【連載】Vol.111「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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ロンドンからブルージー&ロックなホットな4人組ザ・バッド・デイ・ブルース・バンドが日本へ上陸!!21世紀ストーンズ、2021年ヤードバーズの称号を授与する!BDBBアダム・リグ スペシャル・インタビュー


▲BDBB 左からニック・ペック アダム・リグ アンドレア・トレモラーダ サム・スプレンジャー

長く生きていると素晴らしい出会いが待っている。或る日の事、レコード会社のスタッフからこのオト聞いてみてくださいと1枚の視聴用サンプル郵送してきた。グループ名がThe Bad Day Blues Band。何というファンキーな響きのグループ名だろうと思いながら、早速聴いてみた。1曲目が僕の大好きなサム&デイヴの「Hold On(I'm Comin')」。サム・ムーアは大仲良しだし作者のデイヴィッド・ポーターとはかってメンフィスで話しをしたこともある。そのR&Bスタンダードを実にワイルドにロックに攻め込んでくる。この曲を初めて聴いてすぐ思った、この若いグループにインタビューしてみよう!アルバムをじっくりと楽しみ、併せYOUTUBEへアップしている彼らのライヴをチェックした。55年以上前にローリング・ストーンズやヤードバーズが登場した時に似たあの衝撃が我が老体に駆け巡った。ブルースをしっかりと自分たちの体内に浸み込ませそこから噴出してくるサウンドは紛れもなく正音楽道だ。



仕事とはいえ最近聴くニュー・アーティストのオトの90パーセント以上に対し残念ながら拒否反応を示してしまう。1960年代初頭からロックンロールと戯れ、ブルース/R&Bやカントリーの歴史を先人から叩き込まれ、1964年からストーンズを追いかけている僕の度肝を抜く若いアーティストがなかなか出現しないのは紛れもない事実だ。2021年早々、そんな爺の頑固なバリケードをハード&エキサイティングに切り刻みながら僕の心へ侵入してきたグループ、それがこのザ・バッド・デイ・ブルース・バンドだ。この2月にCD『テーブル・バイ・ザ・ウォール』(P-VINE/PCD-94014)で日本のファンの前に登場した。



BDBBは2017年に結成し今回初めてのフルアルバム、つまりファースト・アルバムをリリース。メンバーは4人は以下の通り。
●アダム・リグ=ヴォーカル ベース
●サム・スプレンジャー=ハーモニカ
●ニック・ペック=ギター
●アンドレア・トレモラーダ=ドラムス

そして僕はリーダー格のアダム・リグにいろいろと話を聞いた。今号はBDBBアダムへのスペシャル・インタビューである。



Mike:The Bad Day Blues Band日本デビュー・アルバム『Table by the wall』楽しんだ、何度も何度も聴かせて貰ったヨ。グルーヴ感溢れたブルージーでロックでエキサイティングなサウンド、大拍手を送りたい。1960年代、初めてローリング・ストーンズやヤードバーズのLPをターンテーブルに置いて汗をかきながら味わったあの瞬間と同じような興奮を覚えたヨ。キース・リチャーズやロニー・ウッドにアルバム聴いて貰ったかい? 彼らもきっと君たちを応援してくれると思うよ。
Adam:ありがとう。キースもロニーもきっと気に入ってくれはずだ。マイク、二人にこのCD渡してくれる(笑)。
M:OK!ではでは、インタビューを始めよう。僕も何度も行ったことがあるけど、マーキーや100 Club等で知られるソーホーから誕生したバンドと聞いているけど、The Bab Bay Blues Bandの結成からプロデビュー~アルバム。リリースまでの足跡を語ってください。
A:そう、僕らはソーホーでバンドを結成したんだ。当初は僕(アダム)とニック(ギタリスト)がAin't Nothin' Butというロンドンでもとても有名なブルース・バーに通っていて、そこで世界中からやって来る数多くのミュージシャンたちと僕ら二人は、ただひたすらジャムってたんだ。僕とニックは長年の友だちだから、そういった点は気楽だったよ。2017年のことだったな。そのうち僕らは自分たち自身のバンドを結成するのがいいんじゃないかって思い立ったわけ。ジャムで演ってるのと同じようなヴァイブがあって、粗削りで正統派だけど、ロックンロール寄りでもあるバンドをね。そこで僕らはバーでサム(ハーモニカ)に出会ってバンドに誘ってから、何人かのいろいろなタイプのドラマーたちを経て現在のドラマー(アンドレア)に落ち着いたんだ。それからはトントン拍子に進んで、僕らはThe 100 ClubやAin't Nothin'Butや Ronnie Scott's Jazz Club他ロンドンにある数多くの会場で演奏するようになったよ。BBCでも放送されたし、いくつかTV出演もして、その間アビー・ロード・スタジオでレコーディングまで果たした。たくさんの素晴らしい事があっという間に起こったんだよ。

