【連載】Vol.013「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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読書の”春”!!今回はお薦め書籍2冊をご紹介。「世界のブルース横丁」「スー女のみかた」

ポール・マッカートニー来日前ということでこの春は「ザ・ライフ」「告白」「獄中で聴いたイエスタデイ」を読み返しながら、新刊書もいろいろ楽しんだ。そんな中からお薦めの2冊を今回はご紹介。ミック・ジャガー、キース・リチャーズの読書好きはつとに有名、真似しているのだ(笑い)。


まずはシカゴ時代にミックお願いでアコギ・ケースを市内の楽器店で探しまわった経験のある菊田俊介の登場。日本を代表するブルース・ギタリスト、現在はTOKYO在住。ココ・テイラーはじめバディ・ガイ、オーティス・ラッシュ、オーティス・クレイ、B.B.キングほか数多くの伝説のアーティストと共演経験をもつ。そんな彼が30年近いブルース・ライフの中でアメリカは勿論、欧州からわが国まで、世界中のブルース・スポットを案内してくれるのが『世界のブルース横丁』(リットーミュージック)。極上の一冊だ。その中には、Shunと何十回と同行したウィンディ・シティ、シカゴのブルース・クラブ。ココのLiveを堪能したビッグ・アップルのB.B.キングのお店。メンフィスやニューオーリンズの思い出のスポット。そしてShunのステージでMCさせてもらったTokyoのライヴ・ハウスなどなど。個人的メモリーがいっぱい詰まったスポットも登場してくる。11の章とコラムで構成されていて実に読みやすい。海外に行く際は絶対に携帯していきたい。

第1章やはり【シカゴ】。同地に20年以上住んでいただけにきめ細やかな案内が嬉しい。何度か参戦したシカゴ・ブルース・フェスティバル(特にレイ・チャールズやタイロン・デイヴィスには感動させられた)、住所がローリング・ストーンズの楽曲名にもなっている南ミシガン通り2120のチェス・スタジオ。そして、バディ・ガイ・レジェンズ、キングストン・マインズ(ここでMCしたこともある)、ブルース、ブルー・シカゴといったクラブ。閉店のため掲載はされていないがサウス・サイドのお気に入りスポットだったアーティス・ラウンジ、そしてShunとストーンズのウォーミング・アップ・ギグ(観客400人)を楽しんだダブル・ドア、そしてチェッカーボード・ラウンジなども忘れられない。


▲Photo by Mitsuko Todoroki

2章のメンフィスもいろいろな思い出あるけど、本書ではザ・キングことエルヴィス・プレスリーのグレース・ランドをはじめとしてビール・ストリート。同通りのB.B.キングのブルース・クラブ。サン・スタジオ、そして何度行っても大感動のスタックス博物館など、クラブ以外でも音楽ファンがぜひとも訪れたい名所をきちんと紹介してくれるのは嬉しい。


▲サム・ムーア、ステーヴ・クロッパー、ブッカー・T.ジョーンズのサイン入り

3章はニューオーリンズ。20年以上前にストーンズのライヴを同地で堪能したけど、フレンチ・クォーターでの音楽体験も楽しかった。4章以降はミシシッピ、全米、カナダ、ヨーロッパ…と続き11章は日本。わが国にこんなにも沢山のブルース・フェスがあることを初めて知った。そして各地のブルース・バーやライヴ・ハウス。“世界でも類を見ないブルース大国、ジャパン”と記されているように、全国津々浦々の数多くのスポットが紹介されている。MCやライヴ取材以外でももっと積極的に足を運びたい。そして最後の“直伝!ジャム・セッションに役立つ英会話&英単語”は世界を闊歩するブルースマン、菊田俊介の真骨頂だ。


▲ココ・テイラー&菊田俊介

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☆☆☆☆☆

続いてご紹介するのが湯川れい子さんの門下生、和田静香の実に爽快感あふれる『スー女のみかた 相撲ってなんて面白い!』(シンコーミュージック・エンタテイメント)。


国技といわれる相撲の魅力を彼女独自の素直で愛情に満ちた、そして何よりもロックなフィーリングに包まれた展開のなかで纏めあげている。様々な角度からスー女ならではの視点で、相撲の楽しみ方を教えてくれるのだ。知っているようで知らなかった、“女だけの相撲大会!”(和田女史は自らもしっかり稽古して出場したのだ)“相撲を支える伝統の職人芸~残したい、伝えたい”。もちろんポール・マッカートニーが本場所観戦したことにも触れている。そして"相撲と音楽~大相撲は総合エンターテイメント"では相撲甚句をブルース…、そのグルーヴ、大納得なのだ。ベテラン・ファンから入門者まで、女子も男子も楽しめる一冊として推薦!

