【BARKS編集部レビュー】遂に登場した開放型ハイブリッドイヤホンDUNU ALPHA 1、攻略のツボ

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ここにきて、チェックすべき注目イヤホンが続々と登場してきているけれど、なかでもこいつだけは見逃すわけにはいかない。DUNU(ドゥーヌゥ)の放つ新製品ALPHA 1(アルファワン、通称A1)である。

◆DUNU ALPHA 1画像

ご存知の通り、イヤホンといえば今ではカナル型が全盛となっている。いわゆる耳栓型…耳の穴へズボッと突っ込むタイプで、遮音性高く音漏れも気にならないといういいことずくめのタイプだ。一方で、iPhone純正イヤホンのEarPodsのような昔ながらの開放型インナーイヤータイプは、専門ショップでもバリエーションは少なく新製品自体も極端に少ない。遮音性は低く音漏れもあるため、どうにも使いにくいと多くの人が敬遠してしまうためだ。

そんな不遇のインナーイヤータイプだが、もちろんカナル型にはない魅力があるのも揺るがぬ事実だ。装着感とそのサウンドは極めて自然で、カナル型のような閉塞感がない。その音像の広がりこそインナーイヤーの真骨頂で、生活環境音の中で音楽が共存するその心地よさは至福のミュージックライフを生み出してくれる。耳栓のように外音をシャットアウトしていてはスマホのアラートや生活での大切な音を逃してしまうけれど、インナーイヤーは、日々の中でそっと音楽のレイヤーを重ねるような、そんな生活スタイルをごくごく自然に提供してくれるのだ。


今回DUNUから登場してきたALPHA 1を注目する理由は、そんな数少ないインナーイヤーの新モデルであるというだけではない。インナーイヤー初となるダイナミック+バランスド・アーマチュアのハイブリッド構造を持って登場した、かつてなかったほどの高額ハイエンドモデルなのだ。

ほとんどのモデルが数千円で手に入るという比較的安価なインイヤー・イヤホンの中にあって、ALPHA 1は2万円を超える価格で登場してきた。これまでにない高スペックと高価格をもって登場したこともあり、ALPHA 1への期待値は当然のように高く、求められるサウンドクオリティのハードルも相当なものだろう。実際私も「この価格で登場する以上、考えうる最高の音質が堪能できるもの」と期待していたし、生ぬるい完成度では許さんぞ、という前のめりな期待感でいっぱいだった。

ということで、期待いっぱいにALPHA 1を入手し愛用し始めたわけだが、第一印象は実在感のない軽薄な鳴り方に「あかーん、これは問題外やろー」と思った。が、高品質なイヤホンを次々と繰り出してきた天下のDUNUが、そんなアホな完成度で世に放つわけがない…と思い直し、使いこなしに何かポイントがありそうな気がする…と、使い勝手をいろいろ探ってみたところ、分かりました。こいつのツボどころ。



ALPHA 1の使いこなしは耳のフィット感にある。注意すべきがこの特徴的なフィンチップで、あっけないほどストレスなく耳にセットされてしまうので、装着性は100点満点なのだけど、耳に対しハウジングが空に浮くようにセットされ、フィンチップがまるで制振パーツのような働きをしてしまう。まさしく振動を抑えるショックマウントになることが最大の特徴で、ここが攻略ポイントだ。おそらくの基準点はそれなりの音量と思われ、フィンチップで耳にフィットさせて十分な音量で再生すると素晴らしい音質と完璧なバランスで身体中を音楽ですっぽりと包み込んでくれる。この時の音楽のハンモックで揺れているようなサウンド空間は、ALPHA 1が作り出す極上の音楽体験だ。

ただし、これが結構な音量のため「もうすこしひかえめなボリュームでBGM的に音楽を楽しみたい」と思うと、フィンチップのショックマウント効果が災いし、低域がごっそりとスポイルされてしまう。この状態が、第一印象として伝えた「実在感のない軽薄な状態」である。ボリュームを上げないでバランスを取るには、フィンチップを外しノーマルな円形チップに差し替え、チップの接触面から耳殻へ軟膏伝導を含めたセッティングに変える必要がある。この点に関しては、ハイブリッドが抱える問題として、ダイナミック・ドライバーとBAドライバーのリニアリティの違い…つまりボリュームによって両ドライバーのバランスが変わってしまう点もあるわけで、小さな音量で楽しもうとするとダイナミック・ドライバーの出力が相対的に弱まる点も関係しているかもしれない。

