【連載】中島卓偉の勝手に城マニア 第100回「中世の山城ベスト10」

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お陰様でこの「勝手に城マニア」のコラムも100回目となりました。継続は力なり、と思いたいところではありますが、一切波の立たない海で一人で船を漕ぎ続ける、まさにこの音楽業界で21年やり続けて来た感覚と同じ想いで、ひたすらに城マニアっぷりを発揮しながらこのコラムを書いて来たわけであります。だってスタッフはみんな、「卓偉の自己満足で良い」って言うんですもの。

さて、そんな100回目の今回は、紹介して来た城の中で、中世の城、主に中世の山城のベスト10をやってみようかと思います。

中世の山城は所謂土塁の城でありまして石垣の城は少ない。空堀、土橋、堀切が基本。天守閣もなく、というか天守閣を立てるという発想がまだ無い時代。紹介するのは基本1400年代、新しくても1500年代半ばくらいまでの城を紹介したいと思います。

今までたくさんの城を見学してきましたが、中世の山城の土塁の城が一番好きだなと自分で気付きました。徳川幕府が天下統一をした1600年以降に建てられた城はほとんどが石垣の城ですが、戦いの時代が終わり、自分たちの治めている領土を守る為に建てられており、守る城というよりは見せる城という感じが出てきます。中世の城は思い切り戦国時代に、明日敵が攻めて来て滅ぼされるかもしれないという危機感が城に滲み出ています。なので作りや縄張りが本当に良く考えられているのです。その魅力がやっぱりたまらない、ってなわけで私の独断ではありますが中世の土塁の城ベスト10を発表します!


【第10位】黒羽城(栃木県)


割と最近見学した城ですが、曲輪の多さからして、みんなで暮らすために作られた部分を考えると家臣に対する思いやりを感じられる城です。縦長というのか横長というのか、どの場所も必ず空堀で仕切られており、曲輪のスペースもそれぞれ広い。アップダウンもない。城内に暮らしの余裕が感じられます。山の中に水堀があることもお洒落。何より本丸の土塁の高さ、空堀の深さは圧巻。中世の土塁の城で廃城にならず見事に幕末まで機能した最高の土塁の城。是非!詳しくはコラムを読んでみてください。
→第95回 黒羽城(栃木県)

【第9位】滝山城(東京都)


東京都にこれほどまでの大きさを誇る土塁の城があることが凄い。親父方の中島家は拝島出身、親父のガキの頃の写真でも滝山城の写真が出て来ます。北条家の最高傑作なんではないでしょうか。保存状態も素晴らしいし、丘の両サイドに城がどこまでも続いていて、相当なスペースだったんだなと実感。多摩川を外堀にしその上に聳える大きな丘を全部城にしてます。北条が滅びず時代の流れと共にこれが石垣の城になっていたらとイマジンするとやばいです。とにかく広大。初心者向けかな。是非!詳しくはコラムを読んでみてくれても構いません。
→第33回 滝山城(東京都)

【8位】芥川山城(大阪府)


この城も黒羽城と同じく、家臣と全員で暮らすということを徹底して建てられた城なところが実に良い。山城なのに、戦国時代の城は戦う為だけの作りが多い中、城内に庭があったり、池があったり、集会するような開けた曲輪があったり、遊びがあることがポイント。野面積みではありますが、この城は3分の1は石垣が組まれてもいます。大手門の石垣だけは巨大。現在は崩れて来ておりますがその威嚇は今でも感じれます。本丸からの眺めも素晴らしい。登るのは大変だけど、城内はアップダウンがそれほどなくこれがまた暮らしやすかったんではないでしょうか。城内にどこか派手なイメージ、娯楽を感じます。それが関西の歴史に繋がっているような気もして最高。是非!詳しくはコラムを読むとより響きます。
→第84回 芥川山城(大阪府)

【7位】諏訪原城(静岡県)