新鮮な流れの中に書ききれないほど相撲の素晴らしさが噴出している。"両国お相撲散歩"はとっても役に立ちそう、近々このコースでウォーキングしてみよう。そして表紙には明武谷も登場、嬉しいです。

和田女史・著の「音楽に恋をして♪評伝・湯川れい子」(朝日新聞出版)もこの機会に推薦します。僕も自称、れい子先生の門下生…。


昭和30年頃からの相撲ファン。今でもいろんな手段(夜中のダイジェストとか)で大相撲を楽しんでいる。ストーンズみたいに特別この人がというのはないけれど、とにかく相撲が大好きで国技館には時々だけど足を運ぶ。もちろん和田女史と同じく午前中から。3人枡席で二人か一人でゆったり楽しむのが好きだけど、幕下まではやっぱり砂かぶりに…。最近は40年以上住んでいる所沢の出身、北勝富士に注目している。

阿佐ヶ谷の生まれで、近所の懇意にさせていただいたお菓子屋さんが若ノ花と貴ノ花の間の兄弟、若緑の応援団だったので花籠部屋に遊びによく行った。34年春、10代で三役に昇進した若秩父&読売ジャイアンツに入団した王貞治が雑誌撮影しているところをのぞかせてもらった。王さんは学生服姿だった。

高校時代、同い年で一学年上の貴ノ花と新宿のディスコティックthe otherで会った。中学が同じ第三学区、水泳(確かバタフライだった)で有名だったこともあっていろんな話しをした。関取になる前。その後、各界のホープとして人気者になった頃、「ミュージック・ライフ」誌上での"好きな音楽は"というアンケートに彼はこう答えた。「R&B、特にモータウン・サウンド」。

幼い頃は若ノ花が大好きだった。栃錦、千代の山、よく休場した吉葉山、双差しの鶴ヶ嶺、三根山、大起、大内山、安念山……。鳴門海の仕切りフォームはユニークだった。"大鵬、巨人、卵焼き"時代には柏戸を応援していた。50年代、ディスコ・イベントのMCで名古屋に行った際、同地では本場所中。ステーキ・ハウスでの我々の打ち上げに、もう寝てましたけどやって来ましたと、横綱・北の湖がジョイン。今日の夕食は早かったと、午後11時すぎだったけどステーキ500グラム&ウィスキー・ボトル1本(お湯割りで)をあっという間に、感動した。

60年ごろと記憶しているけど、MCしたあるイベントで“高砂部屋コーナー”があった。小錦がステージに立ち黒人ラッパー&ダンサーを従え「ドスコイ・ダンシング」を披露したのだ。そんな小錦と再会したのは(ここから西暦にチェンジ)1998年春、大阪ドームのバックステージ、ローリング・ストーンズ。場所中だったんだけど前年に引退したばかりだったので時間に余裕があったとのこと。ミック、チャーリ・ワッツがさかんにツー・ショットを撮りたがっていた(それより数年前、ジャズ・ライヴでソロ来日したチャーリーに相撲TIX依頼されたこともあったけど、スケジュールの関係で実現しなかった)。その後KONISHIKIとはいろいろなところで一緒になった。ハワイアン・ライヴのMCも何度か…。昨年4月、菊田俊介のライヴでMCをさせてもらったが、ゲストはROLLY。そしてROLLYと仲良しのKONISHIKIが客席にいたのだ。もちろん彼はステージに上がってくれて全くの即興で「Sumou Blues」、ライド・オンだった!


▲Photo by Kenji Oda

2003年12月、ストーンズのライヴDVD『フォーティー・フリック』プロモーション用のストーンズ・バス出発セレモニーに”ストーンズ公認大使“として引退したばかりの元関脇・安芸乃島(当時・藤島親方)が登場、テープカットを務めた。翌年1月の”安芸乃島・引退相撲“にストーンズのメンバーが招待されたが、残念ながら列席出来なかった。何を隠そう、そのセレモニー仕掛け人はMikeでMCも務めた。引退相撲にも出席させてもらった。

ということで今回はいろんな方面に話が飛んだけど、音楽関係以外で最近興奮したのが“久しぶりのヒグっちゃん”、今野敏・著「回帰」(幻冬舎)。今野氏は30年くらい前からの友人、近々ここに登場してもらって音楽談義する予定。彼は作家になる前は東芝EMI勤務だった。


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