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'60年代後半から''70年代前半にかけて、ジャズファンクをプレイするバンドが大勢出てきたが、今ではせいぜいグルーヴィな音楽のコンピレーションアルバムで取り上げられるくらいで、音楽の歴史の中では脚注程度の扱いになっている。そして、このKool & The Gangも下手をすれば、そうやって消えていったグループの仲間入りをするところだったかもしれない。

しかし、シンガーのJames "J.T." Taylorのもたらしたスマートなポップ感覚のおかげで、彼らは大勢の人に愛され続けることとなる音楽的な財産を作り上げることが出来たのだ。

成功物語も始まりは控えめだった。彼らは、ベーシストのRobert "Kool" Bellを中心に、ジャズアンサンブルとしてニュージャージー州のジャージーシティで結成された。高校生くらいの年代の若者ばかり7人も集まったこのバンドは、やがて自らのサウンドにR&Bを取り入れるようになり、''69年にDe-Lite Recordsと契約を結ぶと“Kool & The Gang”がそこそこのヒットを記録する。

さらに、アルバム『Hustler''s Convention』では、詩人のLightin'' Rodを起用したりもしている。しかし、彼らが本当の意味での成功を収めたのは''74年のことだった。ファンキーな“Jungle Boogie”や“Hollywood Swing”がチャートのトップ10入りするヒットとなり、アルバム『Wild And Peaceful』は100万枚を越える売り上げを記録する。

これまでも、ジャズやR&Bの分野ではそれなりのヒットを飛ばしてきた彼らだが、ヒットを連発するヒットマシーンとなったのは''78年に訪れたメンバーチェンジのおかげだった。シンガーにJames Taylorを迎え、プロデューサー兼キーボードのEumir Deodatoも加入した彼らは、その後6年間にわたってチャートからその名前が消える日がないほど、ヒットを産み続けた。これには、James Taylorがバラードを歌うことが出来る声の持ち主だったことも大きい。そして、''80年には彼らにとって最大のヒットとなった“Celebration”がリリース。世界中で歌われる曲となる。

時代が進むに連れて、彼らは''85年にリリースされた“Misled”のようなロック色の強いサウンドに傾いていく。しかし、''87年ごろにはヒットも出にくくなり、''88年にはソロシンガー/俳優として活動することを目指したJames Taylorが脱退してしまう。

だが、バンドもJames Taylorも''90年代は思うような活動をすることが出来ず、''96年に『State Of Affairs』でJamesが復帰することとなる。しかし、焦点の定まらないアルバムは、商業的にも、内容的にも失敗作となり、現時点で彼らにとって最後の作品となっている。

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