マドンナ、ニューシングル「American Life」のビデオについて声明を発表

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Madonnaの新作『American Life』のタイトル・トラックのビデオが、まだ公開前にもかかわらず既に物議をかもしている。

反戦をテーマにしたビデオには、軍服のファッション・ショーで舞台を歩くMadonnaが手榴弾を投げるといった、いくつかの注目を集めるシーンがある。混乱状態に陥ったファッション・ショーは、レコード会社によれば「戦争がもたらす破滅的な結果と恐怖」を描いているという。

Madonnaは声明の中で「多くの理由から、私はアメリカ国民であることを幸運だと思っています。ひとつは自分を自由に表現することができるからです。特に作品の中で」と述べ、このビデオは刺激的だろうが、反アメリカという意図はないとしている。

「メディアが“American Life”のビデオについていろいろ報道していることは知っていますが、多くのものが正確ではありません。私は反ブッシュではなく、イラク派でもありません。平和主義者です」

また曲とビデオは、戦争というよりも拝金主義や物質主義を取り上げているとMadonnaは続けている。「多くの人々が信じているアメリカン・ドリーム――完璧な生活という私達の文化と価値観、幻想について、私が感じていることを曲とビデオで表現しているのです」

Madonnaは以前にも同様のトピックを、いくぶん控えめに扱ったことがある。'85年の曲「Material Girl」とビデオは、'80年代半ばの商業主義や拝金主義をパロディにしたものだった。

既成概念の枠を超えてキャリアを築こうとする彼女は、これまでも物議をかもしており、「American Life」のビデオはその最新版のひとつに過ぎない。'89年には、性と宗教を結びつけた「Like A Prayer」のビデオにPepsiが難色を示し、同社とMadonnaの間で交わされていた数百万ドルにおよぶ契約がなくなったことがある。また'90年には、MTVがあからさまな性描写があるとして「Justify My Love」のクリップを検閲している。

最近では'01年、夫のイギリス人フィルムメーカー、Guy Ritchieが監督した「What It Feels Like A Girl」のビデオで暴力シーンが問題になり、MTVで放送禁止となった。このビデオでMadonnaは、祖母と一緒に街中でカー・クラッシュや犯罪に明け暮れる役を演じている。

Madonnaは「American Life」のビデオは過去のものとは違い、「What It Feels Like For A Girl」のクリップように単に不快感を与えて終わるだけでなく、人々の間に議論や論争を起きるきっかけになるはずだと言っている。

「アーティストとして、このビデオが思考と会話を引き起こすことを望んでいます。みんなが私の考え方に賛同してくれるとは思っていません。このような感情を表現できる自由が与えられていることに感謝しています。だから、この国を誇りに思っているのです」

「American Life」のビデオは、同じくMadonnaの「Ray of Light」('98年)「Music」('00年)のビデオを手掛けたJonas Akerlund監督の下、2月の初めにLAで撮影された。Madonnaのニューアルバム『American Life』は、4月22日に米国発売される。

Jason Gelman, New York (C)LAUNCH.com
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