JUVENILE 久保田利伸「Indigo Waltz」カバーのMV公開! そして、TALKBOXカバーEP『INTERMISSION』について語るオフィシャルインタビューも解禁!

株式会社ホリプロインターナショナル



「From Tokyo To The World」を掲げ、RADIO FISH「PERFECT HUMAN」など手掛けてきた独自のCity Musicを発信し続けるDJ/アーティスト/音楽プロデューサーのJUVENILEが、5月3日に自身初となるTALKBOXカバーEP『INTERMISSION』を配信リリース。

本作よりシュガー・ベイブ「Down Town」カバー、ブラックビスケッツ「タイミング~Timing~」カバーに続き、5月17日に久保田利伸「Indigo Waltz」カバーのMV(https://youtu.be/ULXaGxEyA8c)が公開された。


 また、このタイミングで、シュガー・ベイブ、ブラックビスケッツ、DREAMS COME TRUE、久保田利伸、小柳ゆき、大瀧詠一──錚々たる大物たちの名曲をトークボックスとバンド演奏でカバーしてみせた、音楽シーン全体で見ても前代未聞の挑戦。『INTERMISSION』についてのインタビューを解禁する。


 JUVENILEの音楽的ルーツである坂本龍一やYMOについても語ってもらっているので、今回のEPやMVと合わせぜひご覧頂きたい。
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◎リリース情報
TALKBOXカバーEP『INTERMISSION』
2023/05/03(水)配信RELEASE
https://lnk.to/JUVENILE_INTERMISSION

『INTERMISSION』収録曲
01.Down Town
02.タイミング~Timing~
03.うれしい!たのしい!大好き!
04.Indigo Waltz
05.あなたのキスを数えましょう~You were mine~
06.夢で逢えたら
07.Sympathy




◎JUVENILE『INTERMISSION』発売記念オフィシャルインタビュー
[画像2: https://prtimes.jp/i/118872/5/resize/d118872-5-2832b3ed16f01017fa99-1.jpg ]

<YMOは特殊すぎる「40年前の音楽偏差値、本当に凄い」>


-JUVENILEさんの音楽的ルーツである坂本龍一さんが先日お亡くなりになられました。子供の頃に「energy flow」をピアノで弾き、その後、シンセサイザーに触れていく中でYMOの音楽にも傾倒されていたわけですが、今回の訃報を受けてどんなことを想いましたか?


JUVENILE:来るときが来てしまったんだなと。あの日から誰もが坂本さんやYMOについて言及され続けていますけど、僕の世代より上の音楽に関わっている人たちで、あの訃報に何も想わない人はいないですよね。お会いする機会はなかったし、年齢的に僕はYMOより何世代も下になるんですけど、それでも子供の頃には「energy flow」がめちゃくちゃ流行っていて、音楽室のピアノで弾いたりしていましたし。そのあとにYMOの存在を知って後追いしてみたら、当時の僕が知るロマンスグレーの教授とはまったく違って、奇抜なメイクやファッションに身を包んで、その後の小室哲哉さんにも影響を与えたであろう、何台ものシンセサイザーに囲まれて演奏する姿に衝撃を受けましたし……なので、僕の中で坂本さんは「ふたりいる」と感じていました。


-たしかに、YMOから「energy flow」に至るまでの変遷をリアルタイムで体感していなければ、別人だと思うかもしれない。細かく区分けしていくと「戦場のメリークリスマス」の時代もあれば、ダウンタウンとのGEISHA GIRLSの時代あるし、中谷美紀さんをプロデュースしていた時代もあるわけで、おそらく10人ぐらいいますよね。


JUVENILE:そうなんですよね。僕が知ったときには白髪でピアノを弾いている大御所だったんですけど、調べれば調べるほど音楽性が多岐にわたっていて。その中でも「energy flow」世代からすると、YMOとの違いは最も衝撃的でした。自分もシンセで音楽やっているから感じるんですけど、YMOって本当に特殊で、シンセを使っているんですけど、すべて生演奏なんですよ。そんな人たち、後にも先にもいないと思うんですよね。だから「JUVENILEさんの作品とリンクする部分はありますか?」と聞かれることがあっても正直ないんです(笑)。それぐらい特殊すぎる。歌がないし、でもインストバンドと呼ぶにはメロディがありすぎるし、誰もが一度聴けば口ずさめてしまう。


-正確な演奏が求められそうなテクノユニットでありながら、矢野顕子や渡辺香津美といったアドリブの天才たちを引き連れてライブしていましたし、あらゆる概念を超越していた印象があります。


JUVENILE:ずっと音楽を仕事にしてきて、30歳を超えて音楽の知識がかなり深まった今感じるのは、YMOは本当に攻めすぎなんですよ(笑)。YMOをみんなが「格好良い」と言っていた40年前の音楽偏差値、本当に凄いなと思います。今、誰かが似たようなことをしてもウケないと思いますし、マネできない。本当に何なんだろう? ただ、やっぱり憧れますね。あれが出来たら最高ですけど、どう考えても出来ないから。だから、当時は海外のリスナーたちも「日本人、マジやべぇ!」ってなったと思うんですよね。


-その現象も含めてマネできないですよね。


JUVENILE:あと、今改めて当時のYMOのライブ映像を観て思うのは、つまらなさそうに演奏しているのが格好良いなって(笑)。お客さんのことを全然意識していないんですよね。ただただ懸命に演奏しているというか。クラシックのコンサートっていわゆるファンサービスみたいなことをしなくても、みんな純粋に演奏に集中して堪能しているじゃないですか。あの次元ですよね。あれをポップスでもやっていいんじゃないかなって思いました。YMO、みんな下向いてますからね。誰も顔を上げていないんですよ。タバコくわえながら演奏しているし、香津美さんは目瞑ってるし(笑)。だから、ちゃんとしたモノを見せればヘンに媚びなくてもいいし、それ自体がファンサービスなのかなって。僕も職人気質なので、そこにすごく共感を覚えて、最近はマネして前を見ずにライブしています。トークボックスも特殊だから、懸命に演奏さえしていれば成立するんじゃないかなと思って。


<大瀧詠一とシュガー・ベイブの特異性「歌謡曲全盛の時代に」>


-YMOから間接的にタスキを受け取っている。そんなJUVENILEさんの新作も唯一無二の音楽プロジェクトとなっています。トークボックスで誰もが知る名曲たちをカバーしたEP『INTERMISSION』。このタイミングでこうした特殊な作品を打ち出そうと思ったきっかけは何だったんでしょう?


JUVENILE:トークボックスを10年以上やっているので、別にキライになることはないんですけど、様々な音楽を自身の作品や楽曲提供、サウンドプロデュースなどで手掛けているから、そこまでトークボックスへの熱量が高くない時期もあるんです。『関ジャム 完全燃SHOW』に出演させて頂いたことが改めてひとつのきっかけではあって、それ以降、徐々に「トークボックスと改めてちゃんと向き合わなきゃな」って熱が高まっていったんですよね。ロボットボイス自体の世間への受け入れられ方にも波があって、ダフト・パンクが「Get Lucky」を出したタイミングだったり、EDMが流行りだしたタイミングだったり、ヤマがあったんですよ。でも、3年ぐらいはさほど盛り上がっていなくて……だから自分で火を起こした感じですね。


-そして、昨年4月にトークボックス・カバープロジェクト第一弾シングル『夢で逢えたら』を配信リリースしました(※『INTERMISSION』にも収録)。あれから1年。同プロジェクトの集大成がここに完成したわけですが、これだけカバーEPに時間を費やすパターンも珍しいですよね。


JUVENILE:制作より選定にものすごく時間がかったんです。トークボックスでのカバーって何でもいいわけじゃなくて、明らかに合う曲と合わない曲で分かれるんですよね。で、やりたい曲があったとしても許諾が取りづらかったり、いろいろあったので。ただ、今回のEPに収録されているカバーはどれも候補リストの上位にあった楽曲たちだったんです。その選曲条件は、絶対にみんなが知っていること。そんなに詳しくなかったとしてもメロディーは全世代聴いたことがあるであろう名曲たち。それらをどう変えていくかの実験は結構しましたね。


-では、その収録曲たちについてお話を伺わせて下さい。


JUVENILE:まず70年代の古い曲をカバーしようと思ったときに、歌謡曲ってコード進行がずーっと変わっていくんですよ。でも、クラブサウンドに落とし込む為にはループ性が必要になってくるので、それに耐えられる原曲を探すのがすごく大変だったんです。洋楽にはないCメロとかDメロが急にどん!と入ってくる歌謡曲を選んだとして、それを勝手に削ることは出来ないから。で、その条件にまずハマったのが大瀧詠一さんの「夢で逢えたら」。純粋に好きでトークボックスにばっちりハマる曲だったからカバーさせてもらったんですけど、それと同じタイミングぐらいで選曲させて頂いたのが、シュガー・ベイブ(※山下達郎、大貫妙子、村松邦男を中心に結成されたバンド)の「Down Town」だったんです。


-ナイアガラ・トライアングル(※大瀧詠一、山下達郎、伊藤銀次によるユニット)繋がりですね。


JUVENILE:世代じゃないからあんまり詳しくないんですけど、洋楽を意識し始めた黎明期だったんですかね。シュガー・ベイブはシティポップの先駆けと言われていますけど、歌謡曲全盛の時代にも関わらず、曲の展開が洋楽的でトークボックスやクラブサウンドに落とし込みやすかったんですよ。だから、アレンジをすごく変えることができて。ガラージュって言うんですかね。00年代に流行った2ステップっぽい音楽が今ヨーロッパでよくリバイバルされているんですけど、それを「Down Town」には織り交ぜたんです。70年代で最もアーバンな曲が「Down Town」だったとするなら、2023年に最もアーバンなアレンジはコレだと思って。今回のEPは、固定のバンドメンバー(藤田義雄(ギター)、原田ソウ(ベース)、宮脇翔平 (ピアノ))と全曲制作しているんですけど、彼らとも「Down Townへくりだす音楽って?」「これだ!」みたいな。


<BEYOOOOONDS清野桃々姫とのコラボ「努力の人。リスペクトします」>


-そんな70年代に異彩を放っていた大瀧詠一とシュガー・ベイブの名曲に挟まれて、80年代後半~90年代のJ-POPシーンを代表する楽曲たちのカバーが並んでいます。まずはブラックビスケッツ「タイミング~Timing~」。


JUVENILE:ガキんちょだった自分が最初に音楽に興味を持ち始めたのが、90年代の後半で。そのタイミングで教授の「energy flow」を弾いてみたりしている傍らで、テレビのバラエティ番組ではポケットビスケッツとブラックビスケッツがお茶の間を賑わしていたんですよね。僕の中ではいちばんテレビが面白かった時代。その中で「タイミング~Timing~」はニューヨークまで行ってMVを撮ったり、とにかくド派手な印象があって、それでいて中西圭三さんが手掛けた曲自体もめちゃくちゃ良かった。サビ転調したり、すげぇパワーのあるジャパニーズディスコファンクみたいな。そのインパクトが強かったので、この機会にカバーしてみたいなと。そしたらTikTokで誰かのカバーが注目されたり、昨年末の『ベストアーティスト2022』で20年ぶりにブラックビスケッツが復活したり、リバイバルヒットしていて。奇しくもそのタイミングで、僕らは僕らで他にないバンドっぽいアレンジで、ひたすらハッピーなカバーが出来たから良かったなって。


-ドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」も原曲はド派手ですが、これまた他にない質感のカバーになっていて面白かったです。しかも、清野桃々姫(BEYOOOOONDS)さんとのコラボレーション。


JUVENILE:僕が生まれた1989年にリリースされた曲なんですけど、当然のように何度も耳にしてきた名曲ですし、今の二十歳ぐらいの若い子たちでも聴いたことはあると思うんですよ。それでカバーしたいと申請したら有難いことに快諾して頂いて、清野さんとコラボレーションすることもできて。たまにツイッターで「トークボックス」で検索すると、清野さんの名前がたくさん出てくるんですよね。今や彼女が引っ張っているんですよ! 僕は僕で自分にしか出来ないことをやりますけど、トークボックスという装置を世に広めるいちばんの広告塔は清野さんだから「任せたぞ」と(笑)。


-気付いたら、トークボックス界期待のホープになっていたんですね。


JUVENILE:あと、小学生の頃から18歳になった今に至るまでハロー!プロジェクトのアイドルとして頑張ってきていて、その努力があってこその今なんだなと。それがトークボックスからも感じられるんですよね。「トークボックスをやってみた」で終わっても問題ないと思うんですけど、話してみると「トークボックスが本当に好きなんだな」って感じるし、めちゃくちゃ練習しているし。だから、僕と出逢ってからレコーディングまでの期間で相当上手くなったんですよ。僕の話を聞いて「こういうことか」と知った瞬間に階段を三段跳び、四段跳びで駆け上がっていった。でも、コツだけ聞いても練習しなかったら上手くはならないから、やっぱり努力の人なんですよね。めちゃくちゃ年下ですけど、そういうところはリスペクトしています。


-続いて、久保田利伸さんの「Indigo Waltz」。


JUVENILE:この曲も僕が生まれた1989年リリースで、単純に久保田利伸さんの中で大好きな曲だからカバーさせて頂きました。ただ、この曲はワルツだから三拍子なんですけど、四拍子に変えているんです。今回のEP『INTERMISSION』の中で最もアレンジしちゃっていて、正直「これ、ダメです」って久保田さんサイドから言われちゃうんじゃないかと。それでドキドキしながら提出したら「Okです」と返ってきたから安心しました。僕のバンドメンバーはジャズが好きなので、すごく理論派なんですよ。それで「三拍子も四拍子もいつか重なるところはある」という最小公倍数的な感じで作り込んでいて。聴いてみると普通に聴けちゃうんですけど、実はめちゃくちゃなことをやっているっていう(笑)。ただ、それでも成立するのは原曲のメロディーのパワーですね。あとは、トークボックスの無機質さえゆえなんだろうなって。


<音楽家として成長させてくれた『INTERMISSION』~今後の展望>


-実は凄いことをやっているのが「Indigo Waltz」なら、明確に凄いことをやってのけているのは「あなたのキスを数えましょう~You were mine~」ですよね。特に終盤の転調のところ。


JUVENILE:そうなんですよ(笑)。あの時代って5分超える曲がいっぱいあるんですけど、今の時代では珍しいんですよね。長い曲を最後まで聴けない人たちも増えているので。だから、普段は3,4分の曲を作っているんですけど、この曲は5分40秒あるんです。でも、カバーだからそこはリスペクトを持って削らずに形にしなきゃいけない。じゃあ、小柳ゆきさんの歌唱力があってこそ成立するその長さをトークボックスでどう飽きさせずに最後まで聴かせるか。そこはめちゃくちゃ考えましたね。歌詞とメロディー以外はいろいろ変える挑戦をして、最終的にこの仕上がりになりました。小柳さんは2021年末にリリースしたアルバム『INTERWEAVE 02』の「Set Me Free feat.小柳ゆき」でフィーチャリングさせて頂いていて、そのときからカバーしたいと思っていたんですけど、ご一緒させて頂いている分だけプレッシャーもあって。でも「Set Me Free feat.小柳ゆき」同様、振り切った楽曲に仕上がったと思います。


-そして『INTERMISSION』の最後を飾る「Sympathy」。こちらはTeresaへの提供曲セルフカバーになります。


JUVENILE:スタッフさんと話をしていて「自分の曲でやってみようか?」となったんですよ。でも、自分の楽曲群の中からトークボックスに合う曲を探してみたら、全然見つからなくて(笑)。何故かと言うと、僕のオリジナル曲ってラップが入ってくるんですけど、トークボックスでラップは無理なんで。あと、OOPARTZ(※JUVENILEとRYUICHI(ダンス&ボーカル)によるエレクトロユニット)の曲は早口だからトークボックスに向いてないんですよ。それで提供曲の中からも探しに探して「これだ!」とやっと見つけた曲が「Sympathy」で。で、偶然にも原曲に参加していた面子が今回のバンドメンバーと全員一緒だったんですよ。ただ、アレンジは変えなきゃいけない。それなのに、原曲聴いたメンバーたちが「これ、ええなぁ。このままでええやん」って言い始めて(笑)。三拍子の曲を四拍子にしたりしておいて、自分たちがオリジナルの曲は崩したがらないんですよ! 結果、変えているんですけど、いちばん原曲の雰囲気が残ったカバーになりましたね。


-そんな7曲入りのTALKBOXカバーEP『INTERMISSION』、総括的にどんな体験になったと感じていますか?


JUVENILE:歌詞やメロディー、そこに込めた想いとかも含めて原曲ありきなので、新しくやったことと言えばアレンジじゃないですか。なので、音楽的な理論とこれまで以上に向き合いましたね。普段の制作でここまで攻めたアプローチは出来ないんですよ。楽曲提供になるとちゃんとポップスを作らなきゃいけないので、コード進行もパターン化しちゃうし、親しみやすいメロディーって聴いたことがあるメロディーだと思うので、その要素を取り入れるとなると真新しいことは出来ない。でも、今回の『INTERMISSION』では新しいアプローチがたくさん出来たので、自分を成長させられたんですよね。もう1回、音楽をちゃんと勉強し直すことが出来たし、何が正しくて間違っているのかも分かったし、バンドメンバーから高度な音楽理論も教えてもらえたし。2023年、30代半ばのこのタイミングでここまで音楽と向き合えたことは、すごく良い経験になりましたね。すべて今度の音楽制作に活きていくと思います。


-今後はどんな展開を考えているんでしょう?


JUVENILE:それはもう『INTERMISSION』の第2弾ですよ。次は新しい曲のカバーもやってみたいですね。先日、インスタで「どんな曲をやってほしいですか」とアンケートを取ったら、TikTokで流行っている曲がいっぱい出てきて。「可愛くてごめん」(HoneyWorks)とか。「トークボックスでどうカバーするんだよ! 無邪気ゆえの暴力だ!」と思いましたけど(笑)。でも、そういう想像つかないカバーもやってみたいです。なかなかいないでしょうけど、清野さんに続く若手のトークボクサーとまたコラボもしていみたいし。あとはライブを増やしていきたいなと思っています。それで、最近はYMOのパフォーマンス映像をすごく参考にさせてもらっているんですよ。今回のバンドメンバーとそれこそ硬派なライブを成立させられたらなって。


Interviewer:平賀哲雄

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