【FRF'01特集】名曲連発! タイトかつハイテンションなパティ・スミス、2度目のフジロックで成長ぶりを窺わせたステレオフォニックス

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【フジロック'01特集】
名曲連発! タイトかつハイテンションなパティ・スミス
2度目のフジロックで成長ぶりを窺わせたステレオフォニックス

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Patti Smith ● ’70年代に書かれた曲が今もリアルに響く

Pattl Smith 最新Album

『Gung Ho』
BMGファンハウス BVCA-21068
2000年04月05日発売 2,427(税抜)

1 One Voice
2 Lo And Beholden
3 Boy Cried Wolf
4 Persuasion
5 Gone Pie
6 China Bird
7 Glitter In Their Eyes
8 Strange Messengers
9 Grateful
10 Upright Come
11 New Party
12 Libbie's Song
13 Gung Ho


2000年3月、サウス・バイ・サウスウエストで見たパティ・スミス・グループの演奏は、そんなにいいとは思えなかった。それにその前の来日公演を見られただけで僕はかなり満足していたこともあって、今回、それほど期待していたわけではなかったのだ。

しかし結論から言うと、僕はまちがっていた。パティ・スミス・グループの演奏はとても素晴らしかった。

相棒レニー・ケイ(G)を含む4人編成のバンドを従えてステージに現れたパティ・スミスは、おもむろに「Jesus died... 」と歌い出す……。いきなり代表曲中の代表曲、彼女のデビュー・アルバムのオープニングを飾る「グロリア」だ! サビでは早くも「グ・ロー・リア!!」と大合唱となる。

パティ・スミスは決して、うまいシンガーではない。バンドの演奏も、鋭さはあるものの、オーソドックスと言えばオーソドックスだ。楽曲にしたって、復帰後の曲はともかく、代表曲はどれも'70年代に書かれた、はっきり言ってしまえば今となってはどれも垢抜けないものばかりだ。

しかし、パティ・スミスの歌、そしてバンドの演奏は、僕の体にグサグサッと突き刺さる。それは曲を演奏すると同時に、パティ・スミスがメッセージを訴えかけ、そこでオーディエンスと何かしらの関係を築こうとしているからだろう。だから、垢抜けないとは言え、'70年代に書かれた曲が今もリアルに響く。クサいと言えば、クサいかもしれない。しかし、昨夜のオアシスとは、そんなところが明らかに違う。


▲Patti Smith
エキセントリックなパフォーマンスをしても、彼女には説得力がある。星条旗をまとったり、目隠しをして歌ったり。最後はギターの弦を引きちぎっていた!

「ダンシング・ベアフット」ではブーツを脱いで客席に下りるなど、ちょっとエキセントリックなパフォーマンスを交えつつ、パティ・スミスとバンドはハイテンションな演奏をくり広げた。そしてラストはブルース・スプリングスティーンと共作したヒット・ナンバー「ビコーズ・ザ・ナイト」、映画『タイムズ・スクエア』にフィーチャーされた「ピッシン・イン・ア・リヴァー」「ロックンロール・ニガー」の3連発だ。

ロックンロールの神について歌った「ロックンロール・ニガー」では、パティはロックンロールの精霊達を降臨させようとするイタコさながらのパフォーマンスでオーディエンスを沸かせた。おそらくその際、大自然の霊力も借りようとしたんだろう。しきりに「Mt.Fuji...Great Fuji」とステージを取り囲む山並みに向かって祈っていたけど、ここは富士山じゃない……。って、そんなこと口が裂けても言えないよね。

 

Stereophonics ● 骨太で土臭く、質実剛健。そこにあるにはロックンロールへの確信

Stereophonics 最新Album

Just Enough Education to Perform
V2 Records V2CI-100
2001年3月28日発売 2,520(tax in)

1 Vegas Two Times
2 Lying In The Sun
3 Mr. Writer
4 Step On My Old Size Nines
5 Have A Nice Day
6 Nice To Be Out
7 Watch Them Fly Sundays
8 Everyday I Think Of Money
9 Maybe
10 Caravan Holiday
11 Rooftop
12 Maritim Belle Vue In Kiel
(日本盤ボーナストラック)


'98年のフジロックで新人バンドとして出演したステレオフォニックスは、今年、イギリスを代表するロック・バンドとしてフジのメイン、グリーン・ステージに凱旋した。

サポート・ギタリスト(モントローズ・アヴェニューの元メンバーだとか)を加えた編成で、'70年代のブリティッシュ・ロックを思わせる骨太で土臭い、まさに質実剛健なんて言葉がピッタリあてはまる演奏をくり広げた彼ら。スローな曲ではフェイセスを彷彿とさせ、ハーモニカをフィーチャーしたフォーク・ナンバーではボブ・ディランをも思わせる。そんなロックンロールに対する確信があるからこそ、彼らの演奏は、こんなにもぶっといんだろう。

これで、もうちょっと華やかさや、カラフルでポップな要素が加われば、僕はもっと好きになるんだけれど……、いや、ないものねだりは言うまい言うまい。最新作『ジャスト・イナフ・エデュエケイション・トゥ・パフォーム』でアピールした成長ぶりを、彼らはちゃんとステージにも反映させていた。派手さはないものの、今年のフジ・ロックの目玉の一つと言えるかもしれない。

▲Stereophonics
'98年のフジロックではまだ新人だった彼ら。この3年でバンドとしても大きく成長を遂げた







文●山口智男

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