M:バンド名 The Bad Day Blues Band/ザ・バッド・デイ・ブルース・バンドの由来は?
A:“ブルース・バンド”という言葉を入れた名前が欲しかったし、ちょっとアブナくてエッジの効いた感じも欲しかったんだ。雑誌やラジオ局は毎日のようにバンド名を間違えるんだよ!僕らは色々な名前で呼ばれててた。例えばザ・バッド・ボーイ・ブルース・バンドとか、ザ・ビッグ・ブルース・ボーイ・ブラザーズ(笑)みたいな言い間違いだらけさ。実はバンド名からブルース・バンドを外しちゃおうかとも考えてるんだヨ。まだ決めてはいないけどね。けど僕らの音楽を聴いたことのない人たちは、普通のブルース・バンドだと思ってる。でも僕らはそうじゃないんだよ。



M:レコード会社は“ブリテッシュ・ブルースの逆襲”といった中々粋なキャッチー・コピーを使ってBDBBをアピールしてます。自身がグループ自らの音楽性を表現するとすれば、どういった感じになるのかな。
A:ジャンルはほんとに信用してないよ。ミュージシャンは自分たちが感じたものを演奏してる、と信じてるんだ。僕らはブリティッシュだし、僕らの音楽はブルースに由来するけど、サウンドはいつも進化してるし、おそらくヘヴィーになってきていて、これは間違いなくブルースの型に嵌ってはいない。僕らの曲には大抵ハーモニカがあるから、それによって全てちょっとしたブルースのマジックが吹き込まれるけど、次のアルバムではとてもユニークな作品になるから、僕らがどのジャンルに入るんだろう、と皆思うだろうね!過去全ての偉大なアーティストたちはジャンルを超えていたし、僕らがどのようなスタイルの歌を作るのかということで、自分たちを型に嵌めたくないんだ。

M:アメリカのブルースを自分たちはどういった感覚で捉えて、そしてグループのサウンド・クリエイト基盤にしていますか。質問がちょっと抽象的すぎるかな……。
A:おそらく僕らはブルース・ロックの影響を受けた第2世代だと思う。僕らの両親たちはローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、クリーム、ジョン・メイオール、その他多くのバンドを聴いていた。そういった影響が僕ら世代に染み込んできたわけ。必ずしもアメリカンではないけど、クリームやビートルズやストーンズなど僕らが好きなブリティッシュ・アーティストたちは、アメリカン・ブルースや、リトル・リチャード、エルヴィス・プレスリー、ジェリー・リー・ルイスなど、ブルース由来のロックンロールにおそらく影響されてたしね。そういった理由で僕らには自然とアメリカン・ヴァイブが備わってるんじゃないかと思うよ。アクセントはそこら中とてもブリティッシュだけどね。

M:勿論アレクシス・コーナー、ジョン・メイオール1960年代のブリテッシュ・ブルースのムーブメントも貴方の音楽の基盤にもなっていますよね。



A:間接的に影響を受けているね。ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレーカーズ・ウィズ・エリック。クラプトンのアルバム『The Beano Album』には大いに影響を受けたし、僕らが大好きな作品。ああいうバンドに在籍したメンバーのソロやその他に在籍したグループから、おそらくもっと影響を受けてるよ。クリーム、ジャック・ブルースやエリック・クラプトンなど。僕らはそこからヴァイブを貰って、それをステロイドと一緒に注入して、ターボ・ブースター・ロケットに乗せるんだ!先日誰かが僕らをパンク・ロック・ブルースだって言ってたけど、それはクールだよ。そういったスタイルをアレクシス・コーナーやジョン・メイオールがどう思うかは分からないけどね!



