ザ・フー、メンバーの死を乗り越えて北米ツアーをスタート。初日ライヴレビュー:2

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セットは、期待通りパワフルなコードで襲いかかる「Baba O'Riley」「Won't Get Fooled Again」などのクラシックから『Quadrophenia』の「Sand And Sea」、'70年代初期に遡って「Relay」といったファンにはあまり知られてないナンバーにまで及んだ。「My Generation」でのPalladinoは、Entwistleに争いを挑んで完璧を期するというよりは、むしろ彼独自のポップなベースタッチを加えていた。

他にも「Another Tricky Day」が演奏されたが、ここではDaltreyが歌詞を忘れ、Townshendにインターネットで見つけてくれとからかわれる場面が見られた。また、落ち着いたナンバーの「You Better, You Bet」や、破壊的なロック・ワルツ「Love Reign O'er Me」も披露された。オーディエンスの多くは、Whoの鋭く力強いプレイに賛同し、30年前の全盛期に優るとも劣らないカオティックな演奏に身を預けていた。

アンコールは'60年代後半のロック・オペラの名作『Tommy』からのメドレー(「Pinball Wizard」「Amazing Journey」「Sparks」「See Me Feel Me」)と、もう1つの代表曲「Listening To You」も披露された。最後にTownshendとDaltreyがハグして観衆に別れを告げると、スクリーンには数十年にわたるEntwistleのスライド映像が写し出された。エンディングは彼の最近のモノトーンの映像で、追悼にふさわしい終わり方だった。

Townshendはかつて「ロックで問題は解決しない。だが、ロックは問題を抱えながらも楽しむ力を与えてくれる」と語っていた。TownshendとDaltreyが、ツアー初日の夜に彼らの抱える問題を乗り越えて楽しんでいたとは必ずしも言えないが、Whoの音楽から力を引き出し、ファンに身を捧げていたことは確かだ。

この日のオープニングアクトはCounting Crowsで、「Hanging Around」や「A Long December」といったバンドのヒットから、ニューアルバム『Hard Candy』に収録される新曲「American Girls」までを含むショートセットを行なった。

The Who 2002 North Americanツアー初日の全セットリスト:

「I Can't Explain」
「Substitute」
「Anyway, Anyhow, Anywhere」
「Who Are You」
「Another Tricky Day」
「Relay」
「Bargain」
「Baba O'Riley」
「Eminence Front」
「Sea And Sand」
「5:15」
「Love Reign O'er Me」
「Behind Blue Eyes」
「You Better You Bet」
「The Kids Are Alright」
「My Generation」
「Won't Get Fooled Again」

アンコール:
「Pinball Wizard」
「Amazing Journey」
「Sparks」
「See Me, Feel Me」
「Listening To You」

Darryl Morden, Los Angeles (C)LAUNCH.com
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