プロフィール・バイオグラフィ・リンク
現在のソフト・ロック人気を支える最重要グループである The Millennium を語る時、まずは Curt Boettcherという男から語らなければならないだろう。"コーラス・アレンジの天才" と呼ばれた Curt の出発点は男女4人からなるコーラス・グループ、The GoldeBriars であった。'64年に Epic から2枚のアルバムを出した後、解散。次に Summer's Children というデュオを組み'65年と'66年に2枚のシングルを発表。また同時期、当時の売れっ子シンガー Tommy Roe のヴォーカル・アレンジやコーラスを手掛けヒットさせる。更に The Association のデビュー・アルバムも手掛け、シングル「Along Comes Mary」や「Cherish」を相次いで大ヒットさせた。 '66年 Curt は Tommy Roe のレコーディングで知り合った Sandy Salisbury、Ree Mallory、Michell O'malley らと新グループ The Ballroom を結成、結局このグループはシングルを1枚出しただけで終わるが、この時のデモを聴いたコロンビア・レコードのプロデューサー Gary Usher は、ストリングスや他の楽器をかぶせ1枚のアルバムにまとめあげる。それがSagittarius の『Present Tense』('68年)である。Gary Usher の薦めで コロンビアと契約した Curt はThe Ballroom を発展させた新グループ結成を構想。メンバーとなったのは、The Music Machine というガレージ・バンドを脱退した Doug Rhodes と Ron Edgar、The Ballroom から引き続き Sandy Salisbury、Ree Mallory、Michell O'malley、そしてJoey Stec という7人である。グループ名は The Millennium 。Curt の大学時代からの音楽仲間だった Keith Olsen がプロデューサーとして加わり、レコーディングは'67年から'68年にかけて行われた。 Curt の夢想するファンタジーやアヴァンギャルドなコンセプトを具体化させるべく、当時最新だった16トラックのマルチ・レコーディングを駆使したり、メンバー作の変化に富んだ楽曲に Curt が高度なコーラス・アレンジを施したりと、とにかく時間とアイデアとお金を惜しみなくかけた前代未聞のレコーディングには、Brian Wilson や Janis Joplin も見学に訪れたという。
そうして出来あがった『Begin』は'68年に発表された。結果的に制作費が10万ドルという史上最高の制作費がかかってしまったこのアルバムは、前衛的過ぎるという理由で積極的なプロモーションがされず商業的成功には結びつかなかったが、 内容は単なるポップスから逸脱した傑作中の傑作である。様々なSEやコーラスにばかリ焦点が行きがちだが、サウンド・ギミックに耐えうる頑丈なメロディを持っていること、またPhil Spector がモノラルで完成させたあの濃厚でダイナミックなサウンドを、初めてステレオで再現させことも重要だ。 その後 Curt は、'69年に Gary Usher、Keith Olsen らと新レーベル "Together" を設立。Sagittarius のセカンド・アルバム等をリリースしている。'73年には唯一のソロ・アルバム『There's An Innocent Face』を発表したり、70年代半ばには Bruce Johnston が結成したCalifornia Music の後を継ぎ、California 名義で数枚のシングルをリリースしたりしている。その後ディスコにハマり、 The Beach Boys、Sailor、Geno Washington などのプロデュース行っていたが、'87年6月にエイズにより43歳という若さで他界してしまう。 『Begin』の革新的なサウンドは時代が経てば経つほど評価が高くなり、後年サタディ・レヴューが60年代の最も優れたアルバムのベスト3に選んだり、ローリング・ストーン誌の "孤島へ持って行く10枚のアルバム" アンケートでClive Davis(元CBS社長、現アリスタ社長)らがこのアルバムを選んでいる。そして2000年というまさに"Millennium" な年、『Begin』録音時のアウトテイクや初期ヴァージョンを集めた『The Second Millennium』『Millennium Continues』の2枚や、"Together" 時代のCurt の未発表録音を集めた『Misty Mirage』が日本でのみ発売され話題を呼んだ。
そうして出来あがった『Begin』は'68年に発表された。結果的に制作費が10万ドルという史上最高の制作費がかかってしまったこのアルバムは、前衛的過ぎるという理由で積極的なプロモーションがされず商業的成功には結びつかなかったが、 内容は単なるポップスから逸脱した傑作中の傑作である。様々なSEやコーラスにばかリ焦点が行きがちだが、サウンド・ギミックに耐えうる頑丈なメロディを持っていること、またPhil Spector がモノラルで完成させたあの濃厚でダイナミックなサウンドを、初めてステレオで再現させことも重要だ。 その後 Curt は、'69年に Gary Usher、Keith Olsen らと新レーベル "Together" を設立。Sagittarius のセカンド・アルバム等をリリースしている。'73年には唯一のソロ・アルバム『There's An Innocent Face』を発表したり、70年代半ばには Bruce Johnston が結成したCalifornia Music の後を継ぎ、California 名義で数枚のシングルをリリースしたりしている。その後ディスコにハマり、 The Beach Boys、Sailor、Geno Washington などのプロデュース行っていたが、'87年6月にエイズにより43歳という若さで他界してしまう。 『Begin』の革新的なサウンドは時代が経てば経つほど評価が高くなり、後年サタディ・レヴューが60年代の最も優れたアルバムのベスト3に選んだり、ローリング・ストーン誌の "孤島へ持って行く10枚のアルバム" アンケートでClive Davis(元CBS社長、現アリスタ社長)らがこのアルバムを選んでいる。そして2000年というまさに"Millennium" な年、『Begin』録音時のアウトテイクや初期ヴァージョンを集めた『The Second Millennium』『Millennium Continues』の2枚や、"Together" 時代のCurt の未発表録音を集めた『Misty Mirage』が日本でのみ発売され話題を呼んだ。