M:アダム、キミのバイオグラフィーをお聞きします。まず生年月日&出身地から…。
A:1981年ハートルプールの生まれ。
M:音楽との出会いはどうだったの?
A:祖父とお祭りに行った時に、ビートルズの「Long Tall Sally」のイタリア盤レコードを買ったんだ。それは超クールだと思ったし、それからもっと音楽を発見したいと思ったよ。僕にとってビートルズは普通のミュージシャンと違って、殆どこの世のもじゃないみたいに見えた。今でもそれは変わらないし、僕の曲作りを毎日インスパイしてくれるよ。「Long Tall Sally」のレコード以前にいくつかテープで持ってたナァ。おそらく1980年代のものだね。子供の頃、ティファニーの「I Think We're Alone Now」という歌がテープに入ってたのは覚えてるよ。CDはほんとに集めたことがなかったけど、テープやレコードは大好きだったよ。



M:歌ったり楽器と接したりしたのはどんなきっかけ?
A:僕は最初ビートルズそれからクリームを聴いてたんだけど、少年ジャック・ブルース/ポール・マッカートニーになりたくて、11歳の時に安いベースを買って演奏し始めたんだ。自分の歌を書きたかったから、歌うことも始めなければならなかった。僕にとって彼らは史上最も偉大なベースプレイヤー&フロントマン。彼らはまず歌を作って、それを自身の声とベースの両方で素晴らしいメロディを届けるんだよ。



M:ロックとの出会いについて教えてくれる。
A:単なる偶然で初めてビートルズのレコードを買って、それからザ・フー、フリー、AC/DC、ツェッペリンなどの1960~70年代のバンドにのめり込んで行った。クリームは僕が演奏を練習する時に最も入れ込んだグループで、彼らのインプロヴィゼーションのスタイルは大好きだよ。

M:初めて体験したライヴは?
A:14~15歳の頃、父と一緒にハートルプールにある小さなブルース・クラブに足を運んで、ブルース・バンドをよく観てたよ。素晴らしいプレイヤーたちと、素晴らしい会場だった。またハートルプールにThe Nurseryというパブがあって、そこではいくつかの素晴らしいバンドが出演していた。小さな場所だったから、バンドを観る時は小さな会場、そして演奏するのは大きな会場が好きだった。するとビール・グラスがバー・カウンターの上で揺れるんだ。それから少し年上になってくると、友だちと連れ立って、ビッグなロックやインディーズのバンドをコンサート・ホールで観るようになった。それほど有名なバンドじゃなかったけどね。僕はいつも観るのは小さな会場、演るのは大きな会場が好きだ。

M:ブルースとの出会いについても語ってくれますか。
A:主にジミ・ヘンドリクスやクリームなんかのブルース・ロック・バンドを通してだったけど、実はロバート・ジョンソンや同時代の他のアーティストの古いブルースはよく聴いたよ。僕らのハーモニカ・プレイヤーのサムは、あの時代の本物のエキスパート。サン・ハウスやレッドベリーなど偉人たちの、アコースティックとハーモニカの作品のね。
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M:学生時代はグループを組んだりして音楽活動していたの。そうだったらどんな楽曲を演奏したりしていたの。
A:僕は11歳でベースを弾き始めて、最初のギグはベースとドラムスとギターのトリオだった。僕は14歳だったと思う。ハートルプールでの最初のギグで演奏したいくつかの曲はまだ覚えてるよ。「Crossroads」と「Hey Joe」、そして「Badge」だった。14歳にしては、いい歌のチョイスだね!

M:さっきの質問とダブルかもしれなけど、ここ数年でBDBBは一気にアルバム・リリースまで駆け上りました。その根源となったのはどんなパワー&意気込みだったんでしょう。
A:そうだなあ、うぬぼれに聞こえないように言うけど、おそらく僕の決意だよ。優秀だったり成功したりしている全てのバンドには、大きなギグやアルバムなどが目の間に迫った時メンバーをその気にさせるように背中を押す人物がグループ内に必要だと思うんだ。それは時には他のメンバーを苛立たせたりするかもしれないけど、最後はそれが正解だったとなるんだよ。これは才能があるだけでは十分じゃない。ギターや歌唱や作曲が素晴らしい人は世界中に溢れてるけど、それを欲して成功に向かって突き進んで、諦めない心構えが必要なんだ。僕らは前進し続けるし願わくば成功して僕らのクリエイティビティを世界中に分かってもらえたらいいな。とりわけ日本でね!