いずれにしろ、ふんだんに付属するフィンチップのフィット感と音量との関係性によって、低域を中心としたバランスは、思いのほか自分好みのバランスにコントロールできる。自分にとって心地よいサウンドと装着感を見つけるにはある程度の試行錯誤も必要かもしれないが、それに対し満足すべきハイクオリティなサウンドを確実に返してくれるのもALPHA 1の凄いところだ。

ハイブリッド構造だが、音を聞く限りそれぞれのドライバーはフルレンジで鳴っているようだ。バランスド・アーマチュアのドライバーは耳穴奥方向を向くように設計されており、ダイナミックドライバーによる弱ドンシャリな広帯域な基本トーンに、中域のボーカル帯域をピリッと立たせるようなスパイス部分を担う設計と思われる。

サウンドに関してはもはや隙はない。インナーイヤータイプで最高レベルのサウンドが欲しいと思ったら、事実上選択肢はALPHA 1しかないだろう。強いて希望を言うとすれば、2.5mmのバランスプラグ・バージョンが欲しいなぁ。

text by BARKS編集長 烏丸哲也





●DUNU ALPHA 1


オープンエアータイプ(開放型/インナーイヤホン)
ドライバー:ハイブリッド型(バランスドアーマーチュア+ダイナミック16mm)
感度:125±2db
インピーダンス:16Ω
再生周波数:10hz - 30khz
コード:約1.2m
プラグ:金メッキ 3.5mm ステレオミニ
重量:17g

◆DUNU ALPHA 1オフィシャルサイト
◆BARKSヘッドホン・チャンネル
◆BARKS カスタムIEM専門チャンネル

BARKS編集長 烏丸レビュー

■イヤホン ●ヘッドホン ◆カスタムIEM ◇他
■Fidue A71(2014-11-23)
◆AAW M20(2014-11-16)

◆Ultimate Ears UE 7 Pro(2014-11-3)
■絶対失敗しない攻めのサウンド、お薦めイヤホン6品(2014-10-21)
■NOBLE AUDIO Kaiser 10 universal(2014-10-18)
◆カナルワークスCW-L71PSTS(2014-10-12)
■UCOTECH IL300 affetto(2014-10-05)

◆rhines stage 4U(2014-09-28)
●ROCK JAW ACERO(2014-09-21)
◆Westone ES60(2014-09-14)
■Astrotec Lyra(2014-09-08)
■NOBLE FR(WIZARD)(2014-08-26)

■Fidue A83(2014-08-19)
◇Musician's Ear Plugs(2014-08-10)
◆Noble Audio 5C R Configuration(2014-07-27)
◆FitEar萌音-MONET(2014-07-21)
■SHURE SE112(2014-07-13)

■Blue Ever Blue 878(2014-07-01)
■茶楽音人Donguri-楽(RAKU)(2014-06-24)
■オーディオテクニカATH-CKR10(2014-06-14)
◇estron Music、BaX(2014-06-03)
■OSTRY KC06(2014-05-18)

◆VISION EARS VE6 Xcontrol(2014-05-25)
■Fidue A81(2014-05-17)
◆カナルワークスCW-L32(2014-05-04)
■アルティメットイヤーズUE900s(2014-04-26)
■Astrotec AX60&AX35(2014-04-20)

◆CUSTOM ART Pro 330v2(2014-04-13)
●MPC Headphones(2014-04-06)
●Klipsch STATUS(2014-03-30)
●SMS Audio STREET by 50 DJ Pro Performance Headphones(2014-03-23)
◆AK240×カスタムIEM(2014-03-16)

■RHA MA750(2014-03-09)
■Meze 11 Deco(2014-03-02)
◇Astell&Kern AK240(2014-02-22)
◆1964 EARS V6-Stage(2014-02-17)
◆カナルワークスCW-L32V(2014-02-09)

◇EarPeace HD(2014-02-02)
◆Noble Audio Kaiser 10(2014-01-19)
◆Clear Tune Monitors CT-300Pro(2014-01-04)
◇KLIPSCH KMC1(2014-01-01)
■DUNU DN-1000(2013-12-30)

