客の中に変なビートを出してる奴がいたら、多分Blinkファンだよ

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客の中に変なビートを出してる奴がいたら、多分Blinkファンだよ

愉快なロックグループBlink 182は、そんじょそこらのいい加減な南カリフォルニア野郎ではない。新作『Enema Of The State』のようなアルバムで、気持ちよく寄せ集めたピュアなポップパンクを送り出すだけでなく、最近では10代の痛快なセックスコメディ「American Pie」で、スクリーンの世界にも登場している。

その一方、熱烈なスケートボード愛好家である彼らは起業家としても、Loserkids.comを立ち上げた。これはWebベースの通販組織で、スケートボード、サーフボード、スノーボードの用具を、同好のファンに提供している。どこからそんな時間を見つけているのだろうか。

グループのMark Hoppus、Tom DeLonge、Travis Barkerは最近、LAUNCHスタジオを訪問して、この質問に答えてくれた。ここで、DeLongeが次の3つのことに頭がいっぱいであるとわかった。それは、こいつのペニスとそいつのペニスとあいつのペニスだ…ちょっと待った、彼のペニスのことには触れていたっけ。次の会話のかなりの部分が冗談だらけで、随所にこっけいな皮肉がちりばめられていたことに注意してほしい。


LAUNCH:
まず、映画「American Pie」に関わるようになったいきさつを話してもらえませんか。

MARK:
「American Pie」には、プロジェクトのごく早い段階から関わるようになった。製作陣と話を始めた頃、最初はTomと僕に出演してほしいということだった。まあ結局は、この映画のために「Mutt」という曲を書くことになった。これは、セックスと、僕らの友達でたくさんの女の子と関係を持っていた奴のことを歌ったものだ。この映画にはピッタリの曲じゃないかな。僕らも実際に出演しているんだよ。ある家の地下室で練習しているバンドで、女の子のオナニーシーンをインターネットでじっくり見ているんだ。そのシーンにはサルも登場してね。実にクールだよ。

TOM:

実際、僕らはこの映画のなかで、信じられないほどのセクシーガイとして描かれている。映画会社が世界中で大々的に“セクシーガイ”を探したところ、僕が見つかったというわけなんだ。それで僕が言ったんだ。「う~ん、僕はこのバンドをやってるからね。他のメンバーも使ってもらえるんだったら」。そうしたら映画会社が「そうしないと出演してもらえないんだったら…」と言うから「そうだよ…」と言ってやったんだ。


LAUNCH:
『Enema(浣腸) Of The State』のことを話してください。

MARK:
僕の母はこのタイトルを嫌がっていて、この間こんなことを言われたよ。「お前のお祖母さんに、新しいレコードは何というタイトルかってずっと聞かれてるんだけど、とても教えられないわ」ってね。これはBlink 182にとって次なるステップだ。多少は成熟しているけど、これまでと同じ、みんなが一緒に歌えるハッピーな音楽で、ポップパンクの影響を受けているものだよ。

TRAVIS:
曲作りとレコーディングを合わせて2週間くらいで終わったけど、全曲大満足だよ。前作と違うものになっているのは確かだね。

LAUNCH:
新作はどういった点で前2作よりも優れているんでしょうか。

TOM:
新作が前2作よりも優れているのには、いくつも理由があるよ。そのひとつは、プロデュースがすごくいいことだね。このレコードを聞いた人は、「曲はまったくどうしようもないけど、プロデュースがすごい。このレコードを買うぞ」と思うだろうね。僕らの曲作りは成熟しているよ。僕ら自身は成熟してないけど、曲作りは成熟している。ギターのスケールを新たに少し覚えた。指の運動をしてね…こんな風にね(そう言って実演してくれた…何と言うか、セクシャルだ)。女の人たちに言っておこう! 真面目な話、僕らはバンドとして成熟してきた。曲作りもプロデュースもずっとよくなっている。時間をかけて、これまでのレコードで不評だったものを改良することができた。基本的に、僕のボーカルが増えてMarkのボーカルが減っている。ドラムやベースも減っている。僕のボーカルとギターワークがたくさん入っている。言ってみれば、ギタリストの僕のソロアルバムってとこかな。これまでの作品よりずっとよくなっているのはそのためだよ…それと、僕はずっと裸で仕事をしていたんだ。