M:アルバム『テーブル・バイ・ザ・ウォール』は君たちの自信作だと思う。このアルバムの聴きどころ、魅力をガ~ンとアピールしてください。
A:『テーブル・バイ・ザ・ウォール』の出来には、僕らはとてもハッピーだよ。曲作りという意味において、とても力強いアルバム。全ての楽曲がよく出来ていて、曲ごとの魅力があるね。

M:アルバム・プロデュースはアビー・ロード・スタジオのエンジニア、クリス・ボルスター、ポール・マッカートニーとの仕事でも知られる。彼との作業はいかがでしたか。
A:クリスは一緒に仕事しやすかったし、実際アビー・ロードのスタッフたちは皆とてもプロフェッショナルだった。スタジオは素晴らしいセットアップだったし、全員が豊富な知識と経験を備えていて、あそこでレコーディングするのはグレイトだよ。



M:アルバム1曲目はサム&デイヴ「Hold on(I'm comin')」、エキサイティングなメンフィス・ソウル。この楽曲をここにもってきたことはグッド・アイディア。選曲理由なども教えてください。ダブル・ダイナマイトの他オーティス・レディングなどの1960年代メンフィス・ソウル、そしてサザン・ソウルもお好きそうですネ。
A:「Hold On(I'm comin')」は僕らがよくライブで演奏する歌で、いつも観客のウケがとても良いんだ。僕らのことを知らない人たちから注意を惹くために、アルバムにカバー曲をひとつ入れたくて、そうなると「Hold on(I'm comin')」か「I can't turn you loose」のどちらかということなんだ。ホーン・セクションのリフがハープ&ギターに乗って必殺の響きだよ!そう、僕らはソウル・ミュージックが大好き。サム&デイヴはグレイトだし、オーティス・レディングはサイコーだね。『Live at the Whisky a Go Go』は僕のお気に入りのアルバムだよ。



M:アルバム・タイトル・ソング「Table by the wall」はぐっとエキサイティングなアンサンブル。僕は半世紀前に味わった東京でのレッド・ツェッペリンliveを思い出したよ。ここから短めで構わないのでアルバム収録曲各曲についてコメントくれる。この2曲目の聴きどころは?
A:「Table By The Wall」のワーキングタイトルは「Black Coffee」だったけど、アルバムにマッチしたタイトルに変更したよ。ハンブル・パイの有名な「Black Coffee」という歌があって(これは僕も大好きな歌なんだけど)、この2曲をみんなに混同してほしくなかったし、それに壁際のテーブル(Table By The Wall)はおもしろいタイトルだったから、そのままアルバムのタイトルでいけるしね。醒めた恋愛のことを歌ってて、それを恋しく思い出してるんだ。別れた恋人は、ブラック・コーヒーやスウィート・メリー・ジェーン(これは彼女の名前じゃなくて、大麻のスラングなんだ)の味わい。情熱いっぱいの、この曲は大好きだな。



M:続いての「Bum it down」はアップ・テンポのエキサイティング&ブルージー展開。グループの尖ったキャラクターがよく出ている。いかにもセッションしながら誕生したという感じがするけど。
A:この曲はニック(ギタリスト)がセッションにいなかった時のヴァージョン、ハーモニカのリフから始まったと思う。異なった構成にしたかったのを覚えてるよ。だから普通じゃない流れがあって、僕らが演奏する歌の中ではへヴィなほうだね。

M:4曲目「Fatman」はスウィンギーでタイトなブルース・ロック。このスタイル、BDBB の得意とするところ、でしょう?
A:そうだね。とてもブルージーな構成が下地にある。ただしコード進行においては、コーラスはブルースというよりロックだよ。所々にあるニックのスライド・ギターが、うまくハーモニカに乗ってるようだね。僕が歌詞を書いてベーシックな構成をアコースティック・ギターで作ってから、みんなでスタジオ入りして、クールでブルージーなイントロを加え、そいつをロックしたんだと思う。



M:「Be careful what you wish for」はこれまでの収録曲とちょっと雰囲気が違ってシンプルな流れの中で貴方が歌う。ビートルズにインスパイアされて生まれた作品ということだけど……。サムのハーモニカも実にいい味を出している。
A:そのとおりだよ!ビートルズの「I've Got a Feeling」みたいに、すこしハーモニーがオーバーラップする歌が僕は欲しかったんだ。だから歌の最後に向かってハーモニーのオーバーラップがあって、そこはアルバム全体の中でも僕のお気に入りのひとつだよ。これはブルース・ロックというより間違いなくポップ・ロックだと思うし、だからこそ他の楽曲とは一線を画してるんだ。人生でどんなに辛いことがあっても、それらを後悔しないという歌だよ。




