSが中心の恋愛になってきてる気がしています。なので、今みたいに好きな人をSNSで追いかけ回すとか、そんな感じではなかったと思うんです。もっと純粋に伝え合えていたはずなのに、今はLINEの返事の長さだとか答え方みたいなものが全てになっていて、勝手に推し量っていたりする。「私は好きな人のことを”いいね”したのに、向こうはしてくれない」なんて相談もあるんですよ。大切なのはそういうことじゃないよ、そんなこと気にしたって意味ないんだよってことを伝えたくてこの曲を書いたんですが、それくらい、そこが全てになってしまっている子が多いなと思うんですよね。もちろん、それはそれでダメではないんですけど。

――そうですね。

CHIHIRO:やっぱり、人目を気にしている時代なのかもしれないですね。自分が本当にアップしたいものを上げているわけではなくて、誰かに見られることを想定し、こう見られたいから上げているっていう人も多いと思うんです。それ本当の自分じゃないじゃんって思うけど、そういうことが生き方自体にも繋がって、人目ばかり気にしちゃっているのかなって思ったりもしますよね。

――だからこそ、これだけリアルに恋も愛も人生も曲にしているCHIHIROさんにみんな癒されたり励まされたりするんだと思います。

CHIHIRO:今でもよく「実体験ですか?」って聞かれて「全部、自分のリアルですよ」って答えると、「え!どんな恋愛してるんですか!」「全部ですか!?」って逆に驚かれることも(笑)。別に隠すことでもないし、思っていることを書いているだけなんですけど結構心配されたりもします(笑)。

――(笑)。でもこれだけ多くの人が共感するということは、そんなにイレギュラーな恋愛ではないと思うんですよね。

CHIHIRO:そうそう。女の子って特に、大事なこととかイケナイ恋をしていることなんて本当に仲の良い子にしか言わないですしね。

――もしくは匿名でとか。

CHIHIRO:私のYouTubeのコメント欄もそうです。みんな言えないんだろうなって思う。でも私、みんなどこかに自分の気持ちを切り替えるスイッチを持っていると思うんですよ。だけどそれが、自分じゃ何なのかわからない。音楽なのか、誰かの言葉なのか。そんな時に、何か一つでもいいから引っかかって変わってくれたらいいなと思って、私は曲を書いているんですよね。

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