諏訪原城と言ったら三日月堀。これほどまでに感動する堀はありません。しかも城内にいくつも三日月堀があり、その空堀の深さは恐ろしさも感じるほど。小高い丘に建てられた城ですが、城内はなんと平城かというくらい真っ平。城の搦手は絶壁。大手側にいくつも三日月堀を設けており、まさに武田の城。本丸に特に何があるわけじゃないんですが、やっぱりこの三日月堀をここまで徹底して作ったこと、圧巻です。三日月堀を見るだけでも価値あり!是非!詳しくはコラムを読むとより理解出来ます。
→第67回 諏訪原城(静岡県)

【6位】向羽黒山城(福島県)


東日本の山城最大級と言われている向羽黒山城。この城は本丸周辺よりもむしろニノ曲輪が凄い。ニノ曲輪のディティール、これに開いた口が塞がらないほどの感動を覚えます。ニノ曲輪を超えたところに現在は道路が通っており、ここが駐車場になっているのですが、ここが当時は超深い堀切だったそう。道のカーブはその名残です。どうしてもこれより上の本丸を見学しただけで終わってしまいがちですが、この駐車場の下にあるニノ曲輪を是非見学してほしいです。どうやったらこんなデザインが、こんな発想が浮かぶのか、びっくりするほどの空堀、土塁、土橋、食い違い虎口が登場します。いや~また行きたくなってきた。是非!まずはコラムを読むところから始めてみると良いかもしれませんね。
→第64回 向羽黒山城(福島県)

【第5位】丸子城(静岡県)


この城も諏訪原城と同じく武田が改修した城でもあるので、三日月堀が凄いです。この城は最初に登るのが大変。ある時突然、山の中に三日月堀が現れます。戦国時代にタイムスリップしたかのよう。駿河湾側は崖ですが、西側の防御が凄まじい。「コ」の字型になった土塁、下から見上げたら絶対に見えない空堀、攻めてくる側に対してとにかく意地悪なデザイン。絶対に攻め落とさせないぞという信念が感じ取れます。決して大きな城ではないですが、戦いの為だけに建てられた感が凄いです。男な感じ。是非!それでは私のコラムを読んでくれたまえ。
→第74回 丸子城(静岡県)

【第4位】桐原城(長野県)


ずばり幻想的な城、と思います。中世の山城では珍しく、ほぼほぼ石垣で作られたところも凄い。横長の瓦のような石で作られた牛蒡積みの石垣は必見。城内はとにかく竪堀が多く、段になった曲輪はすべて石垣で固められています。移動する導線が無いように見えるのでとにかく戦いの為だけに組んだ石垣なのでしょう。本丸の石垣は崩れてますが、これが安土城の天守台ような不等辺な形をしているところも良い。搦手も二重堀になっていたり、城の裏手は犬走りがあって、大手とは違う導線を使って家来達は移動していたのかもしれません。小笠原氏の城は本当に独特。感動します。是非!私のコラムを読むと人生が好転します。
→第85回 桐原城(長野県)

【第3位】前川本城(宮城県)


城マニアで有名な春風亭昇太さんのラジオ番組に出させていただいた時に教えてもらった城でした。この城はとにかく二の丸の外の二重、三重になった空堀、これがとにかく凄まじい。何?この土塁の高さ、そして堀の深さ、そして見事なまでのカーブ。人力で作ったとは到底思えないほどの迫力です。どうしてここまで?と思うほどのデザイン。言葉が出ません。マジで凄い。それでいて見学しやすい。これ大事。是非!コラムを読んで卓偉の文才に脱帽してる頃かと思います。
→第80回 前川本城/中ノ内城(宮城県)

【第2位】小幡城(茨城県)