M:再びBDBBらしいブルース・ロック「Hurricane」。貴方のヴォーカルとコーラスの駆け引きが聴きどころでもあったりします。
A: ここでは僕がバッキング・ヴォーカルもやっていると思う。これまでの僕らの曲の中で最も人気のあるもののひとつ。レコーディングではしばしば僕が全てのヴォーカルを担当するけど、ライヴでは他のメンバーも歌うよ。「Hurricane」は熱い人間関係とそれがもたらすトラブルや喜びについて歌ってる。

M:7曲目「Stop」は懐かしのサウンドを彷彿とさせるシンプルでストレートな展開。若い音楽ファンにはとても新鮮だったりするのかもしれない。どう思う?
A:そう、ちょっと今ふうなサウンドだね。多くの人たちが、この曲をポリスやスティングになぞるけど、それはベースがドライヴしてるからだと思う。素晴らしいコーラス!ある雑誌は、この歌はこれから何世代にも歌い継がれるだろう、と書いてくれたんだよ!そうあって欲しいなあ。自分たちが望むサウンドになかなか辿り着けなくて、僕らはミキシングとマスタリングに多くの時間を費やした。最終的に僕らは皆その出来に満足だったし、何度も聴き返してる歌の一つだよ。

M:続く「The Hustler」はハープで始まるブルース。アンドレアのドラムスもすっごくタイト。ニックのギターもエキサイティング。勿論キミのヴォーカル&ベースもより輝いているヨ。



A:僕らはこの曲をスープ・スタジオっていうロンドンのボートの上のクールなスタジオで、一日で全てレコーディングしたんだ。フェンダー・ベースマン・アンプや1950年代のマイクなど、古いヴィンテージの機器を使ってね。リフはとても耳に残りやすくて、ライヴで演奏するのにクールは1曲。ライヴで演奏しながら同時に歌うのはトリッキーだけど、とても楽しんでるよ!この歌は、自分のやり方を通そうと人生で悪戦苦闘して、多くのトラブルに巻き込まれてしまう、陰のある人物についてだよ。

M:「Wandering man」、これまたグルーヴ感溢れたブルース作品。ストーンズにカバーして貰いたい(笑)。マジにこの楽曲で改めて貴方ブルース愛を強烈に感じたヨ。素晴らしい楽曲だ。
A:ハハハ!これはローリング・ストーンズの歌かい? と、沢山の人たちから訊かれるよ!でも僕は元々この曲をアコースティック・ギターで書いて、それをバンドのフル・メンバーでロックして仕上げたんだよ。ストーンズっぽいヴァイブがあるのかな? ストーンズだったら、素晴らしいヴァージョンになること間違いなし!ストーンズがカバーしてくれたら、まさにグレイトの一言だよ!



M:10曲目はイントロからしてもうブルース、エキサイティングな「Jump」。ライヴでより盛り上がりそうな曲、聴きどころをアピールしてください。歌詞もブルージーだ。



A:まさしく観客ウケする曲で、いつもコーラスでみんな一緒に歌うんだ。ちょっぴり「La Grange」あるいは「Boom Boom」みたいで(どちらも似た曲)、良い感じのシャッフル・ソング。ライヴのセットリストには必要だし、アルバムにうまく収まって、ブルース好きの人たちには耳馴れた曲が提供できた。これは恋愛中の女性について、といったところだね。

M:アルバムが進んでいくうちにBDBBのブルース・バンドとしての魅力がどんどんとエクスプロージョンしていく。ハードなロック・サウンドとブルースのコンバインが魅力的な「Forget」。聴きどころは?!
A:そう、クールな歌だよ、もちろん。ヴァ―スは12小節のブルース構成だけど、コーラスで転調してロック・リフになるんだ。僕らがこれをライヴで演奏する時は、中間部分でギター対ハーモニカのバトルになる。闘いだよ!歌詞もいいんだよ。失恋を忘れようとするけど、そうすることが出来ないという内容。



M:そしてアルバムとしてのラストは「Luna rooms」。スローで雄大なバラード。サザン・ロック・タッチなスワンプ・ロックとも呼びたい作品。その楽曲が中盤から一転してハードなサウンド展開へと変貌、見事な構成だ。エンディングでは勿論スローに戻る。まさにフィナーレ!このアイディア誕生秘話は?
A:僕はアイク&ティナ・ターナー・ヴァージョンの「Proud Mary」みたいな構成の歌が欲しかった。スローに始まって、途中で一転するのが大好きでね。よくあるケースだけど、元々の歌の感じで始まるけど、「Proud Mary」とは全く別の曲みたいになって終わってる。アップ・テンポのところはパンクとブルースとロックの三つ又かな? 気分が落ち込んでる時に行きたい家族経営のバーみたいな場所についての歌だよ。



