【BARKS編集部レビュー】DITA ANSWER、上質が生み出す必然の高音質

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バランスド・アーマチュア・ドライバーを片耳に10個も搭載した多ドライバーや、ダイナミックとBAのドライバーを複数組み合わせたハイブリッド、新機構とともに複数のダイナミック・ドライバーを搭載したモデルなど、ここ数年のイヤホンの発展は凄まじく、様々な製品が次々と登場し、話題を牽引している。カスタムIEMブランドが積極的にユニバーサル化(註:カスタムではなく一般販売できる汎用型イヤホンのこと)を図っている昨今の動きも非常に刺激的だ。

◆DITA ANSWER画像

一方で、その反動とでも言うべきか、ダイナミックドライバー1発で最高品質を徹底追求するという、王道を貫く正統派イヤホンの存在も逆に際立ってくる。シンプルな構造ゆえに、高品質を達成するには極めて高い設計思想が必要となり、作りこみにも一切のごまかしが効かなくなる。妥協なき制作姿勢により販売価格は跳ね上がっていくが、理想に到達したプロダクトからは、匠の美しさが放たれることとなる。その美しさは、見た目然り、サウンド然り。極みの域から発せられる上質な肌合いは、豊かなひとときを提供してくれる心のビタミンのようでもある。

高い理念を持って誕生したDITA ANSWER(ディータ アンサー)は、まさにそんなイヤホンの代表的な存在で、サウンド/質感共に“プレミアム”という言葉がよく似合う。極めて高解像度で音質はかなり良い。低域の押し出しも強く引き締まったローの量感もたっぷりとある。その上で高域の透明度も申し分なく、鮮やかな音像は一聴して「いい音だ」と思わせる、いい意味でのわかりやすさがある。


健康的&鮮明なサウンドでフォーカスがびしっと合っているので、切れ味するどくソリッドなトーンにも感じるが、重量感のある低域が制動の効いたキレの良いトーンで躍動感たっぷりで、スピード感に溢れている。品のいいレンジの広さが、育ちの良さを表している感じだ。人に例えてプロファイリングしてみれば、「ドイツ生まれの貴族のおぼっちゃまがイギリスに留学しポロと乗馬を習得、その後アメリカでアメフトの一流選手として活躍しちゃった」ようなイメージか。質実剛健のイケメン白人男子。実際はシンガポールのブランドなんだけど。

ただし、かなりストイックに作りこまれた高品位サウンドなので、どこか行き過ぎを感じる人にはその点が欠点となるかもしれない。言うなればイケメン過ぎるというやつだ。高域が尖すぎる、ビートが刺激的、情報量が多すぎて聴き疲れる…など。本来これらは全て素晴らしき美点ポイントなのだけど、人によっては受け入れられない臨界点にまで迫る完成度を有しているということだ。私の場合は、DITA ANSWERの上位バージョンとなるDITA ANSWER Truth(Van den Hul社との共同開発で誕生した超高性能ケーブル“The Truth”を採用)では、高域の再現性が更に増したことで彩度の強さが気になるほどに上昇していた。聴感スペック上はDITA ANSWER Truthの方が明らかに上だが、やわらかさと優しさと厚みを感じるDITA ANSWER(ノーマルバージョン)のほうが好みのバランスだった。


絶妙なバランスと、優しさにも感じるほんのりとした甘さがツボに刺さり私はDITA ANSWERを選んだが、更なるビビッドなサウンドを求めるのであればDITA ANSWER Truthがいい。高域寄りのバランスになり相対的に低域が控えめになるが、ぜひ聴き比べをして気に入った方を選べば良いと思う。ストイックな音の描き方をしてくれるのはDITA ANSWER Truthの方だが、ケーブルには硬さがあり取り回しは良くないので、その点もチェックした方がいいだろう。

所有している中で自分的殿堂入りダイナミック系イヤホンに、SONY MDR-EX1000、ゼンハイザーIE 800、音茶楽Flat4-楓といったモデルがあるけれど、DITA ANSWERも速攻で殿堂入りを果たした“自分にとっても特別な存在”となった。


▲左がDITA ANSWER Truth。このマットゴールドカラーは限定色で、通常モデルはサテンブラック。右がDITA ANSWER。


▲左から、MDR-EX1000、IE 800、Flat4-楓、DITA ANSWER、DITA ANSWER Truth。

高額故に、いわゆるマニアからの注目と評価を一身に浴びるのが現実だけれど、このDITA ANSWERがアピールすべき先はイヤホンオタクではない。やんごとなき上流階級の方々だ。時計やバッグが売られているように、三越や高島屋のような百貨店/デパートでイヤホンが売られるとすれば、それは間違いなくDITA ANSWERであるべきだと思う。上質であることから必然として生まれる高品質、それがコトの本質である。老若男女、嗜好を問わぬ上質な佇まいは、まだまだ多くの人を喜ばせる伸び代を持っているはずだ。

