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マリネロのHardly Artデビュー作である『Hella Love』は、1つの章を閉じるためのアルバムだ。このアルバムは、ジェス・シルベスターにとって、故郷であり、彼が育ったサンフランシスコ・ベイエリアへの盛大なお別れであり、ラブレターでもある。スペイン語で「船乗り」を意味するMarinero(マリネロ)という名前は、船乗りだった父と、サンフランシスコで育ったメキシコ系アメリカ人の母という、両親の物語に敬意を表してつけられたもの。このレコードは、最初から最後まで様々な世界が融合しており、奥に進むほどに衝撃が大きくなる。これは彼のThe Bayへの別れの言葉なのだ。

60年代〜70年代に活躍したクラシックなラテンアメリカのグループや国際的な作曲家から音の影響を受けているシルヴェスター。ロス・テリコラス、エンニオ・モリコーネ、エスキヴェル、キャロル・キング、セルジュ・ゲンズブールなど、60年代から70年代にかけてのラテンアメリカのクラシックグループや国際的な作曲家から影響を受けたサウンドを収録した「Hella Love」では、シルベスターがクラシックのアレンジとさまざまなジャンルを融合させ、チカノ・バットマン、コンナン・モカシン、クリス・コーエンなどの現代のアーティストと融合した音のノスタルジーを感じさせてくれる。このアルバムは、ジェス・シルベスターが作曲、演奏、プロデュースを担当し、ベイエリアのエンジニアであるジェイソン・キック(Mild High ClubのSkiptracing)の協力を得て、カリフォルニア州オークランドのTunnel VisionとSanto Recordingで制作された。

傑出したシングル「Nuestra Victoria」について、シルベスターは次のように語っている。「この曲は、SFの高級化、特に私の母と家族が育ったミッションの高級化について、私なりに語ったものです。この曲は、La Victoriaというベーカリー(パン屋)のことを歌っていて、母とティアスが育った頃に通った場所で、今はもうない私も通った場所なんです。 今はもうありませんが、私の母とティアスが子供の頃に通っていたパン屋です」。

「Through the Fog」は、シルベスターがトロピキア・ムーブメントから影響を受けた曲で、ボサ・リズムに豊かなパーカッションとオーケストレーションを織り交ぜている作品。SFの悪名高い霧を「困難な時代」の比喩として用いたこの曲は、薬物乱用の問題や失恋などの辛い経験を乗り越えさせてくれた友人や家族に捧げる曲であるとシルベスターは説明している。「歌詞の中には、ベイエリアの人々や過去に私の音楽を聴いたことがある人向けのイースターエッグがいくつかありますが、ほとんどは、仲間や家族からの愛とサポートで困難なことを乗り越えることを歌っています」。

またアルバムのタイトル曲「Hella Love」は、彼の両親がどのようにしてベイエリアに辿り着いたかというストーリーをまとめたもの。1番の歌詞は、父親が60年代後半に船乗りとして西部へ航海に出たことを表しており、2番の歌詞は、母親が幼い頃にミッション地区に引っ越した経験を表している。

マリネロの音楽やアイデンティティを分類したり、一般化したりすることは難しい。彼にとっては、自分の音楽が語ってくれることが重要なのだ。「このアルバムでは、私の個性や音楽的な嗜好が表現されていると思います。このアルバムには、私の個性や音楽の好みが反映されていると思います。私は、よくある一般化された考えよりも、恐れと愛の両方を持つ人間であり、楽観主義を共有し、一瞬でも喜びと笑いを経験するために、他の人とつながりたいと思っています」。

ジェス・シルベスターは様々な経験をしてきており、これからもその旅路を共有していくことだろう。この才能豊かなクリエイターが、まだまだ語りたいことがあるのは明らかなのだ。