M:日本盤アルバムのボーナス・トラックとしてライヴ・ヴァージョン「Hoochie Coochie Man」収録。御大マディ・ウォーターズで有名だね。
A:これは僕らがバンドとして演奏した最初の曲。僕がソーホーでブルースをジャムってた時にいつも演奏してた曲だった。僕らのヴァージョンはオリジナルよりも明らかにもっとロックだけど、マディ・ウォーターズっぽいヴァイブも所々留めるようにしたよ。僕らがブルース・バーで演奏して、出番が長時間だったら(時々3時間)、こういった曲をたくさん演奏するけど、フェスティバルで出番が短い時は、僕ら自身の曲を通常は演奏する。



M:BDBB3人のメンバー紹介お願いします。
A:OK、紹介させて貰います。

●サム・スプレンジャヤー…ハーモニカ



サムはクラシック音楽教育を受けていて、ブルースの豊かな知識がある。彼はサイドル・ハーモニカから支援されている。28歳でディサローノを飲むのが大好き!

●ニック・ペック…ギター



ニックはロック大好き人間。ガンズ・アンド・ローゼズからビートルズからブルースブレイカーズまで、彼はあらゆるギター・ミュージックに幅広い嗜好がある。グループいちばんの速弾きで、彼はワイルド・カスタム・ギターズから支援を受けている。

●アンドレア・トレモナーダ…ドラムス



アンドレアはバンド内で最も新しいメンバーで、イタリア出身。彼はルーカス・ドラムスの支援を受けている。

M:BDBBのこれから、将来の目指すところは? 早くもセカンド・アルバムにとりかかっているということも聞いています。
A:僕らはセカンド・アルバム用の曲をほぼ書き終えてるよ。すごくスペシャルなものになる。今はちょっと秘密なんだけど、僕らがどのジャンルに入るんだろう、と更にみんなを考えさせることになる、ということは言えるよ!僕らはソングライターとして常に向上し続けるし、僕らの友情がこのグループを力強いものに保ってくれる。僕らは更に多くの国々をツアーしたいし、特に日本でツアーできればスゴイことだよ!もっとフェスティバルで演奏したいし、より多くのクールな人たちと新しく出会いたいんだ。
M:コロナ禍が終焉し一日も早いBDBBのLIVE IN JAPANを願っています。
A:インタビューして貰ってありがとう、マイク!!Keep Rockin! BDBD



※協力:S.YOSHIDA

【映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』5月公開!!】



“Lady Soul” “Queen of Soul “アレサ・フランクリン。僕は1960年代後半から半世紀に亘って彼女のソウルフルな歌声を堪能してきた。勿論最初は1967年初頭の「I Never Loved a Man(The Way I Love You)」、このナンバーはBillboard誌Top Selling R&B Singlesで7週1位を記録する大ヒット。それまでのポピュラーからR&Bにスタイルを変え一躍スターとして注目された。その後もオーティス・レディングのカバー「Respect」など100近いチャート・イン・ナンバーがある。幼い頃から父親の教会でアレサは歌っていた、そのルーツはゴスペル・ミュージックだ。
1972年1月13、14日ロサンゼルス/ニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会でコーネル・デュプリー(GTR)チャック・レイニー(BS)バーナード・パーディ(DS)ケン・ラッパー(ORG)パンチョ・モラレス(PERC)サザン・カリフォルニア・コミュニティ・クワイア をバックにアレサは感動的ライヴを敢行、その模様は二枚組アルバム『Amazing Grace』としてリリースされた。このアルバムはベスト・セラーを記録、Billboard誌TOP LP‘Sで7位、同誌R&B Album Chartで2位。ダブル・プラチナムを記録した。またこのライヴ・レコーディングの模様はシドニー・ポラック監督の下、映像にも収められていたが、諸事情によりお蔵入りとなっていた。2018年8月16日アレサ・フランクリンは76年の生涯にピリオドを打った。同年11月12日ニューヨークで開催されたドキュメンタリー映画祭(DOC Film Festival)でこの未公開フィルムが初公開された。驚くことに二日間シューティング・フィルムの後半には観客としてローリング・ストーンズのミック・ジャガー&チャーリー・ワッツが映し出される。翌2019年4月欧米で一般公開。ストーンズNo Filer US Tour中の同年8月には米国でパッケージ・リリースもされた。そして2021年5月、『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』として本邦で映画公開されることが決定したのだ。



