いい音爆音アワー vol.86 「新しかった♪モノと音楽」

ツイート
爆音アワー
いい音爆音アワー vol.86 「冬に聴きたい♪女性シンガー特集」
2018年1月17日(水)@風知空知
“New York”:英国がこの地をぶんどったときの国王、ヨーク公ジェームズ2世の「ヨーク」という公爵位にちなんで。1664年命名。
“New Orleans”:ここはフランス領で、ルイ15世の摂政オルレアン公フィリップ2世にちなんで。1718年命名。
“New Zealand”:1642年にこの島を発見したオランダ人が”Sea Land”の意味を持つオランドのゼーラント州 (Zeeland) にちなみ、”Nieuw Zeeland”と名づける。
ことほど左様に、”New”と言いながら実はとっても”Old”なモノは世の中にたくさんあります。その時は新しかったから素直にそう名付けたのでしょうが、時が経てば、新しいものも当然古くなりますからね。
まあ地名はもうそこから意味は消えてしまい、単なる記号になってしまっていますが、中には”New”、”新”とついているがゆえに、かえって時代を感じてしまうという、哀愁感漂うモノもありますね。
新年に当たって、音楽にまつわる”New”や”新”、探してみました。

福岡智彦 (いい音研究所)

セットリスト

▶New Music
誰が言い出したかは諸説あるようですが、かなりセンス無いよね。「新しい音楽」って広過ぎ(笑)。まあ「J-POP」もひどいけど。
ともかく1970年代前半に出てきた、「フォーク」の範疇に入らない”フォーク/ロック系の音楽”をこう呼びました。「J-POP」がとって代わる90年代半ばまで使われます。
吉田拓郎「結婚しようよ」をその始まりとする説が多いみたいですが、私は、それまでのフォークを「四畳半フォーク」「貧乏くさい」と断じた荒井由実(1973年11月デビュー)がその嚆矢だと思います。
  • 松任谷由実「A Happy New Year」
    まっすぐに伝えたいことをまっすぐに唄う。
▶New Soul
60年代までの、ソングライターが提供するラブソングなど、コマーシャルでシングル中心のソウル・ミュージックに対し、自作自演、アルバム中心、社会性のあるテーマ、と正反対の姿勢を打ち出した70年代の一派。ただし、これは日本だけの独自カテゴリーのようです。
Marvin Gaye (1939/4/2 - 1984/4/1)、Curtis Mayfield (1942/6/3 - 1999/12/16)、 Donny Hathaway (1945/10/1 - 1979/1/13)、Stevie Wonder (1950/5/13 -)の4アーティストが”四天王”と呼ばれました。
  • Stevie Wonder
    「I Just Called to Say I Love You(心の愛)」
    “No New Year's Day to celebrate…”という詞で始まります。
▶Neo Soul
こちらは世界的に通用するジャンル名。D’AngeloとErykah Baduを世に出し、モータウンの社長を務めた(1997 - 2004)キダー・マッセンバーグKedar Massenburgが1990年代後期に作り、商標権を持っている言葉で、伝統的なソウル・ミュージックの精神を持ちながら、ジャズ、ファンク、ヒップホップ、エレクトロなどの要素を取り込んで、サウンドを進化させているアーティスト/音楽に対して使われます。
80年代 Sade, The Brand New Heavies, Soul II Soul…
90年代 Erykah Badu, D'Angelo, Lauryn Hill, Jamiroquai, Alicia Keys, Maxwell…
00年代 India Arie, John Legend, Amy Winehouse, Amos Lee, Corinne Bailey Rae…
10年代 Fitz and The Tantrums, Hozier, Solange, Nao…
  • John Legend「Used To Love U」
    「ラ・ラ・ランド」出演もこなした多芸才人。
▶New Wave
1977年8月、英「Melody Maker」紙が、XTCやスクィーズなどを紹介する記事の中ではじめて使ったという説があります。
流行は1970年代後半から1980年代初頭にかけて。パンク・ムーヴメントの後、パンクの要素を内包しつつ、詞曲・サウンドはより複雑に、シンセや電子楽器を多用し、スタイルやアート性、多様性を重視する傾向にありました。
オルタナティヴ・ロック系:Echo & the Bunnymen, The The…
ゴシック・ロック系:The Cure, Corteau Twins…
パブロック系:Elvis Costello, Graham Parker…
