大波乱!? 2000年洋楽ミュージック・シーンを振り返る【7~9月】

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2000年ミュージック・ニュース

音楽業界において、2000年はまさに大忙しの年だった。本当に様々な出来事があった。CreedLimp Bizkit、Creed 対 Pearl Jam、Creed 対 Creedのベーシストの闘いとまったく関係ない出来事もあったほどだ。

ま、あまり多くはないけど、少しはあったということで(初めてEminemが離婚の手続きを始めたっていうのを聞いたとき、どこにいたか覚えてる人いる? なんで覚えてるか、覚えてる? もし覚えてるような人なら、ロンチ宛てに頻繁にeメールを送ってくれる?)。

1年分の音楽ニュースなんて、膨大な量(忘れてるかもしれないけど、今年はうるう年だったんで、普段より0.27パーセントもさらに量が多い)を振り返る最良の方法は、ドンとまとめて月順にみていくことだろう。

では、継続する歴史のなかでも、最も興味深いであろう12ヵ月を一緒に散策してみよう。

2000年
7~9月


Lynyrd Skynyrd



Sting



The Beatles
7月気味悪いといえば、とんでもない話がある。フロリダにあるLynyrd Skynyrdの故Steve Gainsと故Ronnie Van Zantの墓が荒らされた。警察が現場に着いたときには、Van Zantの棺桶がこじ開けられ、Gainesの火葬された遺骨があたりに散らばっていた。

もっと軽い話題に移ろう。Stingがチャリティーのためにチェスのグランド・マスター、Gary Kasparovと一戦を交えた。2人の対局は『Good Morning Amerca』で生放送されたのに加え、マジソンスクエア・ガーデンの巨大スクリーンにも映し出された。結果はKasparovの圧勝。

さらに、もっと軽い話題を。Dr. Dreが自分のライヴで“性的にきわどい映像”を流すのを阻止された件で、デトロイト市を訴えることを考えていると発表した。「Dr. Dreは、彼らの措置に完璧に気分を害した」と彼の弁護士が伝えているが、我々みんな同感である。

サンフランシスコの裁判所がレコード業界の申し入れを認め、Napster(Metallicaの大ファンの会社だよ、覚えてる?)にサイトの閉鎖命令を下した。ところが、この閉鎖命令の決定は執行目前に控訴裁判所で覆されてしまった。

英国の音楽誌、Mojoが、読者によるソングライター人気投票の結果を掲載。不滅の名曲、第1位に輝いたのは、The Beatlesの「In My Life」。2位、3位の曲は、「Satisfaction」「Somewhere Over The Rainbow」。さらに「Tracks Of My Tears」「People get Ready」「The Times They Are A-Changin'」がトップ10に入っている。どうやら、マジらしい。Britney Spearsのヒット曲「Baby...One More Time」は97位、それでもEminemSmashing Pumpkinsの曲よりかはずっと上。


Eminem



Baha Men



Rancid



Radiohead
8月ラップの神様、Eminem(僕らが彼を好きなのは、彼だからに他ならない)が、この月、妻のKim Mathersとの離婚手続きを始めた。広報担当の発表はこうだ。「2人の関係が、くっついたり、離れたり、波のあるものだったことは、マスコミで詳しく報道されている。インタヴューを読んだりして、彼らのこの2ヵ月間の生活ぶりを知っている人には、今回の決断が論理にかなったものだという結論にたどり着くだろう」。

さらに暴力沙汰のニュース。カリフォルニア州パサデナで行われたSource Hip-Hop Awardsの授賞式で、会場と楽屋の両方で喧嘩が始まり、警察が参入して式は途中で中止となった。Dr. DreがLifetime Achievement Award(功労賞)を受賞した直後に、ボトルやCD(受賞作品なのに!)がステージに投げられつけられ、観客は会場から出るように命じられた。報道によれば、Bone-Thugs-N-HarmonyのKrayzie BoneとMobb DeepのHavocが、この喧嘩で派手に殴られたという。

Baha Menが最高のくつろぎソング「Who Let The Dog Out?」をリリース。

Creedが結成メンバーであるベーシストのBrian Marshallに別れを告げた。脱退は“友好的なもの”で“プロとしておよび個人的な相違”によるものという。なんて、オリジナルな理由だろう。最先端のバンドじゃなかったっけ?。

もし、これがRancidだったら、頭が爆発してたぞセクション:中華人民共和国では、ライヴの観客は立ったり、踊ったりしないことになっているが、英国のバンド、Jamesが北京でライヴをしたときは、この決まり事はあっさりと破られてしまった。1万人以上の観客の多くは立ってるか踊ってるか、もしくはその両方であった。ライブの後には、中国の人気新聞で絶賛のレヴューが掲載され、さらにテレビで2時間半のJamesドキュメンタリー番組が放送された。西側から見てて皮肉に思えるのは、彼らのヒット曲はたしか「Sit Down(座って)」だったような。

たいがいのバンドはRadioheadほど時間が有り余っていない。リリースが延び延びになっていた、『OK Computer』に続く待望の新アルバム『Kid A』についてのインタヴューの中で、ギタリストのEd O'Brienが「Knives Out」という曲、1曲を完成させるのに373日も費やしたことを告白。おまけにこの曲、アルバムに入ってさえいない! 問題はどうやら、レコード会社(Parlophone)がイジワルをして、バンドに新アルバム制作の締め切りを決めてあげなかったからみたいだ。「未完成の曲が山ほどあったら、どこに的を絞ればいいんだ?」とBrian。どこって…ねぇ。


Blink 182



Sisqo



'N Sync



Hole
9月この月から毎月Eminemの話題が続く。まずはMTV Video Music Awardsで「The Real Slim Shady」が年間ベスト・ビデオとベスト男性アーティスト・ビデオを受賞。他の受賞者は、Blink 182(「All The Small Things」)がベスト・グループ・ビデオ、Sisqo(「The Thong Song」)がベスト・ヒップホップ・ビデオ、'N Sync(「Bye Bye Bye」)がベスト・ポップ・ビデオ。授賞式でのBritney Spearsのストリップ、もといパフォーマンスもなかなか印象に残った。というのも、酔っ払ったRage Against The Machineのベーシスト、Tim Commerfordがステージによじ登って、警備員に追い出されるという騒ぎがあったから。そういえば、MetallicaのTシャツを着たNapsterの開発者、Shawn Fanningも会場から追い出されてたような。

公式記録:The Beatlesの『Revolver』が、Virginが集計した永遠のトップ1000(1000??)アルバムの1位に輝いた。Beatlesは他にも『Sgt. Pepper』(3位)、『The White Album』(5位)、『Abbey Road』(8位)がトップ10入り。スタジオ立てこもり犯のRadioheadは、2位(『The Bends』)と4位(『OK Computer』)を獲得。

HoleのCourtney Loveが出版社のHarperCollinsと“彼女の音楽業界での経験”を綴るという注目必至の本の執筆契約を結ぶ。なんか、聞いたことあるような。

Strawberry Fieldじゃないけど連れて行ってあげるセクション:John Lennonを射殺した犯人、David Chapman保釈の可能性が浮上。彼はLennonだったら許してくれると発言。「彼(Lennon)は進歩的な考えをするだろうし、僕のことを気にかけてくれると思う。彼だったら僕の保釈を望むと思う」。保釈申請は10月に却下された。

再び、Eminem。今年はまるでずっと裁判所に寝泊りしてたような彼だが、この月は、母親のDebbie Mathers-Briggに1000万ドルの損害賠償を求める訴訟を起こされ、ミシガンの裁判所で3時間に渡る供述を行った。母親の言い分としては、Eminemがインタヴューで彼女のことを麻薬中毒と呼びんで中傷したというもの。この件に関し、ミスターSlim ShadyはMTV Awardsの授賞式でこうコメント。「家族が俺を訴えるたびに、もっとレコードが売れるんだ」。
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