プロフィール・バイオグラフィ・リンク

ヴィジュアルアーティストの母と、ポルカのバンドでベースを弾く一方で昆虫学の博士号も有する父を持つPaula Coleは、マサチューセッツ州ロックポートの、アーティスト気質に理解のある家庭に育った。Cole自身はボストンのバークリー音楽院に通い、ジャズの唱法と即興を学んだ。クラシックの素養もあるのだが、本人は家族から学んだ独学の精神こそ重要だと考えている。ラジオやレコードはほとんど聴いたことがないそうで、どんな音楽を創るにしろ、自分の内なる声に勝る大切なものはない、というのが彼女の主張である。

デビューアルバムの『Harbinger』は、未熟なところはあるにせよ、注目すべき才能の持ち主として彼女を世に知らしめた。Peter Gabriel、Melissa Etheridge、そしてSarah McLachlanの前座を務めたツアーは、それぞれに過酷で、そこから得た経験値の高さは次作『This Fire』の遥かな成熟ぶりに表れていた。

ギターのGreg Leisz、ドラムのJay Bellerose、ベースのTony Levinを巧みに配して、自らが奏でるピアノとクラリネットを際立たせるCole。シンガーソングライター然とした、暗くて物憂げなこのアルバムからは、“Where Have All The Cowboys Gone?”(ポップロック・シングルを装った短編)や、“I Don''t Want To Wait”(人気テレビ番組『Dawson''s Creek』の挿入曲)といったヒットが生まれ、McLachlanのLilith Fair Tourに参加するきっかけになったほか、このアルバムで''97年のグラミーで最優秀新人賞も受賞した。きつい販促キャンペーンを一通りこなした後に、Coleは再びLevin、Bellerose、それからギタリストのKevin Barry(Levinを除く2人は、新たにPaula Cole Bandと銘打ったライヴバンドの中核を成す)を伴なってスタジオ入りし、ソウルの影響も著しいアルバム『Amen』を録音。これが''99年の秋にリリースされた。