日本音楽著作権協会(JASRAC)、ブロックチェーン技術を活用した存在証明機能を備える楽曲情報管理システム「KENDRIX」のクローズドβ版をリリース

一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)



日本音楽著作権協会(本部:東京都渋谷区、理事長:浅石 道夫、以下「JASRAC」)は、2022年6月28日、ブロックチェーン技術を活用した存在証明機能を備える楽曲情報管理システム「KENDRIX」のクローズドβ版をリリースしました。

■KENDRIXとは
「すべての音楽クリエイターが Creation Ecosystem に参画できる世界へ」というコンセプトのもと、音楽クリエイターが安心して楽曲を発表でき、適正な対価還元を受けるための各種手続きのハードルを下げることを目的としたクリエイターDXプラットフォームです。
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KENDRIXという名称は「KENRI(権利)」と「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」のアナグラムです。

■KENDRIX開発の背景
音楽業界ではストリーミングサービスの定着に伴い、楽曲制作からマーケティング、ディストリビューションまでを自ら行う個人の音楽クリエイター(DIYクリエイター)が増加しています。これらDIYクリエイターにおいては「音楽配信等から得られる収益とは別に、著作権管理団体等を通じて著作物使用料の分配を受けられる」ことが認識されていない、という実情があります。

さらに、実証実験を通じてDIYクリエイターには自身の楽曲の無断利用や、なりすまし公開に対する対抗手段がないこと、著作物使用料分配の仕組みやJASRACとの管理委託契約・楽曲登録が複雑・煩雑で、既存の著作権管理システムの利用はハードルが高いという課題が明らかになりました。

JASRACは、これらの課題解決に向けて、ブロックチェーン技術を用いた存在証明機能を備え、JASRACを含む音楽関係のさまざまなビジネスパートナーとのデータ連携、各種申請・登録や契約を定型化・簡素化して電子化する楽曲情報管理ツールの開発に着手し、音楽クリエイターの協力を得ながら、リリースに向けて実証実験を重ねてきました。
(参考:2021年5月24日プレスリリース https://www.jasrac.or.jp/release/21/05_3.html )

■KENDRIXの機能
音源ファイル等をKENDRIXに登録すると、以下の情報がブロックチェーンに登録されます(制作途中の音源でも登録が可能です)。
・音源ファイルのハッシュ値
・タイムスタンプ
・ユーザー情報、タイトルとバージョンの情報(一つの楽曲情報に対し、複数の音源ファイルを登録して、バージョン管理することが可能です。)
これにより、ある音源ファイルを誰がいつの時点で所有していたのか、という事実を客観的に証明することができます。そして、ブロックチェーンに登録された情報を表示する「存在証明ページ」を公開することができます。
動画配信プラットフォームやSNSで楽曲を公開する際に、存在証明ページの公開用URLを添えることで、存在証明を取得している音楽クリエイターであることが第三者に伝わり、不正利用の抑止力となることが期待されます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/71197/27/resize/d71197-27-51a0ef7e0a3cd7767ecb-1.png ]

存在証明ページのイメージ

[画像3: https://prtimes.jp/i/71197/27/resize/d71197-27-5f2d856fd0fa832edcaf-2.png ]

今後、合計10組程度の音楽クリエイターがテストユーザーとしてクローズドβ版を使用する予定です。テストユーザーによるレビューとフィードバックを得て、一般公開に向けて機能の改善・改良を図っていきます。

■KENDRIXの正式サービス開始について
KENDRIXはこうしたブロックチェーン技術を活用した存在証明のほかに、eKYCを用いたオンライン完結型の契約機能等を実装し、2022年10月に誰でも無料で使える正式サービスを開始する予定です。KENDRIXの一般公開に関する続報にご期待ください。

JASRACは、今後もテクノロジーの活用を通じて音楽クリエイターの創作活動をサポートしてまいります。

■関連情報 KENDRIX Mediaについて
「すべての音楽クリエイターが Creation Ecosystem に参画できる世界へ」というコンセプトのもと、2022年3月31日にメディア「KENDRIX Media」を公開しました。音楽クリエイターの皆様に役立つ情報をわかりやすく発信していきます。ぜひご注目ください。
[画像4: https://prtimes.jp/i/71197/27/resize/d71197-27-ac5612e5bd8d81910cc9-3.jpg ]

KENDRIX Mediaはこちら https://kendrixmedia.jp

■一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)について
JASRACは作詞家、作曲家、音楽出版社等の権利者から音楽の著作権の管理委託を受け、音楽を利用する方々に利用を許諾し、その対価としてお支払いいただいた著作物使用料を著作権者に分配しています。1939年に国内初の著作権管理団体として設立され、80年以上にわたり、著作権管理のプロフェッショナルとして音楽文化の発展に向けた努力を続けています。

団体名  :一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)
代表者  :理事長 浅石 道夫
本部所在地:東京都渋谷区上原3-6-12
設立   :1939年11月18日
URL   :https://www.jasrac.or.jp
事業内容 :音楽の著作物の著作権に関する管理事業、音楽著作物に関する外国著作権管理団体等との連絡及び著作権の相互保護、私的録音録画補償金に関する事業、著作権思想の普及事業、音楽著作権に関する調査研究、音楽文化の振興に資する事業

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