【音楽ギョーカイ片隅コラム】Vo.11「親になっても諦めない。子連れでフェスろう!(1)」

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親になっても音楽が好きなことに変わりはありませんよね。むしろ、身動きが軽くできなくなったことによって、ライブへ行くことに恋い焦がれるような思いになることも多々あります。

◆グラストンベリー・フェスティバル画像

理解あるご家族をお持ちであれば、どなたかに子を預けて出かけることもできるかもしれませんが、子によっては母乳しか受け付けないというこだわりベイビーもいますし、事情があって人に預けることができない場合もあるでしょう。また、妻に子を預けて自分だけ遊ぶことに後ろめたさを感じてしまうお父さんや、子を誰かに預けて遊びに出かけることに気がひけてしまっているお母さんもたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

これらの悩みを一気に解決できるのは、子と一緒にライブへ行くことでしょう。もちろん、新生児を連れて長時間外出などはできませんし、健康問題を抱えている場合には難しいこともあると思います。また、演出の都合によって、児童の入場を制限する公演も多く、チケット代を徴収する年齢設定も様々ですし、たとえ入場が許されている場合であっても子がある程度自分コントロールができるようになるまでは待つべき公演もあるかもしれません。

母となってまもなく1年経ちますが、ライブに限らず、子にとっても親にとっても無理なく楽しめる空間は探せば案外多くあるということが段々とわかってきました。ただ、そう思えるようになったのは最近のことでして、ちょっと頑張ってあることを成し遂げた後の、視野が広がってからのこと。私が「ちょっと頑張ったこと」とは、2か月前に実行した“子連れフェス・デビュー”です。


様々な音楽で溢れているフェスであれば、多少子が泣いたとしても周囲の雑音同様に致命的な演出効果の妨げになることはないでしょうし、一般的なコンサート・ホールと違って全体のスペースが広い分、バギーで動いても他の人の迷惑にはならなさそうだと考えました。そして、キッズ・スペース的な休憩所が設置されていれば乳児連れでも乗り切れるのではないかと思い、ギリギリまで悩んだ末に0歳児での参戦を決行しました。

私自身、ロックが好きで、学生であった19歳の時、FUJI ROCK FESTIVALの嵐の第1回に参戦し、それはそれはこっぴどく、ロック洗礼を受けました。その後もめげることなく音楽ギョーカイに身を置き、UKロック好きが高じて英国へ留学、帰国後も妊娠前まではフェス現場でもお仕事をさせていただいてきたような者からすると、親になったからライブへ行くのを諦めるという選択肢はありませんでした。ただ、いつから参戦できるかな? という不安や疑問が大きくあったのは確かです。

私の好きなロックはとても魅力的な音楽であるにもかかわらず、残念ながら(一部の音楽学校を除いては)学校では教えてもらえませんので、子に伝えたい場合には自ら率先して体験できる環境作りをしなければなりません。目に見えないものの力を知ること、信じること、感動すること。これらを体感できる音楽に触れることで、心豊かなイケてる男子になるように教育していきたいと考えている以上、その目的達成のためには体感すること、つまりライブ観戦を軸とした教育が不可欠です。


CDなどの記録媒体を通じても大いに楽しめるのが音楽の良いところではありますが、「やっぱりライブが一番!」と信じて止まない母のもとへやってきてくれた我が子には、彼に受け継がれた遺伝子の一部を形成したとも言える母の大好きな音魂を、本物を、臨場感込みの生音で聴かせたいのです。幸運にも、息子には細胞レベルの段階からストーンズ、ポール・マッカートニーを聴かせることができました。

幼い子をつれてライブに行くことは、その子にとって良いことなのだろうかという問いを抱く人も大勢いることでしょう。

そうです、これは親である私の我が儘です。いろいろと御託を並べましたが、単に、私が息子とライブへ、フェスへ、行きたいのです。だって音楽が好きだから。一応、参戦前日には「すまん、息子よ。付き合ってくれ。でも、君が一生自慢できる、または、一生ネタにできるように気を配ってライブ・デビューを飾れるようにするから安心したまえ」という断りを入れ、当日は彼のお気に入りたまごボーロをちょっと多めに口の中へ投入しましたが、息子がフェスを楽しめたかどうかはさっぱりわかりません。言葉でコミュニケーションが取れるようになったら聞いてみるつもりです。


私の周囲にも、親になったことで、これまで足繁く通ってきたライブやフェスに行けなくなった、または、行かなくなった人は大勢います。行かないことを自身の選択として納得しているのならよろしいことですが、子の存在のせいにしてしまうのはあまりにも悲しすぎます。もちろん、独身の頃のように簡単なことではありません。すべては無理だとしても、諦める必要はないはずですし、実際、私は子連れフェスを大いに楽しむことができました。今の日本にはその環境があります。

秋を象徴する朝霧JAMやLOUD PARKも終わり、冬フェス、そして来年のフェスが続々発表となる正月もすぐそこです。次回は来年の夏に子連れフェス・デビューをお考えの方、または、育児を理由にフェス不参加になってしまっているフェス仲間をお持ちの方に向けて、0歳児の子連れフェス参戦にまつわる今夏の体験談を<参戦前準備>と<本番当日>の2回に分けて綴ります。


◆早乙女“ドラミ”ゆうこの【音楽ギョーカイ片隅コラム】
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