◆Ultimate Ears Reference Monitors(2013-12-16)
◆Ultimate Ears 11 Pro(2013-12-08)
◆earmo Tune5(2013-12-03)
●オーディオテクニカATH-OX7AMP(2013-11-23)
■音茶楽Donguri-欅(KEYAKI)(2013-11-17)

■オーディオテクニカ ATH-IM01~04(2013-10-27)
◇Astell&Kern AK10(2013-10-25)
●フィリップス Fidelio M1(2013-10-22)
◆earmo Tune4(2013-10-12)
◆Ultimate Ears Personal Reference Monitors(2013-10-05)

◆Sensaphonics 2XS(2013-09-30)
■Earsonics SM64(2013-09-23)
◆LIVEZONER41 LZ12(2013-09-15)
◆Ultimate Ears カスタムIEM全7機種(2013-09-08)
◆null audio Elpis(2013-09-03)

■FitEar Parterre(2013-08-25)
◆カナルワークスCW-L12(2013-08-17)
◆Livezoner41 LZ 4(2013-08-06)
■SHURE SE846(2013-08-02)
■オーリソニックスASG-2 with BassPort(2013-07-28)

■Hippo ProOne(2013-07-21)
◆カナルワークス CW-L51a(2013-07-13)
■EXS X10(2013-06-24)
■音茶楽Flat4シリーズ粋、楓、玄(2013-06-17)
◆LEAR LCM-1F(2013-06-10)

◇Ultimate Ears UEブーム(2013-05-28)
◇Stage93 93PC(2013-05-20)
●Meze Headphones(2013-05-08)
●Fischer Audio Jubilate(2013-04-29)
◇ORB JADE casa(2013-04-21)

◆lime ears LE3(2013-04-14)
◇雑誌「DigiFi 第10号」付録(2013-04-06)
●Ultimate Ears UE 9000、UE 6000、UE 4000(2013-04-01)
■開放型インナーイヤーイヤホンおススメ5モデル(2013-03-19)
◆LEAR LCM-5(2013-03-16)

●フィリップスFidelio L1(2013-02-25)
○スマホが与えた音楽リスニングのモラル変革(2013-02-17)
■Klipsch Image X7i(2013-02-04)
◆LEAR(2013-01-27)
◆カナルワークスCW-L05QD(2013-01-13)

◆earmo(2013-01-02)
◆Westone AC2(2012-12-25)
◇Stage93 93SPEC(2012-12-16)
●California Headphone Silverado、Laredo(2012-12-09)
■音茶楽Flat4-楓(2012-12-03)

◆Stage93 Stage 6(2012-11-26)
●GRADO SR60i(2012-11-19)
◇Astell&Kern AK100-32GB-BLK(2012-11-15)
●オーディオテクニカ ATH-WS99(2012-11-10)
■アトミック フロイドPowerJax+Remote(2012-10-29)

◇VORZUGE VorzAMPduo(2012-10-26)
●ファイナルオーディオデザイン heaven VI(2012-10-16)
●beyerdynamic T 90(2012-10-08)
●GRADO GS1000i(2012-09-30)
●SENNHEISER HD 700(2012-09-16)

◆ACS T1 Live!(2012-09-11)
●オーディオテクニカ ATH-AD2000 ATH-AD1000(2012-09-03)
●GRADO RS1i、SR325is、PS500(2012-08-20)
◆FitEar MH335DW(2012-08-15)
●DIESEL VEKTR(2012-08-07)

◆カナルワークスCW-L51 PSTS(2012-07-30)
●Fischer Audio FA-002W(2012-07-25)
●Pioneer SE-MJ591(2012-07-16)
■GRADO iGi(2012-07-12)
●HiFiMAN HM-400(2012-06-26)

●Klipsch Reference One(2012-06-17)
●GRADO PS1000(2012-06-09)
●ULTRASONE edition 8(2012-06-02)
●PHONON SMB-02(2012-05-28)
■音茶楽Flat4-粋(SUI)(2012-05-20)

●<春のヘッドフォン祭2012>、Fischer Audio FA-004(2012-05-13)
◇Hippo Cricri、Go Vibe Martini+、VestAmp+(2012-05-04)
■ファイナルオーディオデザインheaven IV(2012-04-28)
■フィッシャー・オーディオ Jazz (2012-04-22)
●SHURE SRH1840 & SRH1440(2012-04-16)