MARK:
たくさんの点で、このレコードは『Dude Ranch』よりもいいよ。プロデュースがよくなっているんだ。ピッタリのサウンドを出せるように金も時間もたっぷりかけたから、音響の面でも聴いて興味深いものになっている。『Enema of The State』よりも『Dude Ranch』の方が成熟しているよ。まさに次なるステップさ。どれも同じ調子だよ…どれもハッピーでみんなが一緒に歌えるラブソングだ。まあ全部がハッピーでもないかな。邪悪な感じのものも1曲あるし。僕らはミュージシャンとしてもソングライターとしても成長し続けてるよ。

TRAVIS:
繰返しばかりじゃないよ。前作では、レコーディングのときに2、3時間で曲を覚えなくちゃならなかった。そのうち6曲はそっくりなサウンドになってしまった。今回のアルバムには、曲がもっとたくさん入ってるよ。それも出来のいい曲がね。

LAUNCH:
このアルバムはジャケットも面白いですね。

TOM:
アダルト映画業界の美人女優を起用したんだ。彼女に奇麗で小さ目の看護婦の制服を着てもらって、これから僕らの浣腸をしてもらうという設定にしたんだ。僕らは全員、診察室のセットで下着姿になっている。君が浣腸の経験があるかどうか知らないけど、浣腸をしたら僕の家族が前より仲良くなったのは確かだから、バンドも仲良くなると思うよ。

MARK:
ジャケットに映っているのはJanineというポルノスターだ。ものすごく可愛くてフレンドリーでいい娘なんだ。一緒に映画に出たいくらいだ。思わず仕事のこととか好きなものや嫌いなものを聞いてしまったよ。とにかくクールで地に足のついた娘だよ。

TRAVIS:
彼女はものすごい色気を発散していた。そして僕らは下着姿だ。これはよかった。とにかくそのことは言っておかなくちゃね。

LAUNCH:
皆さんがサーフィンとスケートボードの分野に関わっていることはみんなが知っていますね。その拘わりについて聞かせてください。何かひとつ、特に好きなスポーツがありますか。

MARK:
僕ら3人は全員、南カリフォルニアで育ち、スケートボードとサーフィンの社会から強い影響を受けた。でも僕らは全員、育った所がずっと内陸だったんで、スケートボードの方に夢中だった。僕らのなかでサーフィンに夢中になった者はいない。サーフィンはとにかくハードだよ。水の中に長時間いなきゃいけないし、やっている最中に人間を食べようとする怪物が実際にいるスポーツなんて、世界中でサーフィンだけだよ。それで僕らは全員スケートボードをやって育ち、大きくなってからはスノーボードをやるようになった。僕らはその社会に深く関わっているんだ。サーフィンやスケートボードのビデオにね。僕らはスケートボードのできる公園やサーフィンのコンテストで遊んだ。Snow Coreツアーというのもやった。Hurleyがスポンサーになってくれて、Tomと僕はLoserkids.comというオンラインのボードショップを開いて、サーフボード、スケートボード、スノーボードを売っている。Warpedツアーというのをやっていて、BMXやローラーブレードといった最先端のスポーツに夢中なんだ。

TOM:
最初はスケートボードをやるガキだった。スケートボードをやりながら大きくなったんだ。僕はヘタクソで落ちてばかりいた。僕らは全員、スノーボードもやる。友達にはプロサーファーがいっぱいる。そうしたライフスタイルにいつも傾倒してきた。BillabongとHurleyがスポンサーになってくれている。Markが言ったように、僕らはLoserkids.comというWebサイトを始めようとしている。アルバムの発売と同時に立ち上げることになるだろう。これは、僕らの人生や成長の大きな部分だとずっと感じていた。別に“南カリフォルニアのボードスポーツ野郎”になろうなんていうことじゃない。自分たちがそれで育ち、それがそのままライフスタイルになったことは確かだ。

