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ジャケットや写真を見る限りでは彼女がラップしているとは、ヒップホップに明るい人でなければ分からないのでは。それもそのはず、彼女は昨今のブームで現れた女性ラッパーとはキャラの打ち出しが違い、またセクシーさを売りにするわけでもない。元々はニューヨーク・ナンバー・ワン・ラジオ・ステーションであるでヒップホップ番組のDJ(ラジオのホスト)として活躍していた。

ブルックリン出身、ブロンクス育ちの彼女は生まれつきヒップホップと近い環境に身を置いたプエルトリカンである。そんな彼女は10代の頃、道を外れた生活を送り、それに見かねた母親は彼女を更正の為にマイアミへ飛ばした。しかしマイアミで彼女が得た仕事というのがラジオ局の雑用であった。その経験により彼女は進むべき道をしっかりと見極め、ニューヨークに戻った後に就職した。そして彼女は人気プログラムである毎週金曜夜8時からの「レディース・ナイト」のホストに抜擢される。DJにはまた人気女性DJのJazzy JoyceとCocoa Chanelleが務め、毎週出演するゲストも音楽業界で活躍する女性をフィーチャーし、ヒップホップの番組では唯一、女性一色の番組であった。そしてFunkmaster Flexなどの大物DJとも番組を作り、ラジオ番組を通じてリスナーだけではなくアーティストとの親近感を持つようになった。

そして彼女の転機はKRS-Oneからラップを教わるという前代未聞の事件だろう。これは彼女について回る有名な話しになっているが、「The Science Of Rap」というKRS-Oneの著書(MC養成本みたいなもの)を実践、いや実験台として彼女に白羽の矢が向けられたのである。もちろん彼女の才能を見抜いたのは何よりもKRS-Oneであり、真っ先に『I Got Next』の収録曲「Heartbeat」にRedmanと共に参加することになる。その後の活躍は言うまでもなく、Mary J.BligeLil' Kimの作品などに参加。そして、ホストとして常にヒップホップ・シーンを陰で支えてきたAngie Martinezが2001年ついに表舞台にあがることになる。

文●桜井克彦(01/07/16)