最後に蛇足ながら、ぷちネタを。DITA ANSWERはステム部分が短めなので耳孔への深い挿入が難しく、人によっては装着の安定と遮音性に不安があるかもしれない。私はWESTONEのカスタムイヤーチップ UM56を用いることで、完全なフィッティングと全帯域のロスを最小限に抑えることに成功、デフォルトチップと比べると、音の鮮度から遮音性、装着感全てにおいて向上させることができている。DITA ANSWER+UM56、これはっきり言って無敵状態です。

text by BARKS編集長 烏丸哲也


▲DITA ANSWERにカスタムイヤーチップ UM56を装着した状態。これで完璧。

●DITA ANSWER


・ドライバー:超広帯域幅10mmトランスデューサー×1
・周波数:18-25000Hz
・インピーダンス:16Ω
・感度:102 db
・色:スモーキープラチナ
・ケーブル:The Fat Cable(1.2 m)
・はんだ:VDH製銀ろう(鉛を含まない)
アクセサリ
・小径イヤーチップ×3ペア S/M/L(高音部が心地よい)
・中径イヤーチップ×3ペア S/M/L(基準チューニング)
・大径イヤーチップ×3ペア S/M/L(高音部がのびやか)
・ダブルフランジ型イヤーチップ×1ペア
・カスタムフライトアダプター×1
・3.5mm-6.3mmアダプター×1
・プレミアムレザー製キャリングケース×1
・カジュアルキャリングケース×1

◆DITA ANSWERオフィシャルサイト
◆BARKSヘッドホン・チャンネル
◆BARKS カスタムIEM専門チャンネル

BARKS編集長 烏丸レビュー

■イヤホン ●ヘッドホン ◆カスタムIEM ◇他
◆LEAR LCM-BD4.2(2015-06-21)
■DUNU DN-2000J(2015-06-14)

■2015年上半期 お薦めイヤホン(2015-06-06)
◆Noble Audio Savant(2015-05-28)
◆Westone ES30(2015-05-10)
◆JH AUDIO Roxanne(ロクサーヌ)(2015-04-24)
◇SONY NW-ZX2(2015-04-17)

◆カナルワークスCW-L15(2015-04-11)
◆Heir Audio 10.A(2015-03-15)
●v-moda Crossfade M-100(2015-03-01)
◆FitEar Aya~彩(2015-02-23)
◇UE MEGABOOM(2015-02-8)

◇COWON PLENUE 1(2015-01-25)
■Unique Melody Maverick(2015-01-12)
◆rhines stage 5(2015-01-03)
◇Calyx M(2015-01-01)
■LIVEZONE R4 LZ 4ユニバーサル(2014-12-15)

■ROCK JAW KOMMAND(2014-12-14)
■Donguri-楽 濃茶&鐘(2014-12-08)
■DUNU ALPHA 1(2014-11-30)
■Fidue A71(2014-11-23)
◆AAW M20(2014-11-16)

◆Ultimate Ears UE 7 Pro(2014-11-3)
■絶対失敗しない攻めのサウンド、お薦めイヤホン6品(2014-10-21)
■NOBLE AUDIO Kaiser 10 universal(2014-10-18)
◆カナルワークスCW-L71PSTS(2014-10-12)
■UCOTECH IL300 affetto(2014-10-05)

◆rhines stage 4U(2014-09-28)
●ROCK JAW ACERO(2014-09-21)
◆Westone ES60(2014-09-14)
■Astrotec Lyra(2014-09-08)
■NOBLE FR(WIZARD)(2014-08-26)

■Fidue A83(2014-08-19)
◇Musician's Ear Plugs(2014-08-10)
◆Noble Audio 5C R Configuration(2014-07-27)
◆FitEar萌音-MONET(2014-07-21)
■SHURE SE112(2014-07-13)

■Blue Ever Blue 878(2014-07-01)
■茶楽音人Donguri-楽(RAKU)(2014-06-24)
■オーディオテクニカATH-CKR10(2014-06-14)
◇estron Music、BaX(2014-06-03)
■OSTRY KC06(2014-05-18)

◆VISION EARS VE6 Xcontrol(2014-05-25)
■Fidue A81(2014-05-17)
◆カナルワークスCW-L32(2014-05-04)
■アルティメットイヤーズUE900s(2014-04-26)
■Astrotec AX60&AX35(2014-04-20)

