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L'Arc-en-Ciel初のドキュメンタリー映画が、12月5日より8日間限定で全国公開される。『Over The L'Arc-en-Ciel』と題された映画は、2012年3月3日の香港公演を皮切りに5月31日のハワイ公演まで、全世界14都市17公演で行われたワールドツアー<L'Arc-en-Ciel WORLD TOUR 2012>に密着したものだ。世界がどれほどL'Arc-en-Cielを求めていたか、L'Arc-en-Cielがいかに世界に立ち向かったか、海外ファンのほとばしるコメントと大会場の興奮をとらえた映像が、リアルにそれを伝える仕上がりだ。

加えて、これまであまり明かされることがなかったバックステージやオフショット、海外メディアによる取材の受け答えなどの貴重な映像には、メンバーのひとつひとつのライヴに掛けるプロ意識の高さが滲み出て心を奮わせる。監督を務めたのは映像ディレクターRay Yoshimoto氏だ。サンフランシスコ生まれのアメリカ人のRayは、2000年に来日。以降、NIKEやコカ・コーラをはじめとする数多くの企業CMやショートフィルムを手掛けてきた。そして撮影された映画は世界を駆けるグローバルな視点に貫かれたものとなった。突然出現する虹が人々に驚きや喜び、そして希望を与えるように、『Over The L'Arc-en-Ciel』があなたの心に舞い降りる。

BARKSは<L'Arc-en-Ciel WORLD TOUR 2012>を振り返るPHOTO GALLERY、Ray Yoshimoto監督インタビュー、ツアーディレクターのRichard氏の発言から、この空前絶後/前人未踏のワールドツアーを収録したドキュメンタリー映画の魅力をお伝えするべく、大特集をお届けしたい。

WORLD TOUR 2012 スケジュール

3月03日 中国/香港
3月07日 タイ/バンコク
3月10日 中国/上海
3月17日 台湾/台北
3月25日 アメリカ/ニューヨーク
 ※マディソン スクエア ガーデン日本人初の単独ライヴ
4月11日 イギリス/ロンドン
4月14日 フランス/パリ
4月28日 シンガポール/シンガポール
5月02日 インドネシア/ジャカルタ
5月05日 韓国/ソウル
5月12日 日本/横浜
5月13日 日本/横浜
5月19日 日本/大阪
5月20日 日本/大阪
5月26日 日本/東京
5月27日 日本/東京
5月31日 アメリカ/ホノルル

 映画『Over The L'Arc-en-Ciel』オフィシャルサイト

空前絶後のツアーに挑んでいく闘いの記録は、寡黙でありながら、
実に雄弁なドキュメンタリー映画だ


世界14都市17公演で開催された『WORLD TOUR 2012』に密着して撮影された映像で構成されたドキュメンタリー映画なのだが、まるでL'Arc-en-Cielのメンバーのすぐ近くにいて、日本の音楽史に残るツアーを一緒に体験しているような気分になる臨場感あふれるスリリングな映画となっている。ライヴシーンはもちろんのこと、海外の空港での熱狂的な出迎え、各会場でのファンのコメント、涙を流しながら歌う観客の表情などの映像からは、L'Arc-en-Cielがいかに世界各地のファンから愛されているのかが見えてくる。広範囲な地域のたくさんの人々を笑顔にしていく力を彼らの音楽は備えているのだ。


この作品はバンドのメンバーやスタッフが総力を結集して、この空前絶後のツアーに挑んでいく闘いの記録でもあるだろう。日本のアーティストがこれだけ大掛かりなワールドツアーを組むのは初めてということになる。彼らはまったく道のなかったところを切り拓いて進んでいっているのだ。ナレーションが入っているわけでもないし、メンバーがそれほど饒舌に語っているわけでもないのだが、この作品を観ていると、彼らの様々な思いを感じとることが出来る。完璧なものを追求するプロフェッショナルとしての姿が浮き彫りになると同時に、茶目っ気たっぷりの人間としての素顔がチラッと見える場面もあり。これまで知らなかった彼らも映し出されている。これは寡黙でありながら、実に雄弁なドキュメンタリー映画だ。


起こっている出来事が有機的に繋がっていって、いろんなストーリーが立ち上がっていく。闘いのストーリーだけではない。たくさんの笑顔のストーリーがあり、涙のストーリーがある。ツアーの最終地点、ハワイでの映像はミュージシャンとしての彼らだけでなく、人間としての彼らを浮き彫りにしていく。ワールドツアーのあちこちのライヴでの七色の照明や花火など、“虹”を感じる瞬間が数多くあったのだが、最後の最後、ハワイで演奏が終わった瞬間に、tetsuyaが指さした夜空の先にもきっとそれは架かっていたのではないだろうか。これはL'Arc-en-Cielの空前絶後のツアーの記録であると同時に、困難に立ち向かっていく人間たちの記録でもある。観る側にも何かをもたらしてくれる素晴らしい作品だ。(文◎長谷川誠)
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