TRAVIS:
そう、僕らが演奏するショーの大半はWarpedツアーだけど、フリータイムにはほとんどみんながスケートボードをやっているよ。スケートボードは頻繁にやっている。週に5日はやっているんじゃないかな。

LAUNCH:
Blink 182という名前を思いつくのにどのくらいの時間がかかりましたか。“182”はどうやって思いついたんですか。

MARK:
2年かかったかな。バンドを結成してから2年後に名前を変える必要に迫られたんだ。最初の名前はBlinkだった。そうしたらアイルランドのクズみたいなテクノバンドが電話をかけてきて、「自分たちの名前がBlinkだから、そっちの名前を変えてくれなきゃ困る」と言ったんだ。そこで、理由なんかないけど182を付け加えた。意味なんてないのさ。何を意味するかについて、Tomはいつも話をでっち上げてきたんだ。今ここで彼を裏切るけど、意味なんてないんだよ。

LAUNCH:
5年くらい前に、「Billboard」はシアトルの次はサンディエゴだと報じました。あれからかなり時間が経ちました。サンディエゴのシーンについて、そしてこの数年間の発展ぶりを聞かせてください。

MARK:
サンディエゴの音楽の最近の歴史は、ヌーヴォーグランジ運動から来ているんだ。Rocket From The Crypt、Fluf、Uncle Joe's Big Old Driverといったバンドがサンディエゴをでっかくして、しばらく世間に注目される存在にしたんだ。そうしたバンドが数多くの契約を交わした。新しいことといえば、パンクポップ・スカのシーンだね。サンディエゴはいつだってローカルシーンが本当に充実してるんだ。地元のキッズはローカルミュージックを全面的に応援しているんだ。僕らはたくさんの都市に行くけど、人々が見に行くのは全米をツアーするようなミュージシャンだけなんだ。でもサンディエゴでは、一晩に300人も客を呼べる高校生バンドがたくさんある。デビューを目指しているときには、こういう応援は本当に嬉しいものだよ。もちろん僕らだって本当に力になってもらった。

TOM:
シアトルの後、みんなの目はすぐにサンディエゴに向いた。バーで21歳以上向けのショーをやるバンドもあれば、あらゆる年齢層に向けたショーをやるバンドもあった。僕らはあらゆる年齢層に向けたバンドだった。こちらの方がキッズも盛り上がるしバンドも楽しいんだ。バーで演奏する年上のバンドももちろん注目されていたし、内容も良かったんだけど、まるっきり同じというわけじゃなかった。月に4つくらいのバンドと契約していたに違いない。あまりうまくいかないと、みんなそっぽを向いてしまう。その後パンクロックのバンドが人気を盛り返した。Buck-O-NineやUnwritten Lawや僕らといったバンドがね。そしてサンディエゴがまた注目を浴びるようになった。今はどうかというと、サンディエゴは主要な音楽都市と見られてはいないと思う。いいバンドのいる都市は他にもいっぱいあるからね。

LAUNCH:
ファンからはどんな声が直接返ってきますか。

MARK:
あらゆる種類の声が聞こえてくるよ。ファンの声には様々なものがあるね。ファンからは四六時中電子メールをもらっていて、その内容は「自殺しようかと思ってました。学校が辛かったんです。彼女にも振られちゃうし。でもあなたたちの音楽を聴いたら、人生についての素晴らしいユーモアに溢れていました。物事をあまりマジにとらえないように教えてもらいましたから、この辛い時期も乗り切れました」といったものだ。これなんかは最高の賛辞だよ。でも別のキッズからは「あんたら裏切り者だ。MTVで見たよ。あんたたち嫌いだ。ひどい死に方でもすりゃいいんだ!」なんて手紙ももらうんだ。だからこのふたつの間に入るあらゆる内容の手紙をもらってるよ。

LAUNCH:
「裏切り者」と言ったりするようなファンもいるわけですね。自分自身と一部の作品を関連付けるうえで、問題を抱えているアーティストがたくさんいます。あなた方が所属するシーンにも、同じような問題があるんですか。