パワー・ポップ系:The Pretenders, Joe Jackson…
ネオアコ系:Aztec Camera, Everything But the Girl…
エレクトロ・ポップ系:Tears For Fears, XTC…
ニューロマンティック系:Visage, Duran Duran…
インダストリアル系:Throbbing Gristle, Cabaret Voltaire…
ブルー・アイド・ソウル系:Culture Club, The Style Council…
レゲエ系:The Police, UB40…
エスニック系:Adam and the Ants, Wow Wow Wow…
米国系:Talking Heads, Televsion…
  • XTC「Making Plans for Nigel」
    この曲のヒットでようやくコンサート会場が埋まるようになった。
▶New Romantic
New Waveの内の一派として1980年初めにロンドンやバーミンガムのナイトクラブシーンから登場。グラムロックの流れを汲んでファッション性を重視しました。
Visage, Duran Duran, Spandau Ballet, A Flock of Seagulls, Culture Clubなどで、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンの中心となったが、81年末にはもうブームは去っていました。
  • Ultravox「New Europeans」
    サントリー角瓶のテレビCMに使用され、日本での認知度が高まった曲。
▶吉本新喜劇
・1959年3月1日、吉本興業とMBS毎日放送との共同事業で「吉本ヴァラエティ」として発足。「テレビ時代をにらんだ新たな演芸のビジネスモデル」として育成されました。1964年6月に「吉本新喜劇」が正式名称になるが、当初からその呼び名はあったそうです。
・うめだ花月での公演は毎日放送で「花月爆笑劇場」として土曜日の12時から放映され、1965年からは、なんば花月での公演が、朝日放送で「お笑い花月劇場」として土曜日の13時から放映されました。
  • Pee Wee Hunt「Somebody Stole My Gal」
    朝日放送「お笑い花月劇場」のテーマ。現在の「よしもと新喜劇」もこちら。
  • コロムビア・オーケストラ
    「生産性向上のためのBG音楽 工場向け第一集その5」
    毎日放送「花月爆笑劇場」のテーマ。
▶ニューミュージック・マガジン
「新しい音楽に対する新しい評論」というコンセプト。ジャンルの「ニューミュージック」と違い、こちらは真っ当ですよね。
1969年4月、中村とうよう、飯塚晃東、田川律らによって創刊。
1971年、誌上で「日本語ロック論争」が展開。
1980年、現「ミュージック・マガジン」に改称。これも正しい!
  • はっぴいえんど「春よ来い」
    「ロックは英語で唄うべき?」なんて、世界で一番英語がしゃべれない日本人がマジメに論争していたらしい。
▶アーティスト名に”NEW”があるシリーズ
  • New Musik「This World of Water」
    ここにもニューミュージック(^^)。
  • New Order「Round & Round」
    “order”には”秩序”という意味と、”部隊”という意味があります。
  • New Cool Collective「The Bouncer」
    オランダ発、世界各地のフェスを席巻する熱いグルーヴ。
  • Edie Brickell & New Bohemians「What I Am」
    発売当時はけっこう話題になり、実力もあったのに、その後どうした?。
  • Prince and the New Power Generation
    「Sexy M.F.」
    例のマークがタイトルのアルバムより。
▶作品名に”NEW”があるシリーズ
  • Leonard Bernstein指揮/New York Philharmonic「ドヴォルザーク作曲 交響曲第9番ホ短調 作品95「新世界より」第3楽章:モルト・ヴィヴァーチェ」
    「いい音爆音アワー」の初クラシック!いい音&爆音で素晴らしかったです♪
  • Electric Light Orchestra「So Fine」
    この時有名な円盤ロゴが初登場。ここからELOの快進撃が始まりました。
  • CHAI「N.E.O.」
    元気で”NEOかわいい”女の子たち。今人気急上昇中だそうです♪
  • U2「New Year's Day」
    この曲聴くといつも、雪景色が浮かび、ボノの白い息が見えてくるのです。
                        
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス