チャーの新作は'70年代を彷彿させる楽曲とギターがいっぱいに詰まった原点のアルバム

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自分自身が信じるロックを自然体で表現したニューアルバム

ギター1本を抱えて世界を渡り歩くチャーが放つ1年2ヶ月振りのニューアルバムは『Mr.70'S YOU SET ME FREE』。
そう、チャーの原点でもある'70年代を彷彿させる楽曲とギターがいっぱいに詰まったアルバムだ。
プレイの随所に'70年代のフレーヴァーが香り、その時代の音楽を聴きこんだ人にはどこか懐かしい、
でも、その時代の音楽を知らない人にも新鮮で刺激的な音を聴くことができる。
しかし、これは後退などでは決してない。
古いとか新しいの問題じゃなく、チャーというアーティストを形作った音楽が抽出され、
ジム・コプリーとのコラボによって編み直され、新しい音楽となって'03年の今に提示されたのだ。

このインタビューは快心の作品を完成させたチャーを直撃。
'70年代に対する思い入れや、その時代に生まれたロックの重要性、
チャー自身が影響を受けた音楽について話を訊いた。
ミュージシャンとしてのチャーが何を追い求めているのか、その片鱗でも読み取ってもらえればいいのだが。

やっと48歳にして、喜怒哀楽をエレキギターで表現できるようになった 

最新アルバム

『Mr.70'S YOU SET ME FREE』
2003年11月29日発売
UPCH-1309 2,913(tax out)


1.SAVE IT FOR A RAINY DAY
2.GIRL
3.YOU SET ME FREE
4.BLACK & YELLOW
5.CAST AWAY
6.JAY
7.UNEXPECTED
8.SPRITE SPRINTER
9.MIDNIGHT EYES
10.CLOUD 9
11.BUT YOUR LOVE'S 4-EVER
12.UNDERHILL DAYS

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2004ライヴツアー
<Mr.70'S YOU SET ME FREE>
1月16日(金)東京天王洲アートスフィア
18:15開場/19:00開演
問:ソーゴー東京 03-3405-9999

1月17日(土)東京天王洲アートスフィア
18:15開場/19:00開演
問:ソーゴー東京 03-3405-9999

1月18日(日)東京天王洲アートスフィア
17:15開場/18:00開演
問:ソーゴー東京 03-3405-9999

1月21日(水)福岡ZEPP
18:00開場/19:00開演
問:キョ-ドー西日本 092-714-0159

1月22日(木)広島CLUB QUATTRO
18:00開場/19:00開演
問:夢番地広島 082-249-3571

1月24日(土)名古屋ダイアモンドホール
18:00開場/19:00開演
問:SMC PLAZA 052-265-2666

1月25日(日)大阪なんばハッチ
17:30開場/18:30開演
問:グリーンズ 06-6882-1244

1月27日(火)仙台ZEPP
18:00開場/19:00開演
問:キョ-ドー東北 022-296-8888

1月29日(木)札幌ZEPP
18:00開場/19:00開演
問:WESS 011-614-9999

1月31日(土) 渋谷AX
18:00開場/19:00開演
問:ソーゴー東京 03-3405-9999
Charオフィシャルサイトはコチラ
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――今年でデビュー27周年ですが、70'Sという言葉をここに掲げたわけを教えてください。

チャー:ギター、ロック、そして音楽以外のことも含めて、自分が一番多感な時期が'70年代だったということだね。ロックにとっては'60年代に星の数ほど出てきたアーティストが紆余曲折しつつ、次なるステップを踏み出した時期。有名なバンドのメンバー同士がバンドを結成したりして。そこでできた音楽がとても個性的で、かつ'60年代のポップスと違ってアーティスティックなものが多くなってきた。テクニック的にも向上したよね。あと、白人と黒人の差がなくなってきたというのも大きい。昔は白人と黒人のチャートは分かれていたけど、スティーヴィー・ワンダーのようにチャートをまたいで活躍するアーティストも増えてきた。現場のミュージシャン同士もお互いに与える影響があったんじゃないかな。

――その'70年代にどのようにギターに引き込まれたんですか?

チャー:'70年代ってオレが10代の頃なんだけど、ティーンエイジャーって音楽に限らず何事でも一番吸収できる年頃、それとすごく背伸びをしたい年頃だよね。バイク、運動部、受験、そしてセックスとか、人生で初めて何かに熱中しなければならないのがその時期でしょ。イヤでもね。オレもその頃にはギターを持ってもサマになるような体格になってきて、これで女の子にモテるかもしれないというような、直接音楽とは関係ないけど男の子としての原点がそこで生まれたんだと思う。親には怒られ、近所からは後ろ指を指されながら(笑)。

――ティーンエイジャーの頃にギターに熱中できたのはどうしてでしょう?

チャー:その頃に、アニキのお古だけど自分のレコードプレイヤーを持てたり、アニキと別の部屋になったりした。それまではオーディオもギターもすべてアニキと共有だったんだ。それでやっと自分だけで音楽を聴く時間などが持てるようになって、エリック・クラプトンジミー・ペイジジェフ・ベックなどを死ぬほどコピーしたのがこの時期なんだ。中学~高校時代だね。それこそ寝食を忘れて没頭したよ。そこまでやったから、今になって考えてみると、その経験が自分の血肉になっているのがよくわかる。


――その頃はいろいろなロックが噴出してきましたね。

チャー:一つのジャンルだけじゃなく他にもいろいろな音楽が出てきた。プログレッシヴもそうだし、ジャズであるべきウェザー・リポートジャコ・パストリアスが入ってきて非常にコンパウンドされた音楽が出てきたり、カントリーからイーグルスが出てきたり。そういういろいろなところから勝ち上がってきた奴らは当然テクニックもすごくて個性も強烈だよね。そこに共通なものは何かというと、それが“ロック”ということだと思うんだ。そして英米を通り越してジャマイカなどの世界中からロックが発生するようになった。そういうものがすべて'70年代に集約されていて、乱暴な言い方をすれば、'75年くらいでロックはピークを迎えてしまったかなと思う。それ以降は純粋なものはなく、商業主義的なものが大きくなりすぎて。

――相棒のジム・コプリーとは何が惹き合うのでしょう?

チャー:10数年前にジムと出会った。彼はロンドン生まれで、レッド・ツェッペリンのデビューコンサートをマーキーで見たとか言うわけよ。付き合っているうちに、同じ匂いのするものを聴いてきてるってことがわかった。あれだけ情報のない時代にイギリスと日本に離れて住んでいてもだよ。逆に言うと情報がなかったから、自分の嗅覚で嗅ぎ分けてきてたんだよね。あいつは向こうでプロになって、オレは日本でプロになって、そして出会って“せーの”で何かをやろうとすると、2人にある共通言語である'70年代の匂いが自然に出てきたわけよ。

――具体的には?

チャー:何々風にとか、こういうビートでとか、テンポとか言わなくても、オレが“ジャジャジャ”って始めるとどこが一拍目かわかるし、ビートは倍なのか半分でとってるのかもわかる。自分達に知らないうちにインプットされている何万という数のロックのリフのボキャブラリーが引っ張り出されるんだろうね。これをどれだけ共有しているかによって音楽の遊び方が変わるんだ。こっちが無意識に何万分の1かのフレーズを出すよね、これは昔コピーした誰かのフレーズなんだよ。それに対して向こうも瞬時にドラムのフレーズを引っ張ってくる。これが決まった時って気持ち良いんだよ。そして自分の中の別のレベルにインストールされているものの中に“こう来たらサビはこう行くよな”っていうのがある。それもアイコンタクトでわかっちゃうから、同時に行けちゃうんだよな。

――このアルバムは実質的には2人で作ったんですね。

チャー:自分達が楽器を持った時に一番ストレートに出せる音でアルバムを作っちゃおうということで。'70年代を総括しようとかそういうことじゃなくて、自然に出てきたものなんだよね。でも、自分の音楽ができあがっていくにつれて、こういう音楽をオレにやらせているのって、やっぱり'70年代にいたアーティスト達なんだなぁと思った。彼らがある意味でやり残したことをオレ達は模索してやってんのかなと。だから、この音楽っていうのは、ローティーンのような洗練されてない乱暴な音が多い。でもそれをあえてオレ達がやったら、ただガサツで乱暴なだけじゃなく、無理して若ぶってないちゃんとした不良の大人の音になるんじゃないかなと。着飾った部分じゃなくて、自分の日常を出したいと思ったんだよ。社会にいる俺じゃなく、もっともっと根源的なオレっていうところでギターを持ってね。やっと48歳にして、喜怒哀楽をエレキギターで表現できるようになったのかな。

――CDを聴き通してみて、引き出しの多さに驚きました。「JAY」での6/8拍子を4つで取っていく感覚、「UNDERHILL DAYS」でのオクターバー、「UNEXPECTED」のソロは最初マンドリンかと思いました。

チャー:あれは12弦なんだよ。ここは12弦のソロだなって聞こえてくるんだよ。それが'70年代のアーティストを聴いてハマって、知らないうちに分析までしてたっていうことなんじゃないかな。それくらいいろいろなアーティストが出てきたからね。

――アルバムを作り終えての感触はどうですか?

チャー:いまは歩きながら音楽が聴ける時代になった。そしてコンピュータでダウンロードできたりケータイで聴ける。こういう風に情報量が増えて何でもできるようになればなるほど、オレ自身は昔に戻ると思うんだ。本当に面白いものっていうのは、自分で実際に行ってつかんでこないとわからないじゃん。でも、近い将来に二極化するんだろうな。使い捨てのものと使い続けられるべきものっていうのは。そんな時に、捨てられないアルバムになってくれればいいなと思うね。

取材・文●森本智

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