MARK:
パンクロックシーンの多くでは、自分自身と作品を関連付ける人は嫌がられることが多い。僕らは、自分で良いと思えない作品と自分自身を関連付けたりなんてしない。はっきりしてるのは、BillabongとHurleyが僕らの友達であり、最初から応援してくれていることだね。連中は本当にクールな会社だと思うよ。連中のライダーとの関わり方や音楽業界との関わり方は好きだね。スケートボード選手の後援はできるけど、たとえ世界一の選手でも、1回のイベントではせいぜい500人のキッズの前で滑るだけだということに、会社もそろそろ気がついていると思う。でもミュージシャンを後援すれば、バンドがどれだけビッグかにもよるが、一晩で500~3000人のキッズの前で演奏するミュージシャンもいるんだ。またMTVでビデオが流れれば、バンドと一緒にマーケティングを行うチャンスはたくさんある。キッズが会社のことを本当に信じるか、本当に応援するかは、その会社にくっついてるバンドにかかっていると言ってもいい。

TOM:
自分の推す会社を表すものを着るのに問題があったことなどない。ロゴだって堂々と見せるよ。Hurleyのようにね。あの会社も経営陣も好きだ。僕らが会社に利益を与えるのと同じくらい、会社も僕らを支援してくれるのさ。バンドというものは、とにかく強力な宣伝になるし、キッズとも直接結び付いている。バンドと同じくらいたくさんのキッズに手の届くようなプロライダーやチームライダーを擁する会社なんてないよ。この流行は僕らが始めたわけじゃないけど、どのように機能するか見守っている会社はどんどん増えてるよ。大金を払ってもらえるんだったら何だって着るよ。男の裸が全体にプリントされたシャツだって着るよ、男性ヌーディスト協会から金がもらえるんならね。何だっていいんだよ、金さえもらえりゃいいんだ。

TRAVIS:
僕らの着ているもののほとんどは、支持してる会社のものだ。スケートボードのシャツを着たら、それはスケートボードが好きだからだ。自分の嫌いなものなんか着やしない。

LAUNCH:
それではおひとりずつお答えください、男らしい皆さん。今まで喧嘩をしたことがありますか。

TRAVIS:
Snow Coreツアーのときだった。Alkaholiksというヒップホップ・バンドと一緒にカナダをツアーしていたんだ。でかくて筋肉隆々のガードマンのうち、無礼な人種差別主義者が何人かいて、そいつらがAlkaholiksにひどい仕打ちをしてたんだ。そこで僕らと喧嘩になった。ひとりでガードマン6人を相手にするという感じだったな。勝ったのは奴らだったと思うな、なにしろでかかったからね。でも僕らも善戦したよ。

MARK:
殴り合いの喧嘩というのはやったことがない。いや一度あったな。16歳のとき、Denny'sで友達が僕めがけてアイスを投げつけたんだ。僕がよけたら後ろに座っていた女性に命中したんだ。その女性はちょっと酔っ払った男と一緒にいてね。そいつがやってきて僕を怒鳴りつけ、身構えたと思ったら僕に殴りかかった。大勢の人間がやってきてそいつを取り押さえようとして、レストランの正面玄関の外に追い出してくれた。そいつはドアを叩き割ろうとしたけど、外にいた警官に逮捕された。僕は都会慣れしていない白人少年で、ただ「このままじゃ済まないぞ、あんな奴は刑務所に行けばいいんだ」と叫ぶばかりだった。そうしたら警官たちは僕のことを笑っているだけだった。喧嘩をしたといったらあのときくらいかな。ちょっと意外だろ。僕はまずいときにまずいことを言って問題を起こしている人間なのに。

TOM:
最後に喧嘩をしたのは7年生(日本の中学1年生)のときだった。しかも喧嘩なんていうのはその1回だけなんだ。僕がそいつを殴り、そいつは地面を殴ったんだ。その後、僕はそいつのズボンを下ろして、そいつのアレをしごいてやったんだ。言っておくけど僕の好きなのは女の子だよ。昔から女の子が好きだった。ヴァギナはペニスよりずっと魅力的だと思うよ。ペニスなんてのは神様の残酷なジョークだよ。とても好きになんかなれないよ、まあ僕もひとつ持ってるけどさ。

