若干22歳。才溢るる未完の大器。世紀をまたがって今!

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若干22歳。才溢るる未完の大器。世紀をまたがって今!

久々に興奮した。驚くべき“才”に出会ったからである。
久々に没頭した。心地よい懐かしさに触れたからである。

新世紀にTAKUI(タクイ)のサウンドはどう響くのだろう。カッコいいか? 新しいか?
…まあ、そんなことはどうでもいい。
確実に優れたコンポーズ能力と求心力を持ったヴォーカリストの誕生だ。
卓越なる存在であることに間違いはない。

聴いて、観て、触れて、みんなの琴線に触れたならば、それが答である。



『NUCLEAR SONIC PUNK』
日本コロムビア

1.UP TO DATE
2.イノヴェイター
3.TO THE MAX
4.MUST BE STRONG
5.I'm A Sod
6.ALIVE
7.さらば摩天楼のFairy Tale
8.ROLL UP FOR THE UNIVERSE
9.BADLY NOOOO!!!!
10.TOO MUCH BUSINESS
11.BEAT YOURSELF BLIND
12.mother sky




「CRAP THE CLIP」(ヴィデオ)
日本コロムビア


1.
UP TO DATE
2.イノヴェイター
3.THANKS TRACK



TAKUIからメッセージが届いています!
ID 2000-December
ID 2001-January


なんだこいつは!? ホントに新人か?

──アルバム聴きまして、で、ヴィデオ拝見しまして…、これまたとんでもない新人が出てきたものだとビビっているんですが。

TAKUI:
あっ、そうっすか。ありがとうございます。なんでも聞いてください!

──ホントに“新人”っすか(笑)?

TAKUI:
ええ(笑)、アルバムとしては。

──ちょっと過去を洗い出したいんですが。

TAKUI:
ずーっと音楽やってました。僕、高校行きませんでして…中卒で東京に上京してきて、新聞配達しながら音楽専門学校に通い、20歳まで5年間バンドをやって、まあそこでいったん解散して、そこからソロ活動って形で。ソロでありながらバンド・サウンドを追求するヴォーカリストになろうということで、一応デビューまでこぎつけたんですけど。

──そう考えると、キャリアは重ねているんですね。作品/サウンド、歌いっぷりにそのセンス…、いち新人アーティストのデビュー・アルバムとは思えない、非常に高いクオリティなもんで。

TAKUI:
完成されてたって感じですか?

──ぽっと出てきた一枚目の作品とはとても思えない。絶対、どこかに秘密があるんだろうっと。

TAKUI:
5年やってたバンドっていうのも作詞/作曲は全部自分だけだったんですよ。自分しかコンポーザーがいないバンド。で、バンド時代に12曲単位でデモテープを3~4本出していましたから、この『NUCLEAR SONIC PUNK』は自分の中では5作目なんですよね。

──なるほどそうですか。ちょっとわかった気がする。

TAKUI:
今までのバンド時代…過去の作品をまとめて今回のデビュー・アルバムにしてもよかったんですけど、俺はあえて1stアルバムは全新曲にしました。

──普通のデビュー・アルバムってアマチュア時代の集大成だったりしますよね。

TAKUI:
ええ。それはある種、1stアルバムが到達点に見えるじゃないですか。でも1stアルバムを出発にしたかったんです。

──バンド時代はヴォーカル&ギターだったんですか?

TAKUI:
いや、ギター弾いてなかったですね。その時はずーっとヴォーカル・オンリーで。

──『NUCLEAR SONIC PUNK』でギターもがんがんに弾いていますよね?

TAKUI:
半分以上弾いてますよ。もともと中1の終わりか中2くらいの時に、サイド・ギターから始めたんです。中3でヴォーカルになったんですけど、それからも作曲時にはずーっとギターを弾くわけなんで、気付けば、今22歳ですからへたすりゃ10年近く弾いているわけで。

──いや、いくら10年と言っても趣味感覚で弾いているアマチュアでは、レコーディングで通用するギターなんて弾けませんよ!

