Sonic Youth & Stereolab ライヴ・レビュー!

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大胆なサウンド作りで切り開いた新境地未だに解決されていない昨年のヴァン盗難事件によって専用機材と改造ギターのすべてを失ったことは、ある意味でSonic Youthにとって幸いだったようだ。

特殊な音響機材をゼロから開発し直す羽目になったことで、Youthのサウンドにはよりシャープなフォーカスが定められるようになり、アプローチの面でも新たな実験のピークを迎えることができたのである。ボストンのステージではニューヨークの生活の断面を捕えたビデオを背景に、美しく歪んだハーモニクス、息詰まるようなサウンド構造、都会的な詩情、そして轟轟たるフィードバックの大波といったグループの特性が、新たな目的をもって時空の中でひしめき合っていた。

80分間のセットはリリースされたばかりの『NYC Ghost & Flowers』の大半にスポットライトを充てたもので、リードオフトラック(第1弾シングル)「Free City Rhymes」のかなり派手なヴァージョンをフィーチャーしたものとなった。

素晴らしくメロディックなヴォーカルのフレーズに彩られたこの曲は、ある種オリエンタルなサウンドからスタートしてきらめくような不響和音へと雪崩込んでいく構成で、Steve Shellyのドラミングが超強力な粘着力を提供することで留まるところを知らない巨大なグルーヴを醸しだしている。

他の新曲も同様に好調であった。「Renegade Princes」は爆発するような不協和音と語りで始まり、くどいくらいの衝撃音へとつながっていく。破壊的なポップソング「Nevermind (What Was It Anyway)」はクールなトーンのサウンドを持つスラッシュ曲である。

だが、アンコールのフリーフォーム曲「Lightnin'」は、バイクのクラクションとKim Gordonの無慈悲なトランペットによって台無しにされたギターを“フィーチャー”した内輪受けのノイズ祭りとなってしまった。

黙示録の到来を思わせるサウンドのイントロを持つ「Brother James」では、SonicYouthの共同プロデューサー(そしてStereolabの親友)であるJim O'Rourkeが飛び入り、素晴らしいギター演奏でドライヴ感に溢れたバトルロワイヤルを展開した。

異世界的なムードの「Kool; Thing」ではO'RourkeがGordonに替わってベースを担当、おかげで彼女はお馴染みの「I don't wanna, I don't think so.」のフレーズを歌いながら跳びはねることができたのである。

もう1曲ファンを喜ばせたのは「Teen Age Riot」で、GordonをNicoのパートにフィーチャーしたSonic Youthは長距離高速道路並のスピード感を持つ21世紀型Velvet Undergroundに変身したのであった。

歌詞の面で言えばその日のコンサートの大半は、Sonic Youthによる詩的な一斉攻撃であった。Thurston Mooreの語り調ヴォーカルによって「Small Flowers Crack」はのたうち回るような地獄のブルースと化し、Gordonは「Side2Side」を溜息混じりに朗読した。

そしてLee RenaldoはまるでPatti SmithやJim Morrisonの弟子のように、夜更けに揺らめくような演劇的な語り口で「NYC Ghosts & Flowers」をスタートさせ、ぶつかり合うようなトーンを次第にエスカレートさせていった。

バンドはこの曲をひきずるようなユニゾンのリフと閃光のごときギターサウンドを融合させて爆発的に表現し、天国と地獄の両方に響き渡るような大音響でセットを締めくくったのである。

Stereolab
Sonic Youthが詩的なパンクトランスの方向性をさらに推し進めたのに対して、Stereolabは反復的な催眠サウンドからポップ的なクールネスへと移行しつつある。

2000年のStereolabは、元祖ラウンジミュージックのシャレ者たちが、ビートルズストーンズの出現に阻まれなかったら到達していたであろう地点に着地したとも言えそうだ。

彼らは数枚前のアルバムからこの動きを見せ始めていたが、最近になってやっと本当にしっくりくる感じのサウンドを聴かせるようになった。昨年の『Cobra & Phases』は考え過ぎの面があり、試行錯誤の結果による密度の濃さがかえってわざわいしていた。だが、Stereolabは新CD『First Of The Microbe Hunters』をサポートするための今回のツアーで、より自然体で等身大の境地へと突破口を開いたようだ。

Burt BacharachミーツArthur Lyman”的な発想を融合させたTim Ganeによるスムースなグルーヴは、シンガーのLaetitia Sadierにとって完璧なバッキングを提供し、彼女の美しいヴォーカルはまるでベッドルームでのまなざしのように官能的に響いていた。

その一方で6人組の他のメンバーはきらめくようなコーラス、溢れ出すようなオルガン、ラウドに響くギター、ファンキーなパンチの効いたベースライン、そして滑らかでポップなドラミングが一体となって未来的なカーペットを織りなしていた。この日は過去数年間のバンドの演奏の中でも最も魅力的なセットであった。

by Tristan Lozaw

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