LAUNCH:
皆さんは実にうまい曲名を思いつきますよね。曲名ではどれが気に入っていますか。

TOM:
僕は「Dick Lips」だね。この曲はMarkにも関係ないんだ。関係あると思うかもしれないけど、本当にないんだよ。実際のところ、その名前を考えたのは彼だ。僕は酒を飲んだために高校を退学になって、そのことを歌にしたんだ。それでその曲に名前が必要になって、Markが「“Dick Lips”というのはどうだい?」と言うんで、僕は「そいつは突飛だな。まあとっておこう」と言ったんだ。実際にはあのアルバムのタイトルをそれにすればよかったな。僕のお気に入りは多分それだね。それか「Sh-t, Piss, F--k C-nt, C--ksucker, Motherf--ker, Tits, Fart, Turd, & Tw-t」という曲だね。

MARK:
僕も「Dick Lips」だね。曲のタイトルには最高だよ。意味なんてありゃしない。スタジオでそんな悪態を吐いていたので、頭にこびりついていたんだ。

TRAVIS:
僕も同じ、「Dick Lips」だ。あれは好きだね。

LAUNCH:
会場で客の中に入って回りを見渡したとすると、Blink 182のファンとファンじゃない人をどうやって見分けられるでしょう?

TOM:
Blinkのファンとファンでない人を区別するには、ほんのいくつかのものを探せばいいんだよ。まともな頭があれば僕らの音楽を聴いたりしないさ。プライドとか家庭的価値なんかがあれば、僕らの音楽を聴いたりしないさ。僕らの音楽を聴くキッズは、ただ楽しみたくて会場に来るんだ。それ以上のことはわからないよ。ラジオでかかるようになる前は、僕らの音楽を聴きに来てくれたのは、スケートボードをやる連中とか、モヒカン刈りのパンクロック・ファンだけだった。それが今じゃ、チアリーダーもいればフットボール選手もいれば海兵隊員もいる。僕らの音楽を聴いてくれるのはひとつの特殊なグループだけなんて到底思えないよ。他のバンドには、「あのキッズはパンクじゃないから、自分たちのバンドを聴いてもらいたくない」なんてことを言う連中がたくさんいるよ。みんなにパンクのライフスタイルや、僕らの聴いている音楽に触れてもらいたい。海兵隊員、フットボール選手、チアリーダー、ホモセクシャル、両刀使い、どれだろうと関係ない。どうだっていいんだ。世界は美しい所だとわかってもらえればそれでいいんだ。

MARK:
Blinkファンね。客の中に変なビートを出してる奴がいたら、多分Blinkファンだよ。

TRAVIS:
髪をピンクに染めた小さなポップパンク・キッズといった人たちじゃないかな。鋲を身に付けたタフガイじゃなくて、スケートボードのシャツを着た普通のキッズだよ。

LAUNCH:
ミュージシャンになっていなかったら何をしていたと思いますか。たとえば…、医学部なんて考えたことがありますか。

MARK:
いや、医学部なんて行ってもうまくいきっこないよ。生殖器の講義なんか行ったって、座って無駄話でもしてるのがオチさ。多分医学部の方から退学にされるだろうね。そんなことより、今の仕事が大好きなんだ。バンドをやっていることが大好きなんだ。夢が叶ったんだ。この場にいられるなんて僕はとてもラッキーだし、どんなこともあきらめたりしないよ。

TRAVIS:
子どもの頃からずっと、プロでドラムを叩きたかった。母が後押しをしてくれた。プロのスケートボード選手になりたかったんだけど、怪我ばかりしていて、そのうちもうやっていけなくなったんだ。今の仕事こそ自分のやりたいことだし、このまま続けていきたいと思ってる。

LAUNCH:
バンドをやっているということで、セックスライフが劇的に変わりましたか。

TOM:
僕のセックスライフというのは、他人が聞いたらがっかりするようなことばかりだよ。別に僕のせいじゃないけど、ここでまた自分のペニスの話に戻らなくちゃならないんだ。他の人のと形が違うんだ。普通はジグザグだけど、僕のは8の字形なんだ。バンドをやっていることで、僕のセックスライフは改善されたかもしれないけど、バンドをやっていない場合よりも、ガールフレンドに嫌な思いをさせることが多いんじゃないかな。僕のガールフレンドは、もう僕のオナラがわかるんじゃないかな。これは困るね。女の子の前でオナラなんかしたらお終いだよね。秘密を教えてあげるよ。今まで、ガールフレンドの前でオナラをしたことなんて本当にないんだ。でもベッドに寝ているとオナラを我慢しきれなくなって1発やっちゃうんだよね。彼女に聞かれていないといいと思いながらね。もう2年経つけど、そんなにしょっちゅう彼女の前でオナラはしないよ。ふたりで治療を受ける必要があるだろうな。

MARK:
正直に言うよ…バンドをやっていると、やっていない場合よりも女の数が増えることは確かだ。僕はセックスに見境のない人間じゃない。好きでもない女の子とセックスしたりはしない。でも女の子とやるチャンスがあれば喜んでやってるとかなんとか思われてるんだ。

LAUNCH:
セックスの能力ということになると、一番男っぽさを発揮しているメンバーは誰ですか。

TOM:
一番男性的な特性を持っているのが僕なのははっきりしてるよ。女っぽさで競争したら、あとのふたりは金メダルが取れるよ。「いつドレスが着られるの?家をピンクに塗ってもいい?」なんて言葉ばかり聞こえてくる。僕は他のふたりに比べて飛び抜けてるんだ。超人コナンタイプのキャラクターに似ているのは僕だけだ。コナンと呼んでくれていいよ。

LAUNCH:
好きなアーティストで、あまり世間に知られていないけれど注目に値すると思う人の名前を挙げてもらえますか。

TOM:
いつも話題にしているバンドに、Jimmy Eat Worldというのがいる。このバンドをビッグにしてやろうと決めているんだ。あまり世間には知られていないけどね。このバンドは本当にダイナミックで本当にいいんだ。

MARK:
そうそう、あいつらは今じゃ悪名をとどろかすようになっているよ。アリゾナ出身のすごいバンドだ。ライブのすごいバンドでね。アルバム『Static Prevails』を発売前に聴かせてくれたよ。僕がこれまでに聴いたものと全然違うんだ。とてもダイナミックで、最初はスローでメロディックなんだけど、それがヘヴィで活気みなぎる音楽になっていくんだ。その後、『Clarity』というレコードをリリースしたんだけど、この2枚が、これまでの僕のお気に入りのなかでも1位と2位だね。

TRAVIS:
Farというバンドがいいね。とにかく本当にいいバンドなんだ。エモーショナルインディーロックっぽい。とてもクールだよ。

TOM:
もっとスケールが大きくて知名度のあるバンドだと、NOFXPennywiseLagwagonといったところだね。彼らはパンクロックを代表するバンドで、僕らはいつも夢中で聴いていた。Descendentsは、僕がギターを弾くきっかけになったバンドだ。僕のギターワークを聴いて気を悪くしただろうな。Warpedツアーのときに、一度酔った勢いで後に付いていって、どれだけすごい人たちだと思っているかを話したんだ。そのときの僕はひどい姿だった。謝らなきゃいけないな。

LAUNCH:
過大評価されていると思うバンドは?

MARK:
過大評価されている人なんていないんじゃないかな。一部のバンドについて好きでないところはあるけど、それは僕の意見というだけでね。日によって駄目な奴は変わる。人を裁いたり他人の悪口を言ったりしないようにしてるんだ、自分のバンドのメンバーは別だけど。

TRAVIS:
僕は何でも好きだ。Marilyn Mansonが嫌になるようなときもあるけど、それでも好きだよ。なにしろ彼は変態だから。HootieKid Rockは好きじゃないね。それとKornは嫌になるときがあるね。でも何でも好きなんだ。ギャングスタ・ラップも好きだよ。おかしいからね。でも優れたメッセージのないものには夢中にならない。

TOM:
男のバンドばかりというのがちょっと信じられないね。Backstreet Boys98 Degreesとかさ。どれもひどいもんさ! 悲しくて泣いちゃったよ。どうにもならないね。あんなバンドがどうしてあんなに受けるのかわからない! 自分の曲だっていっさい書かないし。実際に会議室にこもってインタビューの質問にどう答えようか考えたりなんかしてるから準備万端さ。何にでも振付けをするんだ。ショーの後にメンバー同士でやるセックスまでね! まったくすごいパワーだよ。奴らは僕らより稼いでるし、レコードの売上だって奴らの方がずっと多いんだ。人気があるのは確かだ。まあ僕向きじゃないね。

LAUNCH:
自分が聴いているもので、他のメンバーから文句を言われるようなものはありませんか。

TOM:
クレイジーなパンクロックの夜には時たまあったね。キッズたちと盛り上がって、ステージから飛び降りたらマイクが顔にぶつかり、汗だくになった後、バスに飛び乗って、明かりを暗くしてEnyaをかけたんだ。“Sail away, sail away, sail away”っていう歌詞のあれだよ。でも僕がたくさん聴いていたのが何だったかわかるかい。僕らはBeastie Boysやたくさんのヒップホップに心底夢中だった。それまで僕はヒップホップを聴くことなどなくて、やたらスピードの速いパンクばっかり聴いていた。ツアーでパンクロックを1年半聴いていたら、もう少しグルーヴィーなものも聴きたくなるさ。Beastie Boysを聴いても面食らうようなことはないよ。本当にすごいバンドだからね。でもEnyaはそう、ちょっと困るね。

MARK:
Jewelのあの曲が好きだね。「Jewel」のビデオを知ってるかな?燃えている家の中を歩くやつ。あの曲が聴こえてくるたびに言葉も出なくなるんだ。そのCDを買って聴かせたらみんな大笑いしたんだ。僕はあの曲を全面的に支持している。いい曲だと思うんだ。

TRAVIS:
ヒップホップくらい好きな音楽はないね。65%の時間はヒップホップを聴いて過ごしてるよ。他のメンバーも熱中はしてるけど、Beastie Boysの方が好きなんじゃないかな。でも僕は本当にヒップホップに夢中なんだ。

LAUNCH:
インターネットで探すと、皆さんのことに特化したWebサイトの数はものすごいですね。インターネットを利用する時間は多いんですか。コンピュータはどのくらい使いこなしていますか。

MARK:
自分たちのWebサイトにチャットルームを用意していて、ツアー中は毎晩行っていたものだよ。今は週に1~2時間くらいかな。だいたいはサイトに行ってキッズと話をしたり、彼らから質問があるとそれに答えたりしているよ。通常の場合、最初の30分は、自分が本当にバンドのメンバーであることを証明しなくちゃいけないんだ。僕がインターネットを使っているキッズだったら、こいつがバンドのメンバーだなんて信じないだろうな。電子メールのアドレスがあるから、僕に直接メールを送れるよ。僕らを応援してくれる人とコンタクトを絶やさないように心がけてるよ。それが本当に重要なことじゃないかな。

TOM:
僕がコンピュータを買ったのは、UFOのサイトを探したかったからだ。僕は熱烈なUFOファンなんだ。エイリアンが大好きでインターネットが大好きなんだ。インターネットは全世界を網羅する巨大な神経学的ブレインセンターで、僕らが読み込むあらゆる情報、あらゆる学習対象、あらゆる売買対象を結び付けるものだと思う。すべては国防総省に直結しているこの巨大なファイバー光学システムの上にあり、国防総省は我々の行動をすべて監視していて、我々は息の根を止められてしまう。僕がコンピュータを買ったのは、UFOのサイトを探すことと、探査方法を身に付けることだけが目的だった。アナルのね。あれ、笑ってるの?

by dave dimartino

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