TAKUI:
いやっ、だからギター・ソロみたいな派手なのはできないですよ(笑)。僕がギター始めた頃っていうのはやっぱりギター・ソロが弾けなきゃいけない時代だったんですけど、僕はその頃からパンクでパワー・コード一発!とかミュートだ!とか、そっちの方に興味をもってたんで、いわゆるサイド・ギターだったと思うんですよね。それに、“自分の曲は自分で弾かなきゃ”っていうのがどこかしらあったから、単純に自然に…成長したっていうか。

──バンドでオリジナルを演る以前は、さしあたりカヴァーとかコピーをしたでしょう?

TAKUI:
やりました、やりました。耳でコピーしたっていうのは邦楽/洋楽問わずなんでもやってたんですけど、とりあえず中3のときにZIGGYのコピーバンドやりました。

──中学3年…その頃っていうと…。

TAKUI:
バンド・ブーム終わってバンドは学校で1つでした(笑)。ダンスはすごい流行ってましたね。でもまあ、別にその頃“ロックだぜ”っていう古い考えをもつんじゃなくて、単純にビートルズが小さいときから好きで“いつかギターを持ちたいな”とか“バンドで唄いたいな”と思っていたところに、少なからずバンドやりたいって奴がいて、それで組んだバンド。

──歌は最初っから上手かったんですか?

TAKUI:
いやっ。前にもう一つバンドを組んでて、サイド・ギター弾きながらコーラスでハモったりしていたんですけど、その時のヴォーカルがあまりにもド下手で、僕が一生懸命ハモっても意味がないんですよ。主線が唱えてなくて(笑)。

──がはは(笑)。

TAKUI:
で、やっぱりクオリティの高い、それなりに見せられるバンドやりたいよねってそれを終わらせて、もう一回作り直したときに「俺、ヴォーカルやるわ」って。ギターを持たないスタイルですね。

──いけるなと感じたのはその頃ですか?

TAKUI:
いやビートルズのポールのキーが出せたんで。

──ピッチが高いんだ! どの辺まで出るんですか?

TAKUI:
ん~、C#、Dか…。

──ギターで言うと1弦
9~10フレットですね。すげえ。

TAKUI:
ですかね。チューニングはハーフダウンしてますけど。ジョン・ボン・ジョヴィのハーフ・ダウン下ですか(笑)。

一旗揚げなきゃ帰れない!

──早々に自分の生き方を音楽に見出したようですね。

TAKUI:
そうですね。中学校の進路を決めるときに、東京に出るっていうか、進学しなかったの僕だけでしたもんね。先生に呼び出されましたもん、校長室とかに。

──“音楽で食う? アホなこといってんじゃない”とか?

TAKUI:
いやー、言われましたね。「東京がどういうとこかわかってんのか!」「先生どこ出身ですか?」「茨城大学だ」「東京行ったことねぇじゃないか!」って(笑)。

──そこからは単身で音楽一辺倒?

TAKUI:
単純に東京に出たらもうコピーはやらないって決めてたんです。オリジナルをやろうって。何年かかってもいいからある程度のメンバーを見つけてバンド組みたいっていう。だから“いつバンド組んでも曲はあるぜ!”というヴォーカリストになりたかったから、ひたすら曲を作ってました。

──でも曲作りって誰でも出来るものじゃないでしょう?

TAKUI:
もちろん作りはじめるときからビートルズみたいな曲をつくれるわけじゃないわけですよ。最初はそれこそロックンロールのスリー・コードから始めるわけで。でも一番最初に僕が音楽を始めようと思ったきっかけは、ビートルズじゃなくてパンク。セックス・ピストルズだったり。本当に少ないギター・コードでこれだけ叫べるんだっていうのがあって、その頃やっぱりそういうものからトライしていったんですよね。だからパンクをやってた時期も長かったし、そこから“こういうふうにやられたんだったら次はこういうふうにもできるよね”っていう自分でどんどんハードルを高くしていったんです。 パンクなんだけど、サビになるとすげぇーきれいなメロデイになるとか。