予告編:https://www.youtube.com/watch?v=WZJtU03FAAA
写真:2018(C)Amazing Grace Movie LLC
撮影:シドニー・ポラック『愛と哀しみの果て』 映画化プロデューサー:アラン・エリオット
出演:アレサ・フランクリン、ジェームズ・クリーブランド、コーネル・デュプリー(ギター)、チャック・レイニー(ベース)、ケニー・ルーパー(オルガン)、パンチョ・モラレス(パーカッション)、バーナード・パーディー(ドラム)、アレキサンダー・ハミルトン(聖歌隊指揮)他
原題:Amazing Grace/2018/アメリカ/英語/カラー/90分/字幕翻訳:風間綾平
2018(C)Amazing Grace Movie LLC 配給:ギャガ GAGA★ 公式サイト:http://gaga.ne.jp/amazing-grace/
5月28日(金) Bunkamuraル・シネマ他全国公開

そして映画公開の少し前の5月12日には映画の基盤ともなったライヴの模様を完全収録した2枚組アルバム『至上の愛~チャーチ・コンサート~<完全版>』(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-18413/4)がリリースされる。5月に入ったらこの2枚組をしっかり聴き込み、大きなスクリーンでアレサのゴスペル・シーンを堪能したい。



【書籍紹介】
◆『調子悪くてあたりまえ近田春夫自伝』(リトルモア)



近田春夫といつ知り合ったんだろうか、よく憶えてないけどもう何十年もの前のこと。僕の中で彼はゴキゲンなミュージシャンで偉大なるプロデューサー&ソングライター、そして悔しいけれど僕なんかよりぐっと音楽に博学なミュージック・ライターなのである。そう彼はDJやMCだってとってもカッコいいのだ。そんな近田選手が古希を祝って本書を上梓した。まさに自伝、生誕から今日までのミュージック・ヒストリーをプライベート・ライフを鏤めながら克明に記録。まさに近田人生記録なのだ。読み終わって改めて彼の音楽へのLOVE、精通ぶりに感激した。僕は読書しながら気になるところにポストイットする癖があるけど、今回はそれが70にも及んだ。同学年、そして音楽業界をほぼ同じ年月泳ぎ回っているだけに共通の知人、友人も多く登場してくる。そして何よりも本書の魅力は、読んでいて頭の中でサウンドがどんどんと聴こえてくるということだ。1960年代から今日までの邦洋ミュージックの足跡をしっかりと著わしている音楽史書である。別の言い方をさせて貰えば、音楽がもっともっと好きになる一冊。読書後思わず彼に電話してしまった。「今度インタビューさせてくれない!?」「モチ、OK!!」春になったらゆっくり会いたいと思っている。『調子悪くてあたりまえ近田春夫自伝』、“マイ枕頭の書”に仲間入りを狙っている新刊書だ。



【Mike's Treasure Box VOL.6】
☆ジョン・コルトレーン


▲ジョン・コルトレーン来日公演プログラム from Mike's Collection

1960年代中期から僕は海外アーティストの来日公演をどんどんと楽しむようになった。1966年は何といってもビーチ・ボーイズ、ビートルズが印象深かったけれど、もう一つのステージも忘れられない。そう、ジョン・コルトレーン・クインテット公演だ。当時高校生だった僕はジャズもよく聴いていた。武蔵野小金井にこうこうがあったので授業終了後“スイングジャーナル”を手にして吉祥寺の“ファンキー”に時々行った。ショートホープをふかしながらダンモに酔いしれた。そうして7月19日、新宿厚生年金会館2階でコルトーンのライヴを味わった。ジャズ入門者だったけれどその素晴らしさに感動。そんな思い出を後年、親しくさせて頂き何十回と酒を飲み交わし、新宿メトロ副都心線開業を記念したイベント「NEW Shinjuku Jazz Scramble」他多くのイベントでも共演した故・岩浪洋三さんと語りあった。コンサート終了後に会場で購入したプログラムは大切に保存、時々読んだりもしている。ここには岩浪さんはじめ植草甚一さん、本多俊夫さん、福田一郎さん、糸居五郎さん、相倉久人さん、広瀬勝さん、久保田高司さん、町尻量光さんらのコルトレーン魅力稿が掲載されている。残念ながら僕の観に行った日ではないけど、その後コルトレーン・ライヴ・イン・ジャパンがCD化された。1967年7月17日逝去、享年40。