◆CUSTOM ART Pro 330v2(2014-04-13)
●MPC Headphones(2014-04-06)
●Klipsch STATUS(2014-03-30)
●SMS Audio STREET by 50 DJ Pro Performance Headphones(2014-03-23)
◆AK240×カスタムIEM(2014-03-16)

■RHA MA750(2014-03-09)
■Meze 11 Deco(2014-03-02)
◇Astell&Kern AK240(2014-02-22)
◆1964 EARS V6-Stage(2014-02-17)
◆カナルワークスCW-L32V(2014-02-09)

◇EarPeace HD(2014-02-02)
◆Noble Audio Kaiser 10(2014-01-19)
◆Clear Tune Monitors CT-300Pro(2014-01-04)
◇KLIPSCH KMC1(2014-01-01)
■DUNU DN-1000(2013-12-30)

◆Ultimate Ears Reference Monitors(2013-12-16)
◆Ultimate Ears 11 Pro(2013-12-08)
◆earmo Tune5(2013-12-03)
●オーディオテクニカATH-OX7AMP(2013-11-23)
■音茶楽Donguri-欅(KEYAKI)(2013-11-17)

■オーディオテクニカ ATH-IM01~04(2013-10-27)
◇Astell&Kern AK10(2013-10-25)
●フィリップス Fidelio M1(2013-10-22)
◆earmo Tune4(2013-10-12)
◆Ultimate Ears Personal Reference Monitors(2013-10-05)

◆Sensaphonics 2XS(2013-09-30)
■Earsonics SM64(2013-09-23)
◆LIVEZONER41 LZ12(2013-09-15)
◆Ultimate Ears カスタムIEM全7機種(2013-09-08)
◆null audio Elpis(2013-09-03)

■FitEar Parterre(2013-08-25)
◆カナルワークスCW-L12(2013-08-17)
◆Livezoner41 LZ 4(2013-08-06)
■SHURE SE846(2013-08-02)
■オーリソニックスASG-2 with BassPort(2013-07-28)

■Hippo ProOne(2013-07-21)
◆カナルワークス CW-L51a(2013-07-13)
■EXS X10(2013-06-24)
■音茶楽Flat4シリーズ粋、楓、玄(2013-06-17)
◆LEAR LCM-1F(2013-06-10)

◇Ultimate Ears UEブーム(2013-05-28)
◇Stage93 93PC(2013-05-20)
●Meze Headphones(2013-05-08)
●Fischer Audio Jubilate(2013-04-29)
◇ORB JADE casa(2013-04-21)

◆lime ears LE3(2013-04-14)
◇雑誌「DigiFi 第10号」付録(2013-04-06)
●Ultimate Ears UE 9000、UE 6000、UE 4000(2013-04-01)
■開放型インナーイヤーイヤホンおススメ5モデル(2013-03-19)
◆LEAR LCM-5(2013-03-16)

●フィリップスFidelio L1(2013-02-25)
○スマホが与えた音楽リスニングのモラル変革(2013-02-17)
■Klipsch Image X7i(2013-02-04)
◆LEAR(2013-01-27)
◆カナルワークスCW-L05QD(2013-01-13)

◆earmo(2013-01-02)
◆Westone AC2(2012-12-25)
◇Stage93 93SPEC(2012-12-16)
●California Headphone Silverado、Laredo(2012-12-09)
■音茶楽Flat4-楓(2012-12-03)

◆Stage93 Stage 6(2012-11-26)
●GRADO SR60i(2012-11-19)
◇Astell&Kern AK100-32GB-BLK(2012-11-15)
●オーディオテクニカ ATH-WS99(2012-11-10)
■アトミック フロイドPowerJax+Remote(2012-10-29)

◇VORZUGE VorzAMPduo(2012-10-26)
●ファイナルオーディオデザイン heaven VI(2012-10-16)
●beyerdynamic T 90(2012-10-08)
●GRADO GS1000i(2012-09-30)
●SENNHEISER HD 700(2012-09-16)

◆ACS T1 Live!(2012-09-11)
●オーディオテクニカ ATH-AD2000 ATH-AD1000(2012-09-03)
●GRADO RS1i、SR325is、PS500(2012-08-20)
◆FitEar MH335DW(2012-08-15)
●DIESEL VEKTR(2012-08-07)

◆カナルワークスCW-L51 PSTS(2012-07-30)
●Fischer Audio FA-002W(2012-07-25)
●Pioneer SE-MJ591(2012-07-16)
■GRADO iGi(2012-07-12)
●HiFiMAN HM-400(2012-06-26)

●Klipsch Reference One(2012-06-17)
●GRADO PS1000(2012-06-09)
●ULTRASONE edition 8(2012-06-02)
●PHONON SMB-02(2012-05-28)
■音茶楽Flat4-粋(SUI)(2012-05-20)

