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60年代から生き延びてきたロックアーティストの大半が、発展し、衰退し、あるいは何らかの形で転身をはかったのに比べて、Santanaはどんなときも常にSantanaだった。バンドが様変わりしなかったわけではない。ラインナップには20回以上の交替があった。ファンの中には、いちばんロックっぽかった'60年代終盤のオリジナルメンバーが最高だという人もいるだろう。

しかし、リーダーのCarlos Santanaが燃やしつづける情熱にはいささかの変化もない。それに、オルガンやコンガに重なる彼の泣きのギターはあまりにも強烈で、ロックやジャズをやろうと、ラテンやファンクだろうと、すべて“Santanaミュージック”になってしまうのだ。



結成当初のSantanaは、ラテン音楽とウェストコーストロックのジャムセッション風サウンドをシンプルに融合させていた。このバンドが'69年に発表したデビューアルバムと、Woodstockで披露した“Soul Sacrifice”の演奏に触発されて、多数のグループがいっせいにコンガを使いはじめた(Rolling Stonesの“Can't You Hear Me Knocking”も然り)。


ヒットシングルが最も多かったのはオリジナルラインナップ時で、そのほとんどはカヴァー曲(Fleetwood Macの“Black Magic Woman”、Olatunjiの“Jingo”、Tito Puenteの“Oye Como Va”、Willie Boboの“Evil Ways”など)だった。


大きな転機となった'72年、友人でコラボレーターのJohn McLaughlinの影響を受けたSantanaは、ジャズ/フュージョンの精神世界をめざすようになる。この方向で作った一連のアルバム('72年の『Caravanserai』、'73年の『Welcome』、'74年の『Borboletta』)は非常に冒険的だった。'76年の『Amigo』以降も、音楽のさまざまな可能性が追究されるが、その一方ではメインストリームロックやダンスの要素が次第に取り入れられる。



Santanaはバンドとして、あるいは個人名義で、毎年のようにアルバムを出している(バンドとソロの区別はつけにくい)。当然バンド名義のアルバムも相当数にのぼるのだが、傑出した作品はこれといってない(R&B風の『Havana Moon』、ジャズっぽい『The Swing Of Delight』など、代表作はいずれも“Carlos Santana”名義)。


'81年の“Winning”(メインストリームを意識したアルバム『Zebop!』に収録)以来、ソロとバンドを問わず大ヒットは記録していないが、今日でも評判が高いのが彼のライヴショウだ。ライヴでは今も、彼が得意とするインプロヴィゼーションに重きが置かれる。古いヒット曲を聞かせるだけの安易なステージに満足することのない彼は、数少ない模範的なロックアーティストなのである。


なお、おもしろいことに、Gregg RolieとNeal Schon(共にJourneyを結成した)をはじめとする初期のメンバーのほとんどが、Abraxas PoolというバンドでSantanaのようなことをやっている。

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