▲当時のコルトレーン発売元キングレコード制作の4頁チラシ from Mike's Collection

【Mike‘s Work VOL.6】
☆T・レックス「テレグラム・サム」


▲from Mike's Collection

1970年代前半UKロック・シーンでグラム・ロック(魅惑的、グラマラスから由来)が台頭した。ハデハデ、煌びやかなファッション、メイクでサウンド云々というよりは見た目によるイメージでグラム・ロックは注目されたけど、彼らのクリエイティヴなサウンドはしっかりとロックしていて多くのファンから注目を集めた。特にマーク・ボランのT・レックスが先駆者で1972年初来日は実に印象深かった。実は彼らがまだティラノザウルス・レックスと名乗っていた頃のアルバム・ライナーも書いたけど、僕は彼らがとても好きだった。初来日前にリリースされたこのナンバーは本国でも大ヒット、ニュー・ミュージカル・エクスプレス/シングル・チャート(TOP30)では1月29日付12位に初登場、2月5日付2位、そして2月12日付で見事ナンバー・ワンに輝いたのだ。このシングルのライナーは故・石坂敬一さんからの依頼だった。彼はラメteeに革パンツ、マニュキュアというスタイルでキメて放送局や雑誌社をまわってプロモーション活動していたんだ。このライナーのヘッドで“T・REXTASY!”と記したけど、このフレーズは旧テレ朝通り”スピークロー”で石坂さんと呑んでいる時に浮かび上がった。


▲from Mike's Collection

グラム・ロック・ムーブメントの中ではデイヴィッド・ボウイ、シルヴァーヘッド、ゲイリー・グリッターといったところが僕には思い出深い。そしてミック・ジャガーを初めて生見した時のコスチュームもすっごくグラム・ロックだったのだ(ストーンズ1973年1月のハワイ公演)。

【湯川れい子 洋楽裏話 千夜十夜 with マイク越谷】
“第二夜 マイケル・ジャクソン~冬の午後のマイケル秘話”



日本のポピュラー・ミュージック・シーンをリードして60年。数多くの洋楽アーティストと交流を重ねてきた湯川れい子さん。所属していた日本のレコード会社の社長も会ったことのないアーティストも何人か…。そんな湯川さんの長い歴史の中でも、これだけは話しておきたいという秘話を、今だから仲の良い友人やゲストを交えて、あんな話、こんな話、涙が止まらない思い出の数々などを貴重な音源や映像を交えながのトーク・セッションです。

第二夜は前回に続いてマイケル・ジャクソン!そう、昨年11月の第一夜ではご紹介しきれなかった秘話がまだまだあります。その日ご来場いただいた皆さんから“アンコール”のお声を頂き急遽マイケル再登場。今回のゲストもすごいのです、1991~96年マイケルのバック・ダンサーとして活躍したユーコ・スミダ・ジャクソンさん。



彼女はジェームス・ブラウン、ミック・ジャガー、プリンスほか多くのビッグ・アーティストとも“共演”しています。マイケルの素顔をじっくり語ってくれるでしょう。
そしてマイケル・ファンにはお馴染みソウル・ミュージック界の重鎮・吉岡正晴さんも第二夜に登場なのです。湯川さん&Mikeはミスター・アーリーバードと半世紀の付き合い、彼はマイケルの家にも行ったことあるんだってWOW、どんなマニアックなトークが飛び出すか、乞うご期待。



今回もteeプレゼント・コーナーで盛り上がりましょう!アルコールのいける人はお好きなお酒を手に。飲めない人はソフトドリンクで。お食事もありますヨ。そうそう「今のうちに聞いておかないと、損するよ!!」とれい子さんが言っていま~す。
◆ナビゲーター:湯川れい子@yukawareiko
       Mike Koshitani https://www.barks.jp/keywords/mikes_boogie_station.html
◆お客様:ユーコ・スミダ・ジャクソン https://cellulam.co/yuko-sumida-jackson/
    吉岡正晴 https://note.com/ebs
◆日時:2021年3月28日 日曜日
OPEN 13:30 / START 14:00
◆入場料:予約¥3000(+お飲み物¥600 アルコールもご用意してあります)
▲お食事もございます
◆予約サイト
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/reserve?event_id=167820
◆お問い合わせ:LOFT9 Shibuya
TEL: 03-5784-1239(12:00-22:00)
http://www.loft-prj.co.jp/loft9/ 



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