●<春のヘッドフォン祭2012>、Fischer Audio FA-004(2012-05-13)
◇Hippo Cricri、Go Vibe Martini+、VestAmp+(2012-05-04)
■ファイナルオーディオデザインheaven IV(2012-04-28)
■フィッシャー・オーディオ Jazz (2012-04-22)
●SHURE SRH1840 & SRH1440(2012-04-16)

■FitEar TO GO! 334(2012-04-08)
◆Unique Melody Mage(2012-03-26)
●Takstar PRO 80、HI 2050、TS-671(2012-03-20)
●klipsch Mode M40(2012-03-15)
■Fischer Audio DBA-02 Mk2(2012-03-07)

◆AURISONICS AS-1b(2012-02-27)
■UBIQUO UBQ-ES503、UBQ-ES505、UBQ-ES703(2012-02-21)
◆Heir Audio Heir 3.A(2012-02-15)
■moshi audio Clarus(2012-02-12)
◆Thousand Sound TS842(2012-02-08)

◆Heir Audio Heir 8.A(2012-02-01)
■CRESYN(2012-01-17)
◆Unique Melody Merlin(2012-01-08)
◆カナルワークスCW-L01P(2012-01-03)
■ファイナルオーディオデザイン Adagio(2011-12-31)

◆LEAR LCM-2B(2011-12-26)
●SOUL by Ludacris SL100、150、300(2011-12-23)
●AKG K550(2011-12-20)
■SENNHEISER IE80 & IE60(2011-12-16)
■DUNU(2011-12-14)

◆カナルワークスCW-L10(2011-12-12)
■オーディオテクニカ ATH-CK90PROMK2(2011-12-09)
◆Ultimate Ears UE 5 Pro(2011-12-06)
■REALM IEM856(2011-12-02)
■ファイナルオーディオデザインAdagio III(2011-11-26)

◇Ultimate Ears用交換ケーブルFiiO RC-UE1&オヤイデ電気HPC-UE(2011-11-25)
●Reloop RHP-20(2011-11-22)
■オーディオテクニカ ATH-CK100PRO(2011-11-14)
■SOUL by Ludacris SL99(2011-11-04)
■Fischer Audio Ceramique(2011-10-25)

■SHURE SE535 Special Edition(2011-10-21)
■JVCケンウッドHA-FX40(2011-10-16)
■BauXar EarPhone M(2011-10-10)
■SONOCORE COA-803(2011-10-02)
◆TripleFi 10 ROOTHリモールド(2011-09-25)

■AKG K3003(2011-09-18)
■Atomic Floyd SuperDarts+Remote(2011-09-11)
■Bowers & Wilkins C5(2011-09-06)
■Westone3(2011-09-02)
◆カナルワークスCW-L31(2011-08-26)

◇ORB JADE to go(2011-08-22)
■YAMAHA EPH-100(2011-08-14)
■NW-STUDIO(2011-08-09)
■NW-STUDIO PRO(2011-08-02)
◆FitEar MH334(2011-07-29)

◆ROOTH SE530×8(2011-07-26)
■Westone ES5(2011-07-21)
●SHURE SRH940(2011-07-17)
◆Ultimate Ears 18 Pro(2011-07-15)
■クリエイティブAurvana In-Ear3(2011-07-06)

◆カナルワークス CW-L01(2011-07-01)
■GRADO GR10&GR8(2011-06-25)
◇SAEC(サエク)SHURE SE用ケーブル(2011-06-21)
■フィアトンPS 20&PS 210(2011-06-17)
■ZERO AUDIO ZH-BX500&ZH-BX300(2011-06-11)

■フィリップスSHE8000&SHE9000(2011-06-03)
■アトミック フロイド(2011-05-26)
■モンスター・マイルス・デイビス・トリビュート(2011-05-20)
■SHURE SE215(2011-05-13)
■ファイナルオーディオデザインPiano Forte IX(2011-05-06)

■ラディウス・ドブルベ/ドブルベ・ヌメロドゥ(2011-05-01)
■ローランドRH-PM5(2011-04-23)
■フィリップスSHE9900(2011-04-15)
■JAYS q-JAYS(2011-04-08)
◇フォステクスHP-P1(2011-03-29)

■Klipsch Image X10/X5(2011-03-23)
■ファイナルオーディオデザインheaven(2011-03-11)
■Ultimate Ears TripleFi 10(2011-03-04)
■Westone4(2011-02-24)
■Etymotic Research ER-4S(2011-02-17)

■KOTORI 101(2011-02-04)
■ゼンハイザーIE8(2011-01-31)
■ソニーMDR-EX1000(2011-01-17)
■SHURE SE535(2011-01-13)
■ビクターHA-FXC51(2011-01-12)
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