佐竹氏の名城です。好きな城はどの城ですか?と聞かれるとすぐ小幡城と思い浮かべてしまうくらい、この城のインパクトは強く、初めて見た衝撃が未だに残っています。平城、平山城、どっちとも言える作り。土塁の高さ、いわゆる土の盛り方が綺麗。どの城のよりも土塁が綺麗です。観光地となり整備されて綺麗に見える土塁はいくつもありますが、築城から400年経った今でもこれ程の保存状態に脱帽。城内は薄暗く迷路のようです。空堀を導線として使っていたのでしょうが、迷路なおかげでなかなか本丸にたどり着けません。森の中を歩いて行けば土橋も探せます。城内の外は畑になっておりますが、そのギリギリまで空堀が作られています。大手門跡は道路が出来てますが、これがどうやら当時の外堀とのこと。すげえ城です。佐竹氏はここから秋田へ転封になっておりますが、秋田城もまさに佐竹氏のデザイン。しかも石垣の時代に敢えて石垣を使わず、小幡城と同じ手法で土塁の城を築いています。その共通点を見つけるとまた楽しい。是非!これほどの文字数のコラムを毎月、しかもそれが100回目、もっと卓偉に優しくしてあげたいと思われてる頃かと思います。
→第41回 小幡城(茨城県)

【第1位】花園城(埼玉県)


ダントツで花園城だと宣言。城マニアと行かないとはっきり言って危険です。トレッキングに自信がある方は大丈夫かな。というのも観光客が少なく、その凄さをほとんど紹介もされてないので情報が未知。諏訪神社側が大手とされていますが、確かなことは何も情報がなく、歴史にもほぼ登場しない城。でも私的にNo.1です。これほどまでに凄い城はなかなかない気がします。凄すぎていつもはギャグを入れて書くこのコラムもギャグ無しにしましたからね。城内を横に切れた堀切が約5本、それが両サイドに落ちて長い竪堀になります。この空堀があるために次の曲輪に移動出来ない。当時は木橋くらいあったでしょうが、曲輪から曲輪の移動に道がない。なので堀に降りてはまた自力で曲輪に登っていくしかないという。天気を選ばないと土がぬかるんで見学はきついでしょう。晴れていても前日が雨だったら危険かな。秋、冬じゃないと雑草も生い茂り大変かと思います。でもとにかく凄い。城内の土塁、空堀、縦堀、横堀、虎口、素晴らしいにも程があります。是非!もうコラムどころではなく本当に興味がなくて眠くなってる頃かと思います。
→第82回 花園城(埼玉県)

こんな感じですが、まだまだ行けてない城、その凄さを肌で感じないといけない城はまだまだたくさんあります。まだまだ私も勉強不足。お勧めのマニアな城などありましたら教えてください。今後ロケで行けるように考慮致します。何よりtvkの私の城番組コーナー、「中島卓偉のお城へ行こう!せーの!キャッスル!キャッスル!」の菊谷Dを始めとする撮影スタッフ皆様に感謝。この番組でロケに行けたことでコラムが捗りました。ありがとうございます。

トップ10から残念ながら外した城もありました。土塁の城縛りで中世の城に限らず言えば、大野城、玄蕃尾城、岩櫃城、本佐倉城、立花山城、春日山城、などなど。言い出せばキリがないのですが、パッと思い浮かぶ中世の山城だとこういう10の城となりました。

石垣の城の前は土塁の城だったということ、平地に建てられた城の前は大概が山城だったこと、城の原点を辿ればもっともっと歴史を遡ることになりますが、1400年代から1500年代半ばくらいまでの城が主に土塁で建てられた城、これが本当に魅力的。この辺の時代の城が一番ロマンがあって良いですね。興味がある方は是非見学してみてください。って誰も興味ねえわ。詳しく知りたかったらこの城達は全部コラムに書いて紹介しておりますので(何回言うんや)そっちを読んでみてください。って誰も興味ねえっつうの。

歴史を学ぶから未来を考えられる。知識があるから景色が色付く。すべての建造物はデザインの深さにあります。それは音楽にもファッションにも言えます。磨いて輝くものがあるように、なんでもない風景から歴史が滲み出て来るもの、それがロマンです。

卓偉、うざっ!

あぁ 日本の城、すべてに訪れたい…。

◆【連載】中島卓偉の勝手に城マニア・チャンネル

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