■FitEar TO GO! 334(2012-04-08)
◆Unique Melody Mage(2012-03-26)
●Takstar PRO 80、HI 2050、TS-671(2012-03-20)
●klipsch Mode M40(2012-03-15)
■Fischer Audio DBA-02 Mk2(2012-03-07)

◆AURISONICS AS-1b(2012-02-27)
■UBIQUO UBQ-ES503、UBQ-ES505、UBQ-ES703(2012-02-21)
◆Heir Audio Heir 3.A(2012-02-15)
■moshi audio Clarus(2012-02-12)
◆Thousand Sound TS842(2012-02-08)

◆Heir Audio Heir 8.A(2012-02-01)
■CRESYN(2012-01-17)
◆Unique Melody Merlin(2012-01-08)
◆カナルワークスCW-L01P(2012-01-03)
■ファイナルオーディオデザイン Adagio(2011-12-31)

◆LEAR LCM-2B(2011-12-26)
●SOUL by Ludacris SL100、150、300(2011-12-23)
●AKG K550(2011-12-20)
■SENNHEISER IE80 & IE60(2011-12-16)
■DUNU(2011-12-14)

◆カナルワークスCW-L10(2011-12-12)
■オーディオテクニカ ATH-CK90PROMK2(2011-12-09)
◆Ultimate Ears UE 5 Pro(2011-12-06)
■REALM IEM856(2011-12-02)
■ファイナルオーディオデザインAdagio III(2011-11-26)

◇Ultimate Ears用交換ケーブルFiiO RC-UE1&オヤイデ電気HPC-UE(2011-11-25)
●Reloop RHP-20(2011-11-22)
■オーディオテクニカ ATH-CK100PRO(2011-11-14)
■SOUL by Ludacris SL99(2011-11-04)
■Fischer Audio Ceramique(2011-10-25)

■SHURE SE535 Special Edition(2011-10-21)
■JVCケンウッドHA-FX40(2011-10-16)
■BauXar EarPhone M(2011-10-10)
■SONOCORE COA-803(2011-10-02)
◆TripleFi 10 ROOTHリモールド(2011-09-25)

■AKG K3003(2011-09-18)
■Atomic Floyd SuperDarts+Remote(2011-09-11)
■Bowers & Wilkins C5(2011-09-06)
■Westone3(2011-09-02)
◆カナルワークスCW-L31(2011-08-26)

◇ORB JADE to go(2011-08-22)
■YAMAHA EPH-100(2011-08-14)
■NW-STUDIO(2011-08-09)
■NW-STUDIO PRO(2011-08-02)
◆FitEar MH334(2011-07-29)

◆ROOTH SE530×8(2011-07-26)
■Westone ES5(2011-07-21)
●SHURE SRH940(2011-07-17)
◆Ultimate Ears 18 Pro(2011-07-15)
■クリエイティブAurvana In-Ear3(2011-07-06)

◆カナルワークス CW-L01(2011-07-01)
■GRADO GR10&GR8(2011-06-25)
◇SAEC(サエク)SHURE SE用ケーブル(2011-06-21)
■フィアトンPS 20&PS 210(2011-06-17)
■ZERO AUDIO ZH-BX500&ZH-BX300(2011-06-11)

■フィリップスSHE8000&SHE9000(2011-06-03)
■アトミック フロイド(2011-05-26)
■モンスター・マイルス・デイビス・トリビュート(2011-05-20)
■SHURE SE215(2011-05-13)
■ファイナルオーディオデザインPiano Forte IX(2011-05-06)

■ラディウス・ドブルベ/ドブルベ・ヌメロドゥ(2011-05-01)
■ローランドRH-PM5(2011-04-23)
■フィリップスSHE9900(2011-04-15)
■JAYS q-JAYS(2011-04-08)
◇フォステクスHP-P1(2011-03-29)

■Klipsch Image X10/X5(2011-03-23)
■ファイナルオーディオデザインheaven(2011-03-11)
■Ultimate Ears TripleFi 10(2011-03-04)
■Westone4(2011-02-24)
■Etymotic Research ER-4S(2011-02-17)

■KOTORI 101(2011-02-04)
■ゼンハイザーIE8(2011-01-31)
■ソニーMDR-EX1000(2011-01-17)
■SHURE SE535(2011-01-13)
■ビクターHA-FXC51(2011-01-12)
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