──ほお。

TAKUI:
やっぱりメロディがちゃんとたつものが好きだったんで。それでどんどん自分のスキルを上げていったんです。それと同時にまた聴くものも変わりましたね。新譜が出てれば買うし、お金はほとんどCDに費やしてて、そこで聴いたものを吸収して、もうハングリー精神だけでやってきたんで。いい曲を聴くと“俺もこんなんやんなきゃ駄目だなぁ”とか、ライヴやったときに“こういう曲がないとやっぱりライヴはもたないなあ”とライヴの3曲目くらいにできる曲を意識したり。もう、ひたすらですよ。ずーっと曲作ってました…今もそうですけど。

──音楽的知能指数が凄く高いような気がする…。

TAKUI:
俺、音符も読めないし、書けないですよ。

──音楽以外にも、スキーだってやりたいだろうし、カラオケだって行きたいだろうし、ボードだってゲームだって…。そんな中で“音楽”だけにピュアにのめり込んでいくのは、“サガ”なのでしょうか。

TAKUI:
そうですね。意気込み的に家にはもう帰れないし(笑)。15歳の時ですけど、一旗あげなきゃいけないと思ったし、仕事しなきゃ食えないし、働かないと学校に通えないしっていう状況を積んでて、でも曲がないとバンドができない、メンバーがいないとバンドができない。そういう風に自分でどんどん首を締めて、どんどん焦らせることで、自分自身の期待に応えるように、プレッシャーに勝てるようになってきたんです。周りを見向きもしないということではなかったけれど、何が流行っていても、自分にしっくりくるもんじゃないから、それを行なわなかったっていうことなんです。

──“影響されたアーティストって誰ですか?”という質問にはどう答えるんですか?

TAKUI:
ちゃんといますよ、たくさん(笑)。一番根本的なメロデイはビートルズだとして、衝動は完璧にセックス・ピストルズです、パンク。音とかはグランジだとか…もちろんハード・ロックだって聴いたし、重いものが自分にとってしっくりくるという点でニルヴァーナが好きだったり、モトリー・クルーも好きだったり。でもバラードも好きだからビリー・ジョエルも…。こだわりはそれぞれあるんですけどね。でも言い出すときりがないんで(笑)。ほんと中古レコード屋に通って、ジャケ買いするんですけど、その時にいい曲がかかってたら「これなんですか?」って店員に聞いて何でも貪欲に聴いてましたから。

──音楽的幅の広さも持ち、相当数の作品もそれまでに制作してきた中で、今回の『NUCLEAR SONIC PUNK』をどんな方向性のアルバムにするか、難しかったのではないですか?

TAKUI:
それまでに、とにかく幅広く曲を作りすぎていたので、それをそのままいろんな色を全部ミックスするとやっぱ濁るでしょ? “赤なら赤、黒なら黒でいきたいね”っていう話をしてたんですけど、俺は“一言でロックなアルバム”ということだけだったんです。中身に関しては、どう転がってもいいから。

──ん?

TAKUI:
…って思ったんですよ。メジャーっていうのはそういうところだと思うんで。いかに自分がいい音を出すかであって、「そのロックのアルバムを作りきるプロデューサーを紹介して欲しいし、そういうチョイスは全部やってください。僕は曲だけを用意しますから、用意した曲中でこの曲をいれて欲しいっていうチョイスをしてください」…と。

──すごい! 本当の意味で“プロ”ですよ、感心感心。

TAKUI:
まぁ、それこそ昔、バンドの頃はやっぱりもう自分のエゴだけですよ。だってチケット売るのも自分だし、チラシまくのも自分だし、化粧するのも、デモ・テープをダビングするのも自分なわけですよ。ライヴでそれを唄うのも自分で、好きなように活動できるわけです。その点、メジャーというのは、関わってくる人が増えるから、その人達の意見を採り入れて、“自分がどこまでかっこいいものを作れるか”でしょう? それがメジャーだと俺は思ったんで。

──偉いなあ。

TAKUI:
それこそ、昔は自分のバンドが固まるまでデビューの誘いは断ってたんです。一番最初SONYで2枚マキシを出したんですけど、その時は、尖っていたわけでもないですけどちょっとわがままな自分があって、いろんなプロデューサーをたてたりメーカーの意見などとうまくいかなかったんですね。でもその時に、写真とかといっしょで、音にしても自分が選ぶより他の人が選んだほうがかっこいいなっていうのがわかったんですならばね、“俺がいつシングルになってもいいというくらいのクオリティで作ります”と。“それをシングルにするとかアルバムに入れるとか、いいか悪いかという判断をして欲しい”。それで最終的に“サウンドのクオリティとか音の重さとか俺の唄い方とかは、俺に全部任してくれ”っていう言い方をしていたんです。結果は良かったですよ、すごく。

──実際のレコーディングはどうでしたか? また、参加アーティストが実に強力なんですけど。スティーヴィ・サラス、元ガンズ&ローゼズのマット・ソーラム…。

TAKUI:
今回、プロデューサーとしてCJ de Villarさんを紹介していただいて、その方がレニーとかいろんなミュージシャンを連れてきてくれたんですよ。その人のチョイスだったんですよね。やっぱりそれは単にその人の顔もあっただろうし、人柄もあっただろうし、キャリアで呼べたって言う、偶然ですよね。

──海外のアーティストに“俺はこういうサウンドなんだ!”とか“こんな音楽を作りたいんだ”みたいなコミュニケーションはどのように?

TAKUI:
通訳(笑)。

──言葉だけじゃ伝わらないでしょう?

TAKUI:
むしろ抽象的なイメージを伝えた方が分かってもらえるんです。“重く”とか言ってもわかんない。景色を言えばわかる人達。譜面も見ないし、だいたい「どれだけ同じフレーズを叩いても、“同じ”にはならないからね」って口をそろえて言うんですよ。「だからおまえがイメージしているものが出るまでやる。だから一回いいねって思ったテープを目をつぶってもう一回聴きなおしてくれ」って。「目をつぶって聴いて、その絵面が浮かぶのなら、それはOKなテイクだぜ」という言い方を見事に全員がしている(笑)。

──ロックだなあ(笑)。

TAKUI:
俺が書いている詩の内容なんてわかんないわけですよ。でもこの歌の詩はどんなだ?って逆に訊いてくれて、内容やストーリーを説明すると「うん、わかった。それなら全部叩ける、全部弾ける」って。もちろんアンプをいじるときに“こういう音にしてくれ、ああいう音にしてくれ”というディスカッションはよくしましたけど、そういった演り方が僕にとってよかった。だって日本のミュージシャンに景色を言っても伝わらないんです。今まで「譜面にないことは弾けない」って言われてきたし…。“譜面なんていらないぜ”っていうスタンスがやっぱりやりやすかった…。

──音楽なんてそもそもイメージや想いを音に込めているものですから、それが持ってる匂いとか雰囲気といった“抽象”を伝えるのが実は一番手っ取り早いんですよね。

TAKUI:
そうですね。本当にその通りだと思います。だからすげぇースムーズだったというか、単純に楽しかった。駄目だったらやり直せばいいし、本当に煮詰まったら前のテープに戻せばいいじゃないかっていうことだから。

──わかりました。やっぱりあなたは“今度デビューしました。TAKUIと言います”というド新人ではないんですね?

TAKUI:
いやいや。一枚目ですよ。ファースト・アルバムです。まだペイペイですから。

──でも既に、2ndや3rdアルバムのことも考えていたりして。

TAKUI:
2ndアルバム用の曲はもう二十何曲か用意してあります(笑)。2001年は小っちゃいライヴハウスなんですけど、対バン形式のツアーを1月25日熊本をかわきりに、2月~3月とやって、4月に久々のワンマンかな。

──期待しています。

TAKUI:
頑張ります。アルバム何枚で自分のジャンルが確立されるかわからないですけど、それまではスタッフや制作の人間がいいというものを作りつづけます。何にも考えずに好きにやっていいよって言われた時、自分のジャンルができればいいですね。

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