ドラミが行く! ロンドン最大のフリー・フェス<rise london united against racism>

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毎夏、ロンドン自治体が主催しているロンドンにおける最大のフリー・ミュージック・フェスティバル<rise london united against racism>が、7月15日(現地時間)にフィンズベリー・パークにて開催された。

■フォト・アルバムはこちら
https://www.barks.jp/feature/?id=1000032952


N.Y.に並び、人種の坩堝であるロンドンにて人種差別反対運動を目的として1996年に発足したフェスティバル。一時休止期間もあったが2001年より再開され、今年で11年目となる。

10万人を収容できる公園があることにも驚かされるが、これだけの規模の無料フェスを市が運営しているという点に注目するべきであろう。さすが芸術の街、ロンドンである。

メイン・ステージであるロンドン・ユナイテッド・アゲインスト・レイシズム・ステージをはじめとした8つのステージ(アフリカン・ヴィレッジ、ビッグ・キューバ・フェスタ・アンド・エル・バリオ・ラティーノ、クレッセント、メラ、ロンドン・アンダーグラウンド、ユニオン・シティ・DJバス、コメディ・テント)と慈善団体ブース、移動遊園地、プレイ・ゾーン、各国のフード屋台が公園内に点在。

メイン・ステージでトリを飾ったのはSkatalites。
一度大雨に見舞われたものの、最後は彼等の痛快なスカ・サウンドに体を揺らしてビールを片手にのんび~り音を楽しむ人々でごった返したロンドンの休日であった。

イギリスが過去に行なっていた大西洋横断奴隷運搬が廃止されて、200年が経過した今年。
ウエストミンスター寺院にて英国政府による祈祷式が大々的に開催されたことも記憶に新しいが、この日のアフリカン・ヴィレッジには「NO MORE SLAVE TRADE」と記されたフラッグが大きく掲げられ、出演者からの「肌の色や出身地、言葉の違いなんて関係ない! No more 奴隷貿易!」といった強いメッセージが音と共に強く投げかけられ、心に深く沁み渡った。

会場を歩き廻る中で多くの言語を耳にし、たくさんの人とすれ違いながらふと考えたのは、日本人である自分のこと。

日本で生まれ育ち、今はイギリスで英語という別の言語を使って生活している。
ごく最近までは英語圏に生を受けなかったことに少々不満を抱いていたが、今は日本人であること、そして日本の文化に誇りを感じている。
英語圏内に生まれなかったことをラッキーだったと思えるまでに考えが変わったのは、異国から来た友達と彼等を通して教えられた異国文化、そして実体験中のイギリス文化の影響である。

多くの人種と文化が共存し、世界は形成されている。
奴隷制度なんて二度と起こさぬように、まずは身近にあるつまらぬ偏見や差別をなくすことから始めようではないか。

文●早乙女doraゆうこ

▼昨年のレポートはコチラ!
https://www.barks.jp/news/?id=1000025381

■<rise london united against racism>オフィシャル・サイト
http://www.risefestival.org/
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