チャンバワンバ、不法にエミネム、ビートルズ、マドンナをサンプリング

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オルタナティヴポップグループのChumbawambaは、ファイル共有問題に関する議論の炎を意図的に煽ろうとするかのごとく、不法に、しかも堂々と“Pass It Along (MP3 Mix)”という曲でEminemBeatlesMadonnaMetallicaDr. Dreの音楽をサンプリングした。

'97年のヒット“Tubthumping”で名声を得たこの英国のグループは、公式サイト(chumba.com)から入手可能な曲を作り、まさにpass it alongのタイトル通り“広く人々に知られる”ようダウンロードを奨励している。

問題の曲はMetallicaの“Enter Sandman”のリフをもとに組み立てられ、Napsterへの批判を繰り広げているLars Ulrichのドラムからも音源を盗用している。また、あきらかな盗用の中にはEminemの“Real Slim Shady”のメインジングルやElvis Presleyの名曲“Blue Suede Shoes”の「it's one for the money」という部分、それに“Money”のBeatlesヴァージョンでJohn Lennonが「the best things in life are free」と歌っている部分などがサンプリングされている。

また、文化人となったJello Biafra、著名学者のNoam Chomskyなどの話し言葉によるコメントも丁寧に添えられている。その中で「この曲を20人に送ろう」と指示し、リスナーにファイルシェアリングへの参加を強く勧める部分がある。

Chumbawambaのスポークスパーソンの声明によれば、“Pass It Along (MP3 Mix)”は、ファイル共有が多少なりとも芸術の基盤を揺らすものだ、という戯言への反応として創作された。

Chumbawambaのヴォーカル、Dunstan Bruceは次のように述べている。
「もしUlrichやMadonna、Eminemらがレコードが全く売れなくて、貧困生活に陥るような老齢にさしかかっていることを心配しているのなら、音楽が出回るのを断固として食い止めようとする決意も分からなくもない。けれど現状を見ていると、世界でも有数の大金持ちのポップスターが、愛すべきファンから最後の1ペニーさえも搾り取ろうとする産業に反対する動きを見て大騒ぎしている」

また、Bruceはレコードレーベルの姿勢も非難している。
「大手レコード会社が、ファイル共有の芸術に与えるダメージについてギャーギャーわめいているのを聞くと本当に笑えるよ。もし、レコード会社が規制したり、くだらない言いがかりをつけたりしたら、芸術、もしくは芸術の統合性を認識できなくなるだろう」

“Pass It Along”のオリジナルヴァージョンは、4月にUniversal RecordsのインプリントUptonからリリースされたアルバム『What You See Is What You Get』に収められている。

記:Neal